Bread & Coffee to start your day

パンとコーヒーで1日を穏やかに始める——虎ノ門ヒルズエリアの3店

薫風さわやかな季節には、いつもより少し早起きして、美味しいコーヒーとパンの朝食で心身を整えてから仕事に向かいませんか? 充実の“朝活”ができる、虎ノ門ヒルズ周辺の3店をご紹介します。

TEXT BY AKIRA TANAKA
EDIT BY TM EVOLUTION.INC

❶ 朝8時オープン。普段の朝に、彩りのある朝食で1日をスタートする幸せ——RITUEL 虎ノ門

『RITUEL』のシグネチャーともいうべきパン、「エスカルゴ」。フランス産バターの香り漂うクロワッサン生地とフレーバークリームを渦巻き状に。写真のラムレーズンが入った「エスカルゴ レザン」¥432のほか、ピスタチオクリームとチョコを加えたものなども。

「クロワッサン」¥356。どのベーカリーにもあるクロワッサンを食べれば、その店の個性がわかる。フランス産バターを使用したこちらは、三日月形の両端のデザインがなんとなく可愛らしい。サンドイッチ用としても。

パイ生地にカスタードを巻き込んだ「ル・サクリスタン」¥389。スティック状でサクサクした食感が手軽な朝食にぴったり。ベーシックなものをはじめ、「ロイヤルミルクティー」¥454、ピスタチオクリームを使った「ピスタージュ」¥410などバリエーションも豊富。

「コーヒー」¥550や「カフェラテ」¥660をパンのお伴に。『RITUEL』のパンに合った豆を吟味した、朝にぴったりな香り高い一杯。

虎ノ門ヒルズステーションタワー2階エントランスの解放的な一角にあるのが、ブーランジェリーとカフェ、そしてブラッスリーを併設する『RITUEL虎ノ門』。陽光降り注ぐ気持ちのいい店内は、一日のスタートに、元気を与えてくれるような気持ちにさせる。アパレル会社「ベイクルーズ」が展開する『RITUEL』は、空間も並べられたパンも、外国のようなどこかおしゃれで洗練された雰囲気が漂う。約40 種類あるパンは、フランスの伝統的な製パン技法を軸に、20種類以上の小麦粉を用いた自家製酵母、低温長時間発酵を取り入れ、オリジナルの商品をラインナップ。そのほか、ケーキやタルト、焼き菓子、クレープなども取り揃えている。

今回、ご紹介したパン3種とコーヒー、カフェラテは、目覚めて間もない朝の身体をそっと優しく起こしてくれるようだ。まず『RITUEL』のパンで、外すことができないのが「エスカルゴ」。クロワッサン生地にフレーバー生地を巻き込み、スライスして焼いた渦巻きパンだ。お馴染みのパンだが、こちらのものは少し大きめでしっとりしていながら、パリパリとした軽やかな食感もあり、他とは一線を画している。そのほか、忙しい朝にテイクアウトして作業をしながらでも食べやすいサクサク感のあるスティック状の「ル・サクリスタン」や、両端がリボンのようなデザインでチャーミングな見た目の、フランス産バターが香る「クロワッサン」なども朝食にぴったり。

『RITUEL』とはフランス語で「習慣、儀式」を意味する。日々の習慣、変わらぬ日常を衒いもなく、けれど普通のことを丁寧に、そんなエッセンスが込められた店である。『RITUEL』の旗艦店である虎ノ門ヒルズ店では、朝はブーランジェリーやカフェはもちろん、ブラッスリーなども併設する充実ぶり。朝のパンとコーヒーはもちろん、ランチ、今をときめくシェフがプロデュースするディナーまで飾らぬ美味しさ、けれどセンス溢れるパンや料理が鮮やかに生活を彩ってくれる。憧れの日常と、素敵な一日のためにまずは、『RITUEL』のパンとコーヒーで今日を迎えよう。

RITUEL 虎ノ門 住所=東京都港区虎ノ門2-6-1 虎ノ門ヒルズ ステーションタワー 2F 電話=03-3528-8057 営業時間=「カフェエリア」平日・土 8:00〜21:00(L.O.20:30)、日・祝 8:00〜20:00(L.O.19:30)/「ブラッスリーエリア」平日・土8:00〜23:00(L.O.22:00)、日・祝 8:00〜22:00(L.O.21:00) 定休日=無休 ※各種電子マネー、交通系IC、各種クレジットカード利用可


PHOTO BY DAISAKU NISHIMIYA (NDPP.)

❷ 朝7時30分オープン。ニューヨーカーにこよなく愛されたベーカリー——THE CITY BAKERY

「クロワッサンサンド BLT」¥831。プレッツェルの美味しさや食感を添えたクロワッサンに、大きな1枚ベーコンとフレッシュなトマトやレタスを一緒にサンド。ボリューム溢れる朝食としてお腹も満足なサンドイッチ。

「コーヒーシナモンロール」¥410。全粒粉入りの生地と、さらにコーヒーを練り込んだ生地の2種類を用いて焼き上げたほろ苦いパンに、アーモンドスライスをトッピングした白のアイシングを添えて。ほろ苦さと甘さが、朝の気怠い身体を目覚めさせてくれる。

「フォカッチャサンド グリルド芽キャベツ&ペッパーマヨ」¥702。旬の芽キャベツをメインにした野菜のフォカッチャサンド。グリーンペッパーと山椒を入れたマヨネーズソースは、春から初夏の爽やかな季節にぴったり。さりげなく加えられたしば漬は、食感や味をワンランクアップしてくれるだけでなく、緑と紫のコントラストが美しく、食欲のない朝に活力を与えてくれそう。

トレードマークのブルーに白の文字のカップも爽やかでクリーンなイメージ。写真奥のブレンドは、「オブスキュラ焙煎所」で別注した、やや深煎りのバランス抜群のコーヒー¥484。写真手前は「ツートーン」withマシュマロ¥847。エスプレッソとホットチョコレートを合わせ淹れた、いいとこどりのドリンク。別添えの大きなマシュマロはハーフでも注文できる。自家製マシュマロは1個¥132。

根強いファンが多く、メニューに再登場したスムージーは、多くのヘルシー志向の方々に支持されている。こちらの「小松菜バナナスムージー」¥792のほか、季節のフルーツや野菜を使っているものもあり、種類も豊富。ビタミンカラーで元気になりそうなスムージーは、牛乳ではなく豆乳を使っているので、後味もすっきり。

虎ノ門・新橋のビジネスワーカーが行き交う新虎通りビルの1階、オフィス街に小さなテラスが存在感を放つ、洗練されたカフェ&ベーカリーが『THE CITY BAKERY新虎通り』だ。今でこそ、日本全国に35店舗以上展開されている『THE CITY BAKERY』だが、その発祥がNYマンハッタンのユニオンスクエアだということはあまり知られていない。創業者はモーリー・ルービンという元TVプロデューサーというユニークな経歴の持ち主で、フランスでペストリー教室に参加したことをきっかけに、地元で働いたり、住んでいるお客様と繋がりの深いベーカリーをと、一からレシピを考案して1990年に店を構えた。

地元に根ざしたベーカリーで『THE CITY BAKERY』と名が付けられているように、その地域のニーズに合わせ、パンメニューのラインナップを変えているのも大きな特徴。とはいうものの、創業者モーリーのエスプリである、ゆるぎない製パンのレシピは継承。例えばこちらで大人気のクロワッサン「プレッツェルクロワッサン」。しっかりした生地が特徴のパンは、ラウゲン液を用いるなどプレッツェルを作る工程をクロワッサンに取り入れ昇華、クロワッサンとプレッツェルの“ハイブリッド”ともいうべきパンで、オリジナリティ豊かな一品だ。

今回は、朝食のパンとしておすすめの3点のパンをご紹介。まず、自慢のプレッツェルクロワッサンを用いた「クロワッサンサンド BLT」や、シーズナルな「フォカッチャサンド グリルド芽キャベツ&ペッパーマヨ」は野菜がたっぷり。NY店がオープンしたのはファーストフード全盛期の1990年。そんな時代にヘルシーかつ、工房で手間暇惜しまず焼き上げた手作りのパンを提供した。そうしたモーリーの矜持がここでも頑なに守られている。また、ドリンクはこだわりの豆を使ったバランスの良いコーヒーのほか、濃厚なホットチョコレートとほろ苦いエスプレッソのそれぞれハーフをミックスしたものに自家製マシュマロを浮かべた「ツートーン」withマシュマロ(マシュマロはプラス料金)もちょっとしたニューヨーカー気分が味わえる。ヘルシー志向の方には、「スムージー」なども良いだろう。オフィス街の慌ただしい朝に颯爽と、けれど余裕をもってカフェで朝食のパンとコーヒーを。また休日にはテラスで家族とゆったりとブランチを……。東海岸のアーティストによる都会の写真やイラストを切り取ったような、そんな洗練された風景がここにある。

THE CITY BAKERY 住所=東京都港区新橋4-1-1 新虎通りCORE 1F 電話=03-6403-1085 営業時間=平日7:30〜20:00、土・日・祝8:00〜18:00 定休日=無休 ※電子マネー(QUICPay、iD)、交通系IC、各種クレジットカード利用可


PHOTO BY HIROHIDE YAMADA

❸ 朝7時30分オープン。コーヒーとパンをお供に上質な“朝活”を——Espresso D Works 虎ノ門

「あんこクロワッサン」¥378。少し褐色みがあるのは香り豊かな焦がしバターが生地にたっぷりと練り込まれているから。中には口滑らかなこしあんが入っており、ほっとさせる。まぶされたケシの実がアクセントに。

「アールグレイクロワッサン」¥480。細かくされた茶葉が練りこまれたアーモンドクリームと共に焼き上げられたクロワッサン。アールグレイの優しい香りが口にふわっと広がり、朝のひと時を癒してくれる。

「生ハムクロワッサンサンド」¥626。朝食をしっかりとりたい方には、ハイクオリティの生ハムがたっぷりサンドされたこちらがお薦め。シャキシャキなフレッシュ野菜もたっぷり入ってヘルシーそのもの。

右は、“リーズナブル” “ハイクオリティ” “スピーディ”と3拍子揃った大人気のこちらの「ホットコーヒー」¥313。高級な豆をブレンドしたオリジナル焙煎だ。左は、「オーツラテ」¥518。栄養満点ですっきりしたオーツミルクを使用したラテ。ホットもあるが、これからの季節は、アイスもお薦め。

昨年開業した虎ノ門ヒルズ ステーションタワーのエントランスに入ると、広々とした気持ちのいい空間が広がる。吹き抜けの天井は高く、内装は都会の洗練された空気に包まれ、多くの人が行き交う。地下1階の(といっても明るい光が差し込む)いくつものテーブルとチェアが置かれた、フリースペースの一角にあるのが『Espresso D Works 虎ノ門』だ。朝は、ドリンクをテイクアウトするワーカーや、目の前のフリースペースでパンやコーヒーを買って憩う人がひっきりなし。ちなみに夕方からや休日になると、楽しく種類豊富なパッケージのクラフトビールを求める人も多い。キュートなデザインの日本やアメリカのクラフトビールがざっと100種類。軽く引っ掛ける人もいれば、気の利いた手土産にする人もいるのだとか。

スタンドにはクロワッサンなど、できたてパンが並ぶ。決して種類が多いとはいえないが、あなどるなかれ。店の裏に本格的なパン工房があり、ここでパンを焼いているのだ。『Espresso D Works 虎ノ門』は虎ノ門ヒルズ ステーションタワー 4階にある『flour+water 虎ノ門』と同じ会社が運営しており、こちらのパンもこの工房で焼いているのだとか。『flour+water』といえば、行列ができることで知られる中目黒の超人気ベーカリー。必然的にこのスタンドのパンは美味しい! とお墨付きを得ているようなものだ。例えば今回、写真のご紹介はないが人気の「ツナサンド」¥410に使っているのは「ワンハンドレッド食パン」。通常の食パンは小麦粉100に対して水分は70~80ほどしか含まれないのが常識だが、小麦粉100に対して水分100を含有する、ふんわりしっとり柔らかい「ワンハンドレッド食パン」は、知る人ぞ知るこちらの会社が日本で初めて開発したのだ。

また、コーヒーも一家言あるようだ。コロンビア、エチオピア、インドネシアをブレンドした中煎りのオリジナル焙煎で、高級な豆ばかりを使用しているに関わらず、「ホットコーヒー」が¥313とリーズナブル。このエリアでは破格なようで「この値段で大丈夫?」とよくお客様に驚かれるという。しかも量もたっぷりでコンビニの店頭売りのコーヒーの約1.7倍の量というから凄い! のひと言。一見、気負いなくさりげなさが心地いいコーヒースタンドだが、コーヒーもパンも小意気なこだわりがある。まずは、朝のひと時をこちらで楽しんでみようではないか。

Espresso D Works 虎ノ門 住所=東京都港区虎ノ門2-6-1 虎ノ門ヒルズ ステーションタワー B1F 電話=03-6206-1730 営業時間=平日・土7:30〜22:00(フードL.O.21:00、ドリンクL.O.21:30)、日・祝8:00〜21:00 (フードL.O.20:00、ドリンクL.O.20:30) 定休日=施設に準じる ※各種電子マネー、交通系IC、各種クレジットカード利用可


PHOTO BY DAISAKU NISHIMIYA (NDPP.)

※2024年5月現在の情報です。
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