毎年、大きなホールケーキを買っても、少し持て余してしまうクリマスケーキ。ひとりでも小さなパーティーでも幸せになれる、見目麗しいミニサイズのクリスマスケーキをご紹介します。
TEXT BY TAKASHI TSUCHIDA
EDIT BY TM EVOLUTION.INC
❶ 食材の自然な色、甘みを引き出し、自然なものを自然なままで
——HUGO & VICTOR Omotesando Hills Shop(ユーゴ アンド ヴィクトール 表参道ヒルズ店)
ブランド誕生から10周年を迎えた今年、ホリデーシーズンに向けて発表された新作が「ビュッシュ エレガンス」だ。このビュッシュは、『HUGO & VICTOR』がパートナーシップを組んでいるシャンパーニュ「バロン・ド・ロスチャイルド」とのマリアージュを前提に考案されたもの。フルーツの酸味がシャンパーニュの旨味を引き出し、絶妙な相乗効果が生まれるのだ。
またフランスから直輸入したプラリネを贅沢に使用した「ビュッシュ プラリネ」も、手間を惜しまずに作られたもの。トッピングされたみかんのコンフィは、14日間かけて漬け込むという。現在、『HUGO & VICTOR』では全アイテムで合成着色料を使わず、地球環境に優しいもの作りを進めている。自然なものを自然な形で提供することにこだわり、手間と時間を惜しまないことで素材の甘みや美しい照りを作り出している。
さらに、今年は定番のショートケーキがデザインを一新。昨年まではピースケーキと同様に半カットした苺を側面に見せていたが、今年は敢えてその存在を隠し、雪に見立てたシャンティで覆い包んでいる。
PHOTO BY CHISATO NOGUCHI(NDPP.)
❷ 人気のホールケーキ4種を、アソートサイズでテイスティング
——Pastry Shop(ペストリー ショップ)
『アンダーズ 東京』1階の『ペストリー ショップ』では、クリスマス期間中に販売するホールケーキ4種全てをお楽しみいただけるよう、アソートケーキを販売している。
今年のシェフのおすすめは、「ブッシュドノエル」(写真左から2個目)だそう。毎年異なる「ブッシュドノエル」を提供し続けている同店だが、2020年はアンダーズカラーの鮮やかなオレンジ色が特徴。苦味の効いたキャラメルショコラクリームやポワールジュレの層の周りを、マダガスカル産のブルボンバニラを使用したバニラクリームで覆い、コクのあるしっかりとした口当たりと様々な食感を味わえる。
定番の「苺のショートケーキ」(写真左端)は、主役の苺に実がしっかりしていて甘味と酸味のバランスがいい、旬の女峰を使用。国産小麦粉を使用したスポンジは、ふんわりと柔らかい口当たりに仕上げられ、苺や生クリームとの相性抜群だ。
そして「苺のタルト」(写真右端)は、『アンダーズ 東京』初のクリスマス向けタルト。サクサクのタルト生地にピスタチオクリームをのせ、フレッシュな苺をあしらっている。また「柚子チョコレートムース」(左から3個目)は、『アンダーズ 東京』の冬のテーマである“柚子”を取り入れ、スノードームをイメージしたもの。軽やかなチョコレートムースに柚子の酸味を効かせ、大人の味わいとしている。
❸ ウェディングケーキの技術で、クリスマスを華やかにデコレーション
——Atelier Anniversary AOYAMA(アトリエ アニバーサリー青山本店)
『アトリエ アニバーサリー』は、1991年に目黒にて創業。見た目の華やかさはもとより、実際に美味しく食べられるウェディングケーキを作りたいというオーナーパティシエの本橋氏が、ダイアナ元王妃のウェディングケーキに触発され、渡英。「シュガークラフト」の本場の技術を持ち帰り、日本で展開したのが始まりだ。
その名の通り、特別な日のお祝いをする、飾られることを前提としたケーキは、見た目のインパクトが圧倒的。ウェディングケーキで培ったデコレーション技術をふんだんに取り入れたホールケーキは、食べ進めてもしつこくならないようにクリームが配合され、案外さっぱり食べ切れるから不思議だ。形の崩れにくさとクリームの口溶け、滑らかさに対する30年間の追求が、その絶妙のバランスを成立させているのだろう。
バニラクリームもチョコレートクリームも、味わいはとてもベーシック。ふわふわの自家製スポンジ、苺の瑞々しさとの相性も抜群である。何より「また食べたい!」と思えるやさしい甘みが、リピーターの心を鷲掴みにする。
PHOTO BY CHISATO NOGUCHI(NDPP.)
※ 六本木ヒルズ等各施設では、新型コロナウイルスの感染拡大防止の予防対策を徹底し営業しております。また一部の店舗では営業時間を短縮しております。ご来店の際には事前に各施設HPをご覧ください。
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