Nothing beats oden in winter

今宵はヒルズの「おでん」で乾杯!

だんだんと肌寒くなってきたこの時期、美味しいお酒のお供には、やっぱりおでんが一番! ということで、虎ノ門ヒルズで堪能する極上おでんのお店、麻布台ヒルズで買える絶品おでん種のお店をご紹介します。

PHOTO BY RIKU FUJIWARA
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❶ 酒屋直営店だからこそ実現した、名物おでんと日本酒のベストマッチ——角打ち KAN

アボカドのおでん¥495。アボカドにオリーブオイルを垂らし、粉チーズをトッピング。その上からたっぷりの出汁をかけることで濃厚な味わいに。必ずオーダーするというリピーター続出のメニュー。

「おでんのおまかせ盛り合わせ(3種)」¥880。たっぷりの出汁が染み込んだ「虎ノ門おでん」は、まろやかな旨味で、日本酒の香りと味わいをより引き立てる。写真はおまかせの一例(大根、ごぼう巻き、玉子)。

「おでんのおまかせ盛り合わせ(5種)」¥1,375。バラエティ豊かなおでんをいろいろと味わいたい時にはお得な盛り合わせがお勧め。人気種の赤巻きは紅白の渦巻き模様が特徴のかまぼこで、金沢おでんの定番。写真はおまかせの一例(大根、玉子、焼き豆腐、餅巾着、赤巻き)。

店の奥にある「角打ち」エリアには日本酒、ビール、焼酎、ウイスキー、ジン、ワイン、梅酒など、選び抜かれた酒類が揃う。中でも注目すべきは「酒造りの神様」と呼ばれる日本最高峰の杜氏、農口尚彦氏の日本酒。入手困難と言われる大人気の名酒を、気軽に飲み比べられるのも嬉しい。季節ごとに入荷する限定品を味わいたい。(右から)「観音下(かながそ)」グラス¥759、「純米大吟醸 無濾過原酒」グラス¥1,485、「本醸造 無濾過生原酒 」¥979、「純米酒 無濾過生原酒」グラス¥1,045。全て「農口尚彦研究所」の日本酒。

虎ノ門ヒルズ ステーションタワー地下2階にある『角打ち KAN』。大田区蒲田の老舗酒屋「榎本酒類」が手がけるこの店は、立ち飲みを楽しむ「角打ち」エリアと、料理も味わえる「酒処」エリアが併設されている。和モダンを基調とした温かみのあるインテリアは、女性ひとりでも気軽に立ち寄れるオープンな雰囲気で、実際に男性客より女性客が目立つほど。場所柄、仕事帰りにサクっと飲んで帰るスタイルを楽しんでいるお客様が多いようだ。

店の中心にある酒処エリアでは、名物の「虎ノ門おでん」をはじめ、牛スジ串、一口餃子など、日本酒をより美味しくする、相性抜群の逸品が味わえる。特に「金沢おでん」をルーツに、静岡産の花鰹と日高昆布から丁寧に取った出汁が染み込んだ「虎ノ門おでん」は、ほとんどのお客様がオーダーする『角打ちKAN』の看板メニュー。「おでんの味は地方によって異なります。また外国の方々にももっと知ってほしい。そこで、多くの人に美味しいと思ってもらえるよう、あえて鰹と昆布という王道の組み合わせにこだわりました」と店長の愛甲氏。大根、玉子、モチ巾着などの定番から、アボカド、ミニトマト豚肉巻きなどの変わり種まで、常時約20種類が揃う。4つの薬味(からし、生七味、柚子胡椒、柚子味噌)で味変しながら楽しめるのも嬉しいところ。

「男女問わず一番人気なのは、アボカドのおでんですね。熱々の出汁でチーズがとろけて、思いがけない美味しさにハマるようで、ほとんどのお客様がオーダーされます。金沢おでんの定番、車麩もよく出ます」。実は、猛暑が続いた今年の夏でも客足は変わらず、おでん人気の高まりを感じていたそう。1年中いつでも気軽に食べられる国民食へと変わりつつあるとしても、やはりこの時期、「寒い日はおでんと日本酒」という風物詩を『角打ちKAN』で楽しみたい。
 

角打ち KAN 住所=東京都港区虎ノ門2-6-2 虎ノ門ヒルズ ステーションタワー B2F T-MARKET 電話=03-6205-4141 営業時間=平日11:00〜14:00(L.O.14:00)、角打ち14:00〜23:00(L.O.22:30)、酒処17:00〜23:00(L.O. 22:30)、土曜11:00〜23:00(L.O.22:30)、日・祝11:00〜22:00(L.O.21:30) ※各種電子マネー、交通系IC、各種クレジットカード利用可


TEXT BY HIROMI UETA

❷ 和食の匠による澄んだ美しい出汁に、心もホッコリ——創作うどんとおでん居酒屋 あんぷく

おでん8種(こんにゃく・玉子・昆布・さつま揚げ・大根・厚揚げ・牛すじ・もち巾着)¥2,255。ほかにも5種、12種がある。奥に並ぶのは安江シェフおすすめの日本酒。右から青森の「田酒」、「田酒 善知鳥(うとう)山田錦」、「田酒 四割五分(よんわりごぶ)山田錦」。

まるでお吸い物のような、はまぐりのおでん¥455。

サッと煮込んだカマンベールチーズに、黒コショウが乗った、カマンベールのおでん¥328。

「プレミアム銘酒三種飲み比べ」秋田の新政(あらまさ)¥2,310

名物カルボナーラうどんや8時間煮込んだ牛すじ黒カレーうどんなど、50種近い創作うどんで人気の『あんぷく』池袋店の姉妹店がこちら。虎ノ門ヒルズ店では、創作うどんと共に高い人気となっているのが、夜だけ提供されているおでんだ。

とにかくおでんの上品で優しい味わいの出汁は絶品。それもそのはず。東京・赤坂の『ポワソン六三郎』で修業を積み、創作料理『NINJA』のニューヨーク店立ち上げにも参画するなど、オーナーの安江勇治シェフはとことん和食を究めた人。イリコとたっぷりの昆布だけで取った出汁に、薄口しょうゆ、塩、酒だけで作り出したおでん出汁は、美しく澄んだ、まさにお吸い物のような優しい味わいに仕上がっている。

おでんの具は王道の大根やこんにゃく、さつま揚げなどに加えて、カマンベールチーズやはまぐり、春菊や水菜、わかめなどの変わり種もある。特に女性を中心に人気が高いのは野菜のおでん。身体を芯から温めてくれるような味わいである。さらにおでんと共に楽しみたいのは、安江シェフがセレクトした日本酒の数々。通常では入手しにくい「田酒 善知鳥 山田錦」もここでは味わえるのでお試しあれ。おでんはテイクアウトも可能。
 

創作うどんとおでん居酒屋 あんぷく 住所=東京都港区虎ノ門1-26 虎ノ門ヒルズ 森タワー 4F 電話=03-6257-3850 営業時間=11:00〜15:00(L.O.14:30)/平日・祝前日17:00~23:00(L.O.22:00)、土・日・祝17:00~22:00(L.O.21:00) 定休日=無休 ※各種電子マネー、交通系IC、各種クレジットカード利用可


TEXT BY YUKO TANIGUCHI

❸ 昔ながらの製法で作られた絶品さつま揚げ。ここだけのオリジナルも豊富 ——塚田水産

吉祥寺店では購入できない商品や季節限定商品など、バラエティに富んださつま揚げやおでんの具が並ぶ。

麻布台ヒルズ店だけのおでん販売。おでんのスープをたっぷり入れてくれるので、自宅で温め直すだけでOK。

『塚田水産』オリジナルのおでん出汁(希釈用)とお好みのさつま揚げを購入すれば、簡単に自宅で絶品おでんが完成する。

麻布台ヒルズ店お勧めのさつまあげの数々。手前左が東京揚げ¥411、手前右がとうもろこしまみれ¥454のほか、枝豆天、イカづくしなど。

美味しいおでんの条件には、出汁も重要であるが、忘れてはならないのは、やはりこだわりのおでん種だ。昭和20年創業のさつま揚げ専門店『吉祥寺 塚田水産』は、地元を中心に長く愛され続けている老舗。その人気ぶりは、農林水産大臣賞を2回も受賞していることが物語っている。

『塚田水産』では保存料や着色料などは一切使用せず、全て自家製にこだわっている。特に「脱水」と呼ばれる魚のすり身から余分な水分を抜く作業を独自の手法で行っているため、しなやかで弾力があり、さらに魚の旨味をしっかり残したさつま揚げやおでん種が仕上がるのだ。

そして、麻布台ヒルズ店で注目したいさつま揚げが、豆腐と魚を混ぜ合わせた「東京揚げ」や、淡路島の玉ねぎを使った「玉ねぎ天」、トウモロコシがたっぷり入った「トウモロコシまみれ」など、こだわりの食材を贅沢に使用した品々。季節限定商品もある。さらにここでは、おでんのテイクアウトも。たっぷりの出汁と共に持ち帰れば、温めるだけで専門店の味が楽しめる。もちろんさつま揚げを自宅の網で炙れば、お酒のつまみやお子様のおやつにもぴったりである。
 

塚田水産 住所=東京都港区麻布1-3-1 麻布台ヒルズ ガーデンプラザ C B1 麻布台ヒルズ マーケット 電話=03-6277-8178 営業時間=10:00〜20:00 定休日=無休 ※各種電子マネー、交通系IC、各種クレジットカード利用可


TEXT BY YUKO TANIGUCHI

※2024年11月現在の情報です。
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