ファッションのご意見番ことスタイリスト地曳いく子さんが、独自の視点で切り込むオトナ女史のためのスタイル術「IKUKO’S METHOD」。今回のテーマは、秋に着たいワンピースです。
STYLING BY IKUKO JIBIKI
PHOTO BY SHIN KIMURA
EDIT BY AKANE MAEKAWA
秋、ファッションもそろそろ再始動
少し肌寒いと感じる日も増え、だんだんと本格的な秋が近づいてきましたが、今年はCOVID-19の影響で、今ひとつ活動的になれなかった夏でした。パーティーやイベントも今夏は総じて自粛ムード。やっぱりファッションは、着て行く場所がないと、おしゃれ心もお休みモードに……、フルスロットルになれなかったのは、私だけでしょうか。
でも、東京は9月後半に入り、朝起きたら「秋」! さすがにファッション再始動しないとヤバイですよね。とはいえ、おしゃれ脳がスリープ状態になっていたので、コーディネイトを考えるのも億劫。新しい色や柄物も着たい、でも、一気に全開もできない。そんなときは、ワンピースです。これまでも何度かお伝えしてきましたが、とにかく一枚着てしまえば、様になるのがワンピース。今季の一枚を手に入れ、トレンドを身に纏うことで、だんだんと感覚を思い出してくるはずです!
地曳いく子が指南する、ワンピースが
ファッションリブートにおすすめなワケ
❶ トレンド力を高めるちょうどよさ
おしゃれトレンドパラレルワールドな現代。いくつかの流行りが同時進行しているので、自分好みをひとつ選べば、それだけで今年の気分に。今季のオータムカラーでもいいですし、チェックやペイズリー柄、フォークロアなスタイルでもよし。どれをとっても、今の気分を一枚で表現できてしまえるのがワンピース。おしゃれ心の復活を狙って、トレンド力を高めるのに、こんなに便利なアイテムはありません。初秋は一枚で着ればいいですし、少し寒くなってきたら、カーディガンやライダース、ジャケットを合わせれば、秋を乗り切れます。進化系インナーという強い味方があるので、その一枚が冬まで活躍するはずです。
❷ リラックスだけど、どこかコンシャス
この夏、バリバリに気合いの入ったワンピースを2着購入したのですが、ほとんど日の目を見ずに夏が終わりました。展示会でオーダーしたのが、COVID-19禍のずいぶん前だったので……、しかたのないことですが。イカしすぎて、気分的に着ることができませんでした。そのせいで、硬くてデザイン性の高いものは、この自粛生活で着られない身体となってしまいました。あれは、気合いを入れて人に会う時の鎧みたいなもの。しかも、どんなにキメたところで、しなくてはいけないのがマスク。と考えると、まだまだフルスロットルはお預け。とはいえ、そろそろおうちファッションにも飽き飽きしてきました。今秋選ぶなら、ジャージーやスウェット素材のゆる系ワンピではなく、リラックスなシルエットだけど、ちょっとコンシャスなものを選びましょう。それを週2回、身に着ける。これでおしゃれ心を少しずつリブートしてみてください。
❸ オータムな気持ちになることも大事
家にいる時間が長くなると、肌で季節感を感じることが少なくなってきました。エアコンのきいた部屋にいると、季節感のないままとても暑くなっていて、そして気がつけばもう秋。だからこそ、季節を感じさせる色を取り入れるというのも、気分を変えるコツでもあります。今年は、アースカラーや、独特なブルーもおすすめです。
※ 六本木ヒルズ等各施設では、新型コロナウイルスの感染拡大防止の予防対策を徹底し営業しております。また一部の店舗では営業時間を短縮しております。ご来店の際には事前に各施設HPをご覧ください。
地曳いく子|Ikuko Jibiki
スタイリスト/1959年東京生まれ。数々のファッション誌で活躍し、女優や著名人のスタイリングも数多く手がける。大人の女性を美しくみせる的確な理論に基づくスタイリング術に定評を持つ。現在は、ファッションアイテムのプロデュースほか、テレビやラジオに出演するなど多方面で活躍。著書に『服を買うなら、捨てなさい』『着かた、生きかた』(ともに宝島社)『おしゃれも人生も映画から』(中央公論新社)、『買う幸福』(小学館)、『おしゃれは7、8割でいい』(光文社)など多数。最新刊として7月に、ひとりっPこと編集者の福井由美子との共著『たまには世界のどこかでふたりっぷ』(集英社)を上梓。
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