フードプランナーの大皿彩子さんが、毎週土曜に開催している「ヒルズマルシェ」を初訪問。新鮮な野菜や果物、ジャムやハーブティーなど、秋の味覚が満載のフードマーケットを楽しみながら、ヴィーガンも楽しめる野菜たっぷりの料理を作ってくれた。
TEXT BY MIHO MATSUDA
PHOTO BY TOMO ISHIWATARI
採れたての野菜を、生産者から直接購入
中目黒のヴィーガンカフェ「Alaska zwei」の店主でもあり、レストランやカフェのプロデュースを手がける大皿彩子さん。ヒルズマルシェでは、生産者や販売スタッフと楽しく会話しながら、ひとつずつ食材を吟味。
「メニュー開発をするときは、食材を知るために産地に足を運ぶこともあります。生産者の想いや育て方、肥料や農薬についての考え方、育てる土地のことなど、食材の背景を理解しながら選ぶことは、食の安全以上にサスティナブルな社会作りにつながっていくと思います。マルシェでは、食材を目の前にして生産者の方とコミュニケーションできるのが魅力ですね」
話が弾んで「こっちの野菜もおいしいよ」とすすめられたり、「この野菜はこういう料理に向いてるよ」と調理方法を教えてもらったり。そんなコミュニケーションもマルシェの醍醐味だ。
世界中の人とヴィーガンフードで楽しいひとときを
そして、今回は「ヴィーガンの友人も楽しめる、ホームパーティの料理」をテーマに、ヒルズマルシェで選んだ食材でヴィーガン料理を作ってもらった。そもそも、大皿さんがヴィーガンに興味を持ったのは、ベルリンで見たフードマーケットでの光景がきっかけだった。
「隣のテーブルに、多国籍の男性のグループが食事をしていて、食べていたのがヴィーガン料理でした。話を聞くと、『この中に牛肉を食べない人と、卵を食べない人がいる。ヴィーガン料理を選べばみんな同じものが食べられるだろう』と当たり前のように答えてくれたんです」
集まる人が多国籍になれば、生まれ育った国の食習慣や文化、宗教によって食べるものが異なる。日本食のおもてなしといえば寿司が多いが、生魚を食べない食習慣の人もいる。でも、ヴィーガン料理なら、世界中の人と同じお皿を囲むことができる。これは最大公約数なんだと気付いた。
「それに、畜産はまず穀物を育ててそれを飼料として動物に与え育てるというプロセスが必要だけれど、ヴィーガンなら、大地に種をまいて育てたものを食べればいい。シンプルですよね」
せっかくならばおいしい食事を楽しみたい。おいしいヴィーガン料理に必要なのは「いい食材と、おいしい塩、オリーブオイル」とのこと。ヒルズマルシェで新鮮な食材を手に入れて、ヴィーガンの友人の楽しめるメニューにチャレンジしてみよう。
ヴィーガンのためのおもてなし料理
大皿さんが作ってくれたヴィーガンフードは3品。「レシピ通り作るより、食材の状態に合わせて微調整してください」とのことで、今回は材料とコツのみを教えてもらった。ぜひ自分なりにアレンジしてみよう。
❶ 柿・あやめ雪・パクチーのサラダ
○ マルシェで購入したもの
・「小坂農園」のあやめ雪(小カブ)、柿
・「戸辺農園」のパクチー
○ 追加の食材
・塩
・オリーブオイル
○ 手順
柿は皮をむいてくし切りに。無農薬のあやめ雪は、皮ごとくし切り。ざく切りにしたパクチーの茎と柿、あやめ雪を塩とオリーブオイルでマリネ。お皿にもり、パクチーの葉を飾る。最後にオリーブオイルをまわしかける。
○ Point!
オリーブオイルはそのまま飲めるほどフレッシュなものを使おう。酸化してエグみのあるオイルでは台無しに。
❷ 野菜のパエリア
○ マルシェで購入したもの
・「濱田ファーム」の新米コシヒカリ
・「小坂農園」のズッキーニ、にんにく、黄色ピーマン
・「戸辺農園」のいんげん、なす
・「伝」のマッシュルーム
・「篤家」のカンボジア産胡椒とオリーブオイルのペースト
○ 追加の食材
・たまり醤油
・オリーブオイル
・塩
○ 手順
ホットプレートでオリーブオイルとニンニクを炒める。野菜、米を炒め、たまり醤油、塩、水で蓋をして炊き込む。食べるときに、胡椒とオリーブオイルのペーストを添える。
○ Point!
スープストックがなくても、マッシュルームと野菜の出汁で十分に旨味のあるパエリアが完成。いいお米を選ぶのもポイント。
❸ Vegan レモンタルト
○ マルシェで購入したもの
・「organic boutique ポットハウス」のグリーンレモン
・「organic boutique ポットハウス」のレモンジャム
○ 追加の食材A
・有機メープルシロップ(アークヒルズの「福島屋」で購入)
・アーモンドプードル
・国産小麦(薄力粉)
・ベーキングパウダー
・塩
・なたね油
・無調整豆乳
○ タルト台
・国産小麦(薄力全粒粉)
・なたね油
・てん菜糖
・塩
・無調整豆乳
○ 手順
タルト台は前もって焼いておく。レモンは皮付きのまま輪切りにして、てんさい糖のシロップで軽く火を通す。タルト台にレモンジャムを塗り、食材Aにメープルシロップで甘みを足した生地を流し込む。レモンの輪切りを表面に飾りオーブンで焼く。
○ Point!
レモンは、必ず防腐剤・防カビ剤不使用、無農薬のものを使うこと。タルト台にもレモンジャムをたっぷり塗ることで、レモンが爽やかに香るタルトになる。
大皿彩子|Saiko Ohsara
(株)さいころ食堂代表取締役、中目黒のヴィーガンカフェ「Alaska zwei」店主。“おいしい企画”専門のフードプランナー。コンセプト立案から、レシピ/商品/店舗開発、フードコーディネート、原稿執筆やイベント運営などを行っている。『MY LOHAS』にて「TOKYO VEGAN」連載中。
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