知育玩具のパイオニア〈ボーネルンド〉の取り組みをご紹介する第4弾。創業43年を迎えた今年はさらに進化し、新たな分野への挑戦も。その展望について、聞きました。
PHOTO BY Kenya Abe
Edit & Text by Ai Sakamoto
買い物の合間などに、親子で利用できると人気の六本木ヒルズ〈おやこ休憩室〉。パステルカラーを使った空間では〈ボーネルンド〉の中西弘子社長と、その娘で副社長のみのりさん、孫のひなたちゃんが仲よく遊んでいます。今年創業43年を迎える同社の3本柱は「あそび環境の創造」「世界のあそび道具の販売」「あそび場の運営」。祖母や母として、ひなたちゃんの成長に携わってきたことが、社業にも活かされていると話します。
例えば、「孫のひなたが生まれた当時、乳幼児期に使える道具が少ないことに改めて気づき、授乳クッションやスリーパーなどを導入。赤ちゃんのお世話や眠りの道具も提案するようにしました」と弘子社長が言えば、「子どもの成長は小刻みで濃密。そこで、室内あそび場『KID-O-KID(キドキド)』の赤ちゃん専用ゾーンで、3カ月周期で揃えていたあそび道具を1カ月ごとに変更するなど、より丁寧に見直すようになりました」とみのりさんが返します。
子どもを取り巻く環境の変化を捉えて、新たな取り組みもスタートさせました。これからの子どもたちに体験してほしいアート&クラフトのアイテムや、アクティブ・ラーニングに活かせる提案も積極的にしていくといいます。
「これ以外にも、明星大学教育学部の星山麻木教授とともに、子どもの心や発達、特別支援について学べる『発達サポーター育成講座』を立ち上げたり、あそびとスポーツをテーマにした新スタイルの『ボーネルンドあそびのせかい 有明ガーデン店』をオープンさせました」と弘子社長。
自社運営で長年培ってきたノウハウを活かし、自治体や異業種の企業と協働しながら、子どもの発達に必要なあそび場づくりに積極的に取り組んできた〈ボーネルンド〉。今年は、より進化した活躍が期待できそうです。
※初出=プリント版 2020年7月1日号
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