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著名デザイナーが内装を手掛けたレストランから、照明など細部にまで行き届く心遣いを持つ店、そしてアーティスティック極まるコースを供する店まで、そのデザイン要素が訪れる動機になる、インスタ映え間違いなし、ファシリティーや料理の美しさに強いこだわりを持つレストラン3軒をご紹介します。
TEXT BY YOSHIKO ENDO
EDIT BY TM EVOLUTION.INC
❶ 華やかな空間で、東京の夜景と美食を堪能
——The Tavern – Grill & Lounge(ザ タヴァン グリル&ラウンジ)
『アンダーズ 東京』は、ニューヨークに拠点を置き、数多くのホテルを手掛ける台湾系アメリカ人トニー・チー氏と、日本の伝統文化や職人技を現代のテイストと融合させるインテリアデザイナー、緒方慎一郎氏がデザインを担当。その中のメインダイニング『ザ タヴァン グリル&ラウンジ』。店内には木がふんだんに使われ、スタイリッシュでありながら温かみのある空間に仕上がっている。モダンアートのオブジェや置物が随所に飾られているのも魅力だ。
料理は古屋豊樹シェフが率い、メニューを考案。店名の通りグリル料理が中心で、特に6種のなかから選べるソースと食すスノーエイジングされたTボーンステーキは絶品。「牛肉は新潟にある雪室で、真空パックにして3~4週間熟成しています。雪室で熟成すると肉がより柔らかく旨味が増すんです。一緒に入れているジャガイモもぐっと甘みが増して美味しいですよ」とシェフ。極上の肉や魚に日本各地の旬の野菜を和の器に彩り豊かに盛り付ける、古屋シェフの独創性が光る。
朝食、ランチ、アフタヌーンティー、バー、ディナーと終日さまざまな利用の仕方ができるのもホテルならでは。夜や週末はアートな空間でピアノの生演奏を聞きながら、洗練された料理や飲み物でゆったりと寛げる。
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The Tavern – Grill & Lounge(ザ タヴァン グリル&ラウンジ) 住所 東京都港区虎ノ門1-23-4 虎ノ門ヒルズ アンダーズ 東京 51F 電話 03-6830-7739 営業時間 ダイニングエリア朝食6:30〜11:00/ランチ11:30〜 15:30/ディナー18:00〜 22:30/ウィークエンドブランチ11:30〜 13:00、13:30〜15:30/ラウンジエリア10:30〜 23:30/アフタヌーンティー14:00~17:00、土日祝 13:00~15:00、15:30~17:30(L.O.は30分前) 定休日 無休 ※カード使用可 ※価格は税とサービス料15%別途
❷ 壁一面のスワロフスキーが特別な夜を演出
——Carmenere(カルムネール)
ニューヨークや香港など、海外でも数多くのプロジェクトを手がけるインテリアデザイナー、森田恭通氏がデザインした、シャンパーニュ&ワインバー。地下への階段を降り店内に入って行くと、目を見張るのは壁一面に光る70,000粒以上のスワロフスキー。ブドウの木とシャンパーニュの泡をイメージしてデザインされたという。アンバーな照明の中、大粒のキラキラしたスワロフスキーが浮かび上がり、カウンター上のワイングラスをより美しく見せる。
スパークリングワインはフランスからシャンパーニュを、ワインもフランスが中心で、ほかにカリフォルニアやカルムネール(ブドウの種類)を使うチリワインなどを揃える。
ワインはボトルで¥7,000~、グラスは5~6種類あり¥1,300~。シャンパーニュも2種類、グラス¥1,500~\1,600でオーダーできるのが嬉しい。チーズや生ハムをはじめワインに合うおつまみも用意。オーナーの地元である京都の食材を使った温かい料理は、店内で出来立てを供してくれる。
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Carmenere(カルムネール) 住所 東京都渋谷区神宮前4-4-7-B1F 電話 03-3401-6779 営業時間 19:00〜翌4:00(日曜・祝日〜23:00) 定休日 無休 ※カード使用可 ※23:00までチャージ¥1,000、それ以降は¥1,500 ※女性同士はチャージなし ※価格は全て税別
❸ 料理そのものがアート。シンプルな空間で味わう魅惑の料理とデザート
——Takumi(タクミ)
「まずこの大きなデザートプレートを決めて、テーブルのサイズを決め、それからソファのサイズを決めていきました」と語るのはオーナーシェフの大槻卓伺さん。あくまでも主役は料理。白を基調とし、できるだけシンプルに、花もシャンデリアも置かず、内装はテーブルの上の料理が引き立つように考えたという。
料理は3年3カ月フランスで修業した実力派。「組み合わせの妙を理解し楽しんでいただけたら」とシェフ。料理内容を詳細に書いたカードをテーブルに提供。そして小瓶に詰めたその料理に使われたスパイスを、各料理と一緒にテーブルにプレゼンテーション。「次の料理を待っている間にカードを見ながら会話をしていただけるし、料理の説明のためにお客様の会話を中断してしまわないため」という心配りによるものだ。
フランスや国産の食材を使った料理が美味なることはもちろんのこと、特筆すべきはデザートの完成度の高さ。小ポーションで様々な味を楽しんでいただこうと11種類を提供。白ワインの炭酸ジュレ、ブランマンジェ・バラのソース、甘酸っぱいガトーショコラなど、甘さ、甘酸っぱさ、酸味、洋酒の味と、ひとつひとつのスイーツがアート作品のようで、虜になること間違いない。
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Takumi(タクミ) 住所 東京都港区西麻布1-11-10 ビルマーサ1F 電話 03-6804-6468 営業時間 ランチ11:30〜 15:00/ディナー18:30〜 23:30 定休日 日曜・月曜 ※カード使用可 ※ランチコースは¥6,500、ディナーコースは¥12,500 ※価格は税・サービス料別
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