人気スタイリストの池田尚輝さんがこの春注目するのは、色。モノトーン派も抵抗なく着られる「安心感のある」カラーやデザイン選びとコーディネートのコツを聞きました。
PHOTO BY SHO UEDA
EDIT & TEXT BY RCKT/ROCKET COMPANY*
黒の「間違いなさ」をちょっとだけシフトした色選び
「冬の間、ずっと感じていたこと。“みんな黒を着ているなあ”。おしゃれに興味がある人もそうでもない人も、とりあえず黒を着ておけば安心、っていう気持ちがあるんじゃないかと。黒もいいけど、春に向けてファッションをアップデートしたいならちょっとライトな色にもトライしてみませんか?という提案です。黒から移行するのに抵抗なく着られるのはどんなアイテムだろう、というところから考えてセレクトしました」
❶ コヨーテカラーのブルゾンはどんな色とも好相性——N.ハリウッド
「コヨーテカラーって実は絶妙。“色を着ている”感がなくて、黒からゆるやかに明るめの色にスイッチしたいといったときにぴったりの色だと思います。ミリタリーに合う色でありながら、重くなく軽い方向にも持っていける。きれいな色とも黒とも合う万能選手で、軽やかさを演出できる。パラレスキュー、いわゆるパラシュート部隊が着る服をモチーフにしたN.ハリウッドらしいミリタリーベースのセ ットアップは適度なハリと落ち感があるダンボール素材で、リラクシーかつきれいめに見える。シワにならないので旅行にもいいですね」
❷ アイボリーのパンツを主役に優しいグレーで品よくまとめて——アタッチメント
「アイボリーのカーゴパンツは、軽やかな色とハードなミリタリーデザインのバランスが良いから使いやすい。このパンツを主軸に、グレーのシャツを合わせました。アイボリーとグレーで、白と黒のモノトーン配色に近いのですがアタッチメントならではの発色でニュアンスのある配色になっています。また、パンツもシャツもドレープがきいていて、カジュアルだけどちょっとエレガント。シワにもならないし、さらっとして快適で今から暖かくなってきても気持ちよく着られそう。きれいめとイージー感の両方が得られるおすすめのスタイルです」
❸ 淡いブルーのコートはシャープなデザインが取り入れやすい——デザインワークス ドゥ・コート
「色の中でも薄いブルーなら取り入れやすい。このコートは素材も軽やかで、レインコートまでいかなくても雨風に強そうで、天候が変わりやすい春にいいですね。ネイビーのスーツの上に着ると、ブルーのグラデーションができてきれいです。デザインワークスはロンドンからスタートしただけに、コンサバティブかつミニマルでモダンなイメージがあります。このコートもスタンドカラーですっきりシャープな印象。色気が出過ぎないので、淡い色とあいまってちょうどいい洗練具合です」
❹ レトロ感がたまらない柄シャツでさりげなく色を入れる——ソフ
「柄から色を取り入れるのもトライしやすい。こちらは90年代を思わせるレトロ感と、洗練された爽やかさが混ざったような魅力のあるチェックシャツ。落ち着いたトーンのマドラスチェックなんですが、ミニマルなトーンなので大人っぽく着られます。藤原ヒロシさんのフラグメントデザインとのコラボアイテムと聞きましたがなるほどと思いました。90年代を知り尽くした人が今に落とし込んだデザイン。リネン混の洗練された質感で、ウールライクなグレーセットアップと合わせるとコントラストが生まれていい感じです」
❺ 硬派な洗練を体現する白のMA-1——ビーセカンド 六本木
「大人にちょうどいい上質なカジュアル服が見つかるビーセカンドで出会った、ノンネイティブの白いブルゾン。ノンネイティブって硬派で洗練されたブランドっていうイメージがあるのですが、本格仕様のMA-1で、色は白。まさに硬派&洗練ですね。今、カーキ〜グリーンの上下でスタイリングするのも見慣れてきていますが、そこに白のブルゾンを合わせるとシャープに仕上がる。白を選ぶことで決まるスタイリングって結構あると思います。汚れが心配という人、このブルゾンはウォッシャブルなのでご安心を」
池田尚輝|Naoki Ikeda
スタイリスト。ファッションだけに留まらず、建築、工芸、アートと興味は幅広い。近年は“池田尚輝撰“と題し局所的な物や事にフォーカスしたイベントも開催している。
※ 2024年2月現在の情報となります。
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