Best South Indian Restaurants

夏はカレーが食べたい! タブラ奏者・ユザーンが選ぶ、ヒルズエリアの南インド料理店

夏に食べたくなるスパイシーなエスニック料理。今年は人気の南インド料理に注目しよう。日本では北インド料理に比べて店舗数が少ないが、野菜をたっぷり使った料理やさらっとしたカレーなど、胃もたれせずにヘルシーだと年々人気が高まっている。そこで、毎年インドに足を運んでいるタブラ奏者のユザーンに、ヒルズエリアの南インド料理をピックアップしてもらった。

TEXT BY MIHO MATSUDA
PHOTO BY YOSHITOMO KUMAGAI

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    1/6サイーファ ケバブ アンド ビリヤニの「チキンビリヤニ」 ユザーンいち押しのビリヤニ。33種類のスパイスを用いた芳醇な香りのカレーソースと米を何層にも重ね、かき混ぜることなく弱火でじっくり調理したインドの炊き込みごはん。

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    2/6ほのかに香るバスマティ米 インドやパキスタンの特産である長粒米。ジャポニカ米とは異なるさらっとした食感。ほのかな香りがビリヤニのスパイスとマッチする。

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    3/6ニルヴァナムのランチバイキング 数種類のカレーやタンドリー料理、サラダ、デザートが食べ放題の人気ランチバイキング。ディナーはアラカルトで本格的な南インド料理が楽しめる。

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    4/6さらっとしている南インドカレー この日は現地で人気のサンバル、ラジマ・マサラ、ベジタブルメロニ、マトンカレーなどケララマトンカレーなど。北に比べてトマトは少なくさらっとしており、ココナッツミルクベースのカレーが多い。

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    5/6スイーツもスパイシー この日のデザートは、「ダリヤパヤサム」という麦のデザート。カルダモンが効いてスパイシーな香りが口に広がる。スイーツも日替わりでチェンジする。

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    6/6南インドの文化に触れる ケーララ州で行われる、トリチュール・プーラム祭。そこに登場する象のための飾りがお店の中央に。他にも店内には南インドならではの置物や絵が飾られている。

南インドは種類豊富な軽食と芳醇なカレーリーフ

世界的なタブラ奏者、ザキール・フセインやオニンド・チャルタジーに師事し、毎年インドを訪れるユザーン。インド各地の料理を食べ歩き、さらに自身でもカレーを作り振る舞うことが多いという。そんなインド各地のカレーに精通する彼にとって南インド料理の特徴とは、さらっとした食感と、スナックのようにつまめる軽食、〈カレーリーフ〉の芳醇な香りだという。

「南インド料理で代表的なのは〈サンバル〉という野菜のカレーと〈ラッサム〉という豆のスープですね。どちらも爽やかな酸味があって美味しい。南インドの野菜料理は北インドのものに比べて油も少なめで、さっぱりしているものが多いです」

甘くない、スパイスたっぷりのドーナツ〈ワダ〉。現地では朝食にすることも多い。

レンズ豆とナスや大根などの野菜を煮込んだカレー〈サンバル〉には〈ワダ〉という塩味のもっちりしたドーナツをつけて食べるのが定番だ。

「〈ワダ〉のほかにも、南インドではちょっと小腹が空いた時に食べるような軽食メニューも充実しています。今年の春、チェンナイを訪れたときは、〈イドゥーリ〉と呼ばれる発酵した米粉で作った蒸しパンのようなものを毎朝食べていました」

今回ユザーンがピックアップしてくれたニルヴァナム神谷町店では、レンズ豆のペーストにカレーリーフや黒胡椒のホールを練りこんだスパイシーな〈ワダ〉を提供。他にもケーララ州特産の渦巻きパン〈ケーララ・ポロタ〉、薄く焼いたクレープのような〈ドーサ〉など、料理店ごとに種類や味に特色があるので食べ比べてみても楽しい。

ガラムマサラは使わない。北と南で異なるスパイス

そもそも南インドとは、カルナータカ、アーンドラ・プラデーシュ、ケーララ、タミル・ナードゥの4州を指す。チェンナイや「インドのシリコンバレー」と呼ばれるバンガロールを有する地域だ。米や豆類、唐辛子やスパイスも多く栽培されている。それゆえ、北と南の料理の違いは、使用するスパイスにも現れる。

「南インドでは、北ではあまり使われない〈カレーリーフ〉というスパイスを用いることが多いのですが、生の〈カレーリーフ〉って本当に香りがいいんですよ」

さらに、ガラムマサラをあまり使わず、マスタードシードや唐辛子を多く使うのも南インドの特徴だ。乳製品を多く使う北インド料理に比べて、南ではココナッツミルクでコクを出す。カレーリーフの豊かな香りに甘いココナッツミルクの風味がブレンドされ、さらっとしているのに味わい深く、しかも胃にもたれない。

豆や野菜をベースに、魚介、チキンなどが入る南インドカレー。シンプルでありながら種類は豊富で、ランチバイキングで1日に数種類のカレーを提供するニルヴァナムでも、毎日カレーの種類は変わるという。

「自分でもおいしく作れるようになれたらいいなと思ってチェンナイで料理教室に行ってみたのですが、先生がせっかちすぎてほとんど自分で作ってしまい、南インド料理の真髄は今も謎です」

日本でも屈指のインド通であるユザーンをもそう言わしめる奥深い南インド料理。ヒルズエリアの南インド料理店で、その一端に触れてみよう。

ユザーンが選ぶ、ヒルズエリアの「南インド料理店」


サイーファ ケバブ アンド ビリヤニ
「六本木交差点近くにあるインドとパキスタン料理のお店。北インド料理やパキスタン料理もメニューにあるので、どれが南インド料理なのかを店員さんに聞いてから注文するといいかもしれません」


ニルヴァナム神谷町店
「六本木ヒルズの近くで南インド料理が食べたくなったら、まず頭に浮かぶのがこの店。ディナーに行くことが多いのですが、ランチバイキングも人気だとか。日比谷線神谷町駅の目の前です」

番外編 コチンニヴァース
「今回あげた2店舗のほかに、地下鉄大江戸線の六本木駅から西新宿五丁目駅まで足を伸ばせるなら(所要時間13分)、〈コチンニヴァース〉というお店も訪れてみてください。ケーララ州出身のシェフがエキゾチックなメロディーの鼻歌を歌いながら、おいしい南インド料理を作ってくれます」

profile

ユザーン|U-ZHAAN
タブラ奏者。1977年生まれ。オニンド・チャタルジー、ザキール・フセインに師事。2014年に坂本龍一、Cornelius、ハナレグミ等をゲストに迎えたソロアルバム『Tabla Rock Mountain』をリリース。最新作は蓮沼執太&U-zhaan『2 Tone』(commmons)。

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