ステイホームのウィンターシーズン。「おうちクリスマス」にお勧めの“泡もの”ドリンクをソムリエがご紹介。シャンパーニュ、スプマンテ、カヴァなどなど——。乾杯からメインまでマッチする美味しい“泡”で、華やかなクリスマスを!
TEXT BY TAKASHI TSUCHIDA
EDIT BY TM EVOLUTION.INC
❶ 家族経営の老舗シャンパーニュ「ルイ・ロデレール」に注目
——WINE SHOP ENOTECA ROPPONGI HILLS(ワインショップ・エノテカ・ロッポンギヒルズテン)
『ワインショップ・エノテカ』は、世界各国のトップ生産者のワインを取り扱い、充実の品揃えを誇るワインの専門店。日本各地に店舗を持ち、価格帯を問わず、世界的に評価されている素晴らしいワイン、地域特性があるワインを豊富に取り揃えている。中でも六本木ヒルズ店は、贈答用に限らず自宅用としてもシャンパーニュを好む客層が多いことから、シャンパーニュおよびスパークリングワインの品揃えが特に充実。センチュリーセラーを持ち、高級ワインの在庫が他店よりも多いという特徴も。
その『エノテカ』お勧めのシャンパーニュブランドが、「ルイ・ロデレール」。スタンダード・キュヴェであっても3年以上の熟成期間とは、一般的なものの3〜4倍。この贅沢な造りにより、複雑でリッチな味わいが体験できる。
ペアリングメニューのお勧めはふたつ。ウォッシュチーズ「ラングル」は、独特の臭みが少なく、軽めで味わいやすい。ホクホクしていて酸味が感じられ、クリームチーズのようなしっとり感もあり、シャンパーニュが2倍美味しく感じられるとか。そして「田舎風パテ」は、ヨーロッパの食品加工コンテストで3年連続カップウィナーを獲得した、「へんじんもっこ」さんによるもの。重すぎず、肉の旨味をシャンパーニュのコクがまろやかに包んでくれる。
PHOTO BY ATSUMI ODATE(NDPP.)
❷ 現地直接買い付けによる独自の品揃え、貴重な情報の宝庫
——Vin sur Vin(ヴァン シュール ヴァン)
虎ノ門の酒店『升本』のワイン部門として1989年に創設。直接買い付けの先駆けとして大畑ゼネラルマネージャーが世界各地のワイン生産地に赴き、現地の人々との人間関係を築きながら直接交渉。ブルゴーニュの神様、アンリ・ジャイさんとも会い、大手輸入業者を介さずに、キーパーソンと話をして買い付けてくるから、ほかでは輸入していない良質な小規模ドメーヌや、人気ドメーヌの貴重なボトルも置いている。
ワインの味わいはもちろん、生産者の人柄までも見えている独自の情報は、A4資料にまとめ、無料で提供。それらを読みながらワインを試していくと、ワインがぐっと身近なものに思えてくるはず。
大畑さんお勧めのシャンパーニュは「フルーリー P&F」。シャンパーニュ地方の南、ブルゴーニュに畑が近いことから、このブランドではピノ・ノワールが主体だ。葡萄そのものの風味を引き出すため、有機栽培を主体としたビオディナミを徹底している。大手ブランドのシャンパーニュとは異なるエレガントでフルーティーな味わいは、この店でしか味わえないものだ。
PHOTO BY CHISATO NOGUCHI(NDPP.)
❸ 徹底した品質管理で繊細な味わいを届ける、オーナー家直営ブティック
——CAVE de Ladoucette(カーブ・ドゥ・ラドゥセット)
フランス・パリの南西、ロワール地方にて200年以上の伝統を持つこの地方のトップワイナリー「ドゥ・ラドゥセット」。その6代目となるドゥ・ラドゥセット男爵が、シャンパーニュ地方を含むフランス各地の小規模ワイナリーを買い取り、それぞれの味、醸造手法、ノウハウを後世に残すべく、多角経営を開始。
男爵が親日家だったこともあり、自ら徹底した品質管理のもとで、繊細なワインの味わいを日本に届けたいという思いから、1996年に日本支社を立ち上げ、輸入販売をスタート。2006年からは青山に直営店をオープンさせている。
一般的な酒屋には卸さず、この直営店のほか、レストランや一部の専門店にのみ製品を提供するこだわりは、せっかく作った繊細なワインが管理の悪さで劣化することを避けるため。コンテナ輸送時はもちろん、陸路の運送時も全て冷蔵管理を行い、店舗ではセラーにて保管。パリの直営ブティックと同等の繊細な品質管理を徹底している。
ちなみに、スタンダード・キュヴェ「コンテス ラフォン ブリュット」には、意外にも焼き肉がお勧め。特に厚めでジューシーなタン塩は、脂身と焼き目の香ばしさが引き立ち、この銘柄の多重層的な味わいに良く合う。
PHOTO BY CHISATO NOGUCHI(NDPP.)
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