WARM UP WITH ASIAN HOT POT

ホット&ヘルシーな“アジアン鍋”で、真冬の身体を温めよう!

今年の冬は、お店で鍋を囲んで——という楽しみもOKに。中でも韓国や中国の鍋料理は見た目も新しく、盛り上がれそう。1年で最も寒いこれからの時季、心身共に温まれる、ホットな“アジアン鍋”のお店をご紹介します!

EDIT BY TM EVOLUTION.INC

❶ “宮廷のキッチン”から、韓国甘辛鍋の代表格「プルコギ」をお届け——KOREAN BBQ 水剌間

4種の肉から選べる「特撰プルコギ」より「特撰ロース(くらした)プルコギ」(肉は200g、2名様分)¥5,300。ヤンニョムソースに漬け込んだこだわりのロースに、一緒に炒める野菜、くるんで食べるサンチュと特製のたれがセットに。

ジンギスカン鍋のような鉄鍋で焼き炒めると、余分な水分や脂が鍋の周りの溝に流れて、思いのほか、さっぱりヘルシー。焼き上がってきたら、具材を中央に集め、山にして中に旨味を閉じ込めるのが美味しく食べるコツ。

完成したら、シャキシャキのサンチュに、コチジャンベースのたれとプルコギをくるんで食すのが、こちらの定番。もちろん、ほかほかの白飯にのせて食べても間違いない美味しさ。甘辛の味は、お酒との相性もばっちりだ。

韓国語で「プル」は“火”、「コギ」は“肉”を意味する。そう、今回の主役は、日本でもお馴染みの焼き炒め鍋、「プルコギ」だ。もともとは李氏朝鮮時代に始まった食肉文化の高級宮中料理に端を発するようだが、現代のスタイルの始まりは朝鮮戦争以降なのだとか。そのプルコギをメインメニューとする『水刺間』は、恵比寿で2005年に創業して以来、たちまち予約困難な人気店に。ここ六本木ヒルズ店は、2021年にオープンした。高級感のある店内、ライブ感溢れるオープンキッチン、5室の個室もあり、シーンによって色々使い分けられる重宝な店だ。ちなみに「水刺間」とは朝鮮時代、宮廷内の調理などを司るところ、つまり「台所」という意味なのだそう。

“KOREAN BBQ”という文言が冠されたこちらでは、お好みによってバランスの良い「特撰ロース(くらした)プルコギ」¥5,300、比較的脂が少なくさっぱりした「特撰和牛バラ(かいのみ)」¥5,800、柔らかい「極上近江牛ハラミプルコギ」¥6,200、豚肉のジューシーさが人気の「京都丹波産高原豚プルコギ」¥4,800という4種類ものプルコギを用意し、他店にはない六本木ヒルズ店ならではの個性を打ち出している。肉は“目利き”と定評のある京都の卸問屋「牛匠かぐら」から一括で仕入れ、上質な肉へのこだわりは妥協がない。

中央が盛り上がった鉄板製の専用プルコギ鍋を用い、特製だれで溶いた甘辛のヤンニョン(韓国風調味料)で、提供する直前に漬け込んだ厳選された肉を、モヤシ、ニラ、玉ねぎなどのたっぷり野菜と焼き炒めてゆく。美味く作るコツは、焼き上がってきたら鍋の中央に具材を山のように集め、中に旨味を閉じ込めること。コチュジャンベースの味噌を加えたサンチュに肉と野菜をくるんで食せば、口いっぱいに幸せが広がる。唐辛子のカプサイシン効果で温まった身体にマッコリや韓国焼酎を加えれば、冬将軍もなんのその。お酒で忘れてはならないのは、旬の果物などを韓国焼酎で漬け込んだ果実酒も、ここならでは。この時期はイチゴを漬けた果実酒がお薦めだ。また、プルコギのほかにも『水刺間』の韓国料理を堪能したい方は、コース(1名 ¥5,800〜/2名以上の注文)を楽しむのもいいだろう。メインのプルコギのほか、季節の食前粥、旬のチャプチェ、キムチの盛り合わせ、本日のチヂミなど盛りだくさん。人気のメニューを味わえる韓定食となっている。


KOREAN BBQ 水刺間(スラッカン)
住所=東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ ウェストウォーク 5F 電話=03-6434-7818 営業時間=ランチ平日11:00〜15:00(L.O.14:30)、土・日・祝11:00〜15:30(L.O.15:00)/ディナー17:00〜23:00(L.O.22:00) 定休日=無休 ※各種電子マネー、交通系IC、各種クレジットカード利用可
 
TEXT BY AKIRA TANAKA
PHOTO BY HIDEHIRO YAMADA

❷ “麻辣と”薬膳“2種の組み合わせがクセになる絶品火鍋——ファイヤーホール4000

菰田シェフ渾身の火鍋は、朝天辣椒(四川の唐辛子)、花山椒、自家製豆板醤などをベースに四川省の香辛料を合わせた旨辛で癖になる絶品麻辣旨辛スープ(左)と、ナツメ、クコの実、黒コショウなどのほかオリジナルの生薬を配合した万能美肌薬膳スープ(右)の2種が味わえる。

様々な具材を楽しめる火鍋セット「張飛」1名¥3,980(人数分の注文が必要)。内容は、加藤ポーク2種、ホルモン2種(豚トロ、喉仏)、彩り野菜盛り合わせ、ふわふわ肉団子、特製肉ワンタン、板春雨、湯葉、自家製麺、本日のデザート(仕入れ状況により変更あり)。

火鍋は、単品でもオーダー可能(¥2,500)。また、お肉や野菜などの追加注文、辛さ増し(赤唐辛子 ¥580、黄色唐辛子 ¥380)もできる。

「虎ノ門横丁」で、ひと際個性的なファサードが映える『ファイヤーホール4000』。中国・四川省の田舎にある屋台をイメージしたという店内では、まさに四川(4000)の本格的な味わいが楽しめる。オーナーシェフである菰田欣也氏は、かの陳健一氏のもとで研鑽を積み、日本屈指の中華料理人、そして火鍋の伝道師ともなった人物。2013年に中国国家資格認定、中国営養薬膳師免許を取得し、日本人の舌にあったスープを考案。「薬膳は美味しくない」という概念を覆した。

菰田シェフは、火鍋を日本人の“味噌汁文化”に合うよう、スープを楽しみながら食べるスタイルへと昇華。そのスープには様々な身体に効く素材が配合されているが、「絶品麻辣旨辛スープ」に含まれる四川山椒は身体を温めホルモンバランスを整える作用があり、朝天辣椒は疲労回復効果などが期待される。また、「美肌薬膳スープ」はビタミンやミネラルが豊富なクコの実や活性酸素を取り除く効果があるナツメ、塩分を排出する黒胡椒などを配合。ふたつのスープは、共に滋養強壮、免疫力向上、血行促進や美肌作り、代謝アップにも繋がり、寒い季節には特にお薦めの身体に優しい薬膳スープだ。また、昆布のグルタミン酸、カツオのイノシン酸などで旨味もたっぷり。まさに「美味しく食べる栄養」と言えるスープなのだ。

また、「加藤ポーク」は、群馬県の特産品。体温で溶ける食感であることから「くちどけ加藤ポーク」と呼ばれ、コレステロール減少効果のあるオレイン酸も多く含まれ、リノール酸の割合も低く、こちらもまたヘルシー。寒さが厳しい季節、こんな万能火鍋で、弱った身体を整えてみたい。


ファイヤーホール4000
住所=東京都港区虎ノ門1-17-1 虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー 3F 横丁 電話=03-6807-3995 営業時間=11:30〜14:30(L.O.14:00)/17:00〜22:00(L.O.21:30、火鍋のみL.O.21:00) 定休日=日曜 ※各種電子マネー、交通系I.C、各種クレジットカード利用可
 
TEXT BY MIYAKO SHIBUSAWA
PHOTO BY KIPPEI MITSUYA

❸ 寒い日には優しい味からピリ辛まで。韓国鍋の奥深さを実感!——KOREAN IZAKAYA ジャン

「サムゲタン」¥3,000。丸鶏1羽にもち米、栗、高麗人参、ナツメ、松の実などを詰めて煮込んだ、本場韓国の味わい。「モランボン」直伝のレシピで身体にいい食材を丸鶏にぎゅっと詰めた滋味深い鍋。

「モランボン」直営の韓国居酒屋なので、本格的な韓国の味を提供しながらも、韓国の“今”やトレンドが楽しめる。お酒のバリエーションも豊富で、珍しい韓国の「クラフトビール」(ピーチ味、IPA)や韓国で話題になっているノンシュガー焼酎「セロ」なども取り扱っている。

韓国南東部の慶尚道郷土料理の「トゥルチギ」¥3,000。キャベツなどたっぷり野菜と牛肉、ホルモンを特製コチュジャンだれで煮焼きした鍋。その昔、慶尚道の貴族が客人へのもてなしとして振舞われた料理なのだとか。

「トゥルチギ」は、日本ではなかなかお目にかかれないディープなひと品。野菜、ホルモン、春雨など食材それぞれの食感の違いも楽しめる。

韓国の冬は、日本と比べて断然寒い! そんな韓国の人たちの寒さ対策のひとつが“たくさん食べて、飲んで身体をぽかぽかさせる”こと。韓国ドラマでは、屋台や居酒屋で焼酎を引っ掛けながらわいわいと食事をしているシーンがよく登場するが、そんな楽しい光景がちょっと気になるなら、是非行ってみたいのが、虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー内「虎ノ門横丁」にある本格韓国居酒屋『KOREAN IZAKAYA ジャン』だ。こちらは「ジャン 焼肉の生だれ」で知られている「モランボン」が展開する店。韓国の食文化を土台にして、本場の味にこだわった新スタイルの韓国居酒屋だ。

鍋料理といっても、さすが奥深い韓国料理だけあり、ブテチゲやキムチチゲなど種類豊富だ。どれも日本人の口にとても合うのも特徴。その中から今回ピックアップしたのは2種類。まずひとつは、冬の冷えた身体に滋養を与えてくれそうな「サムゲタン」。本来は、夏バテに元気を与えてくれる夏鍋だそうだが、鶏や生薬食材が「トゥッペギ」と呼ばれる韓国鍋でぐつぐつと煮込まれ、身体の芯まで温まりそうで冬にもぴったり。箸を入れると、じっくり煮込まれてほろほろとほぐれる丸鶏は、骨まで食べられる柔らかさだ。

『KOREAN IZAKAYA ジャン』では、お酒も充実。生マッコリなどはもちろん、珍しい韓国のクラフトビールや、韓国焼酎もおなじみの「チャミスル」だけでなく、いま韓国で若い世代を中心に人気が高まっているノンシュガー焼酎「セロ」も置いている。そんなお酒に相性抜群の鍋が「トゥルチギ」だ。たっぷり野菜と牛肉、ハチノスなどのホルモンを特製の熟成コチュジャンベースのたれで味付けをした、四角い浅い鍋で提供される日本では珍しい郷土料理の煮焼き鍋。甘い、しょっぱい、ピリ辛などが渾然一体となった深い味わいは一度食べたらやみつきに。お酒も入ってポカポカになること間違いなしだ。この冬は、屋台感覚の『KOREAN IZAKAYA ジャン』で、韓国鍋制覇も楽しそう。


KOREAN IZAKAYA ジャン
住所=東京都港区虎ノ門1-17-1 虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー 3F 横丁 電話=03-6457-9869 営業時間=11:30〜22:30(L.O.22:00) 定休日=年末年始 ※各種電子マネー、交通系IC、各種クレジットカード利用可
 
TEXT BY AKIRA TANAKA
PHOTO BY HIDEHIRO YAMADA

※2024年1月現在の情報となります。
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