JAPANESE SWEETS & CALENDAR

「二十四節気」をご存じですか? 和菓子で感じる日本の四季

古来、日本には季節の移り変わりを24の言葉で表した「二十四節気」という指標がある。今の暮らしの中で活用する機会は減ったものの、折に触れて耳目に触れるもの。今回は『和菓子 結』が月替わりでつくる、四季折々の風物を映す和菓子とともに、その言葉を紐解きます。

TEXT BY AI SAKAMOTO
PHOTO BY KENYA ABE

巡りゆく季節をわずか2文字で表す「二十四節気」とは?

「二十四節気(にじゅうしせっき)」とは、黄道(太陽の通り道)上にある太陽の位置に基づき、1年を24等分してそれぞれに天候や自然を表す名前をつけたもの。太陽の位置がもっとも高くなる「夏至(げし)」や、逆にもっとも低くなる「冬至(とうじ)」、昼夜の長さがほぼ同じ「春分」と「秋分」などがよく知られている。

金運を呼び込む縁起ものとされる金魚と、桜が舞い散る水面を和三盆糖で象った干菓子「めでたづくし 春」

1箱¥2,160。季節により意匠は異なる。春バージョンは4月中旬までの販売。

古代中国で生まれた二十四節気が日本に伝わったのは、飛鳥時代頃のこと。月の満ち欠けを元にした旧暦(太陰太陽暦)では、実際の季節とずれが生じ、生活や当時の主要産業であった農業に大きな影響を及ぼすことから、活用されるようになった。ただし、古代中国の黄河流域でつくられたものであるため、現代の日本の気候とは多少ずれることもある。

四季折々の富士山の様子を表現した羊羹「あまのはら」。写真の「あまのはら 春」は、黄色い菜の花畑から、桜景色まで春の移ろいを一棹で表現している。

どこを切っても、違う表情の富士山が現れるのが「あまのはら」の魅力。春バージョンは半棹¥2,268。4月中旬までの販売。

ひとつの節気は約15日。新暦(太陽暦)との間に多少ずれが生じるため、年によって1日ほど前後することもある。「夏至」と「冬至」の「二至(にし)」と、「春分」と「秋分」の「二分(にぶん)」、「立春」「立夏」「立秋」「立冬」を「四立(しりゅう)」、これらすべてを合わせて「八節(はっせつ)」と呼ぶ。

月替わりで登場する手のひらサイズの生菓子「なまささら」。ささらは小さいという意味の古語。左から、柚子あん、小豆あんをそれぞれピンクと緑色の餅皮で包んだ「花見だんご」、扇形をした錦玉羹の中に、羊羹の花びらと道明寺粉で桜吹雪を表現した「桜川」、桜の香りがする道明寺で小豆あんを包んだ「桜餅」。写真の3個入り¥810。3月31日までの販売。

左から、たけのこを象ったこなしで小豆こしあんを包んだ「たけのこ」。春の海ののどかな情景を表現した薯蕷饅頭(じょうよまんじゅう)「春景色」、よもぎを練り込んだ餅皮で、小豆粒あんを包んだ「よもぎ餅」。これらと「花見だんご」「桜川」「桜餅」を合わせた6個入り¥1,620。3月31日までの販売。

わずか2文字で端的に時候を表すそれぞれの節気は、意味を知るだけでも面白い。季節の移ろいに合わせて、設えを変えたり、旬の食材を味わったり。

『和菓子 結』が月替わりでつくる「なまささら」や、季節に応じて意匠を変える「めでたづくし」「あまのはら」も、そんな楽しみのひとつ。小さな和菓子の中に、古来、日本人が大切にしてきた四季が詰まっている。

春|立春〜穀雨

japanese-sweets-calendar_sub_021
1/3立春「梅」。羊羹と錦玉羹を合わせて、春を告げる鶯をともに描いた。2022年2月なまささら。
japanese-sweets-calendar_sub_022
2/3雨水「菜の花」。白小豆こしあんをういろうで包んだひと品。餡村雨のそぼろで一面の菜の花を表現している。2022年2月なまささら。
japanese-sweets-calendar_sub_023
3/3清明「チューリップ」。小豆こしあんをこなしで包んでいる。2021年4月なまささら。

「立春」2月4日頃。春の始まりの節気。この前日が旧暦の大晦日にあたる「節分」になる。「雨水(うすい)」2月19日頃。降る雪が雨に変わり、積雪も溶け出す頃。農耕の準備を始める目安とされる。「啓蟄(けいちつ)」2月19日頃。温かくなり、冬ごもりしていた生き物たちが活動を再開する時期。啓は「ひらく」、蟄は「冬ごもりする虫」を意味する。「春分」3月21日頃。7日間ある春の彼岸の中日。この日から昼が長くなる。「清明(せいめい)」4月5日頃。すべてのものが清らかで生き生きとした様子を表す「清浄明潔」を略している。「穀雨(こくう)」4月20日頃。百穀春雨(百穀を潤す春の雨)から来ている。つまり、恵みの雨。

夏|立夏〜大暑

japanese-sweets-calendar_sub_024
1/3芒種「かたつむり」。恵みの雨を喜ぶかたつむりを描いたこなし。中は小豆こしあん。錦玉羹で露を表現している。2021年6月なまささら。
japanese-sweets-calendar_sub_025
2/3小暑「星河」。錦玉羹を幾層にも重ね、金粉を散らすことで、夏の夜空を表している。2021年7月なまささら。
japanese-sweets-calendar_sub_026
3/3大暑「水中花」。3色の白小豆こしあんと錦玉羹で、グラスの中で静かに咲く人工の花を美しく再現。2021年7月なまささら。

「立夏」5月5日頃。暦の上で夏になる、爽やかな時候。「小満(しょうまん)」5月21日頃。あらゆる生命が満ち満ちていく時期。「芒種(ぼうしゅ)」6月6日頃。芒(のぎ)とはイネ科の植物の穂先にある突起のこと。芒種は芒を持つ植物の種を蒔く時期をいう。「夏至」6月21日頃。1年でもっとも昼が長く、夜が短い日。冬至と比べると、その差は約5時間ある。「小暑(しょうしょ)」7月7日頃。徐々に暑さが増してくる時期。小暑から立秋の前日までを「暑中」と呼び、この時期に暑中見舞いを出す。「大暑(たいしょ)」7月23日頃。暑さがもっとも厳しくなる。立秋前の約18日間がいわゆる「夏の土用」。

秋|立秋〜霜降

japanese-sweets-calendar_sub_027
1/3立秋「ナス」。ぷっくりとよく実ったナスは、ういろう製。中には、小豆こしあんが入っている。2021年8月なまささら。
japanese-sweets-calendar_sub_028
2/3白露「和栗」。焼き色をつけた栗そぼろの中は小豆こしあん。今にも香ばしい香りがただよってきそうだ。2021年9月なまささら。
japanese-sweets-calendar_sub_029
3/3霜降「かぼちゃ」。こなし製で中は小豆こしあん、目と口は上り羊羹で作っている。ハロウィンに通じる遊び心ある一品。2021年10月なまささら。

「立秋」8月8日頃。残暑は厳しいけれど、お盆を過ぎる頃には秋の気配が感じられる。暦の上では秋。「処暑(しょしょ)」8月23日頃。厳しい暑さの峠を越した頃。台風の時期の始まり。「白露(はくろ)」9月8日頃。草木に朝露が降り始める頃を指す。朝夕は涼しくなってくる。「秋分」9月23日頃。春分と同様に、昼と夜の長さが同じになる日。この日を境に秋の夜長が始まる。「寒露(かんろ)」10月8日頃。露が冷たく感じる時候。空気が澄むことから、月見のシーズンでもある。「霜降(そうこう)」10月24日頃。朝晩の寒さが増し、霜が降りる頃。秋も深まり紅葉が始まる。

冬|立冬〜大寒

japanese-sweets-calendar_sub_030
1/3立冬「いちょう」。黄色に色づけたういろうを畳んで、黄葉したイチョウを表現している。中は小豆こしあん。2021年11月なまささら。
japanese-sweets-calendar_sub_031
2/3大雪「ゆきだるま」。キュートな雪だるまは、小豆こしあんを包んだこなし製。帽子と目、ボタンは羊羹でできている。2021年12月なまささら。
japanese-sweets-calendar_sub_032
3/3大寒「椿餅」。椿の葉がつややかで美しいこちらは、小豆こしあんを道明寺で包んでいる。2022年2月なまささら。

「立冬」11月7日頃。木枯らしが吹き、冬の訪れを感じる。「小雪(しょうせつ)」11月22日頃。寒さが深まり、初雪が舞い始める頃。積もるほどではないことから「小雪」と呼ばれる。「大雪(たいせつ)」12月7日頃。本格的な冬の到来。山々の峰や北国に雪が積もり始める。「冬至」12月21日頃。1年でもっとも夜が長く、昼が短い日。この日を境に太陽が力を取り戻すという意味から、「一陽来復(いちようらいふく)」とも。「小寒(しょうかん)」1月5日頃。寒さが一層厳しくなる「寒の入り」。この日から節分までを「寒の内」という。「大寒(だいかん)」1月21日頃。寒さがもっとも厳しい時期。

和菓子 結|YUI -Fine Japanese Confectioneries- 創業380余年の歴史を持つ名古屋の老舗御菓子所『両口屋是清』が、幅広い世代に和菓子を楽しんでほしいと立ち上げたブランド。“手のひらサイズの日本の美”をコンセプトに、伝統や四季、歳時記を表現した、かわいらしくも美しい“モダン和菓子”を展開している。住所 六本木ヒルズ ノースタワー B1 電話 03-5411-1133 時間 11:00〜20:00

※2022年3月現在の情報となります。
※表示価格は全て税込価格です。
※店舗により臨時休業や営業時間を変更させていただく場合がございます。詳細は「六本木ヒルズの営業状況について」をご確認ください。