ファッションのご意見番ことスタイリスト地曳いく子さんが、独自の視点で切り込むオトナ女史のためのスタイル術「IKUKO’S METHOD」。今回のトピックは、夏のバッグ&サンダルです。
STYLING BY IKUKO JIBIKI
PHOTO BY SHIN KIMURA
EDIT BY AKANE MAEKAWA
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失われたシーズンを取り戻せ!(でも、ちょっとずつ)
全国的に自粛要請も解除され、そろそろお仕事で通勤をはじめた方もいらっしゃるかと思います。段階的に緩和されていくなかで、徐々に街に出る機会も増えていくのではないでしょうか。気持ちの良い春から初夏を、家でじっと耐え、やっとお出かけの季節到来。とはいえ、COVID-19が終息したわけではないので、気をつけながら出かけましょう。私は、手洗いうがいの習慣を、ずっと続けていくつもりです。
COVID-19から回復された方も多いと思いますが、引き続き医療関係者の方々に、感謝を捧げます。
今回は、自粛生活から、気持ちを明るくしましょう(気をつけながら)がテーマ。恐る恐る外に出る夏のはじまりに、そろそろ気持ちをアップさせる浮かれアイテムを考えてもいいのでは?と思い、夏のバッグ&サンダルを集めてみました。お買い物に出られなかった日々。私は、ここで憂さ晴らしをしてしまうかも!(笑) 梅雨に入る予感もするこの頃ですが、気持ちをあげて、失われたシーズンを取り戻していきましょう(でも、ちょっとずつ、気をつけながらね)。
地曳いく子が指南する
夏のバッグ&サンダル 3つのトレンド
❶ 白で今夏を思いっきり楽しむ
白のアイテムを身につけるだけで、私は、気持ちがあがります。沈みがちな自粛生活のなか、思い立って、白のポインテッドトゥのルブタン(スタッズ付き)で、近くのスーパーに行ったことがありました。ただ、買い物に行っただけですが、それでも 気持ちがちょっとウキウキに。好きなものでおしゃれを楽しむ。たとえご近所さまでも、大切なことなのだなと、改めて思いました。
さて、今季の白ですが、形はコンサバでクラシカル。そこに、PVCやスケルトン素材がプラスされたものが、ともて気になりました。今年らしさを盛り込むなら、少しエッジィな要素をプラスした白を選んでみてはどうでしょうか。そんな、今夏ならではの白に注目です。
ですが、白というと、「汚れやすい!」と敬遠してしまう人もいるかもしれません。確かに、汚れます。気も使います。でも、夏を楽しむためには、重要なアイテム。「今年の夏」は、二度と来ませんからね! 絨毯の上しか歩かないセレブじゃない限り、どんな靴も、履き倒せば1シーズンか2シーズンぐらいまで。日本は高温多湿。ずっとしまい込んでいると、カビが生えたり、変色したり。10年、20年と持つものではありません。フルシーズンではなく、今を楽しむと割り切る気持ちも大切。思い切ってその夏だけを楽しむのも、逆の意味でエコだと、私は思います。今のコスパに大切なのは、どれだけ気分をあげてくれるか。私が考える2020年夏のコスパは、そういうことだと思ってます。でも、また来年になったら、気分が変わっているかもしれませんが(笑)。
❷ フレッシュな色で気持ちをリフレッシュ
ネオンカラーやパステルなど、気持ちをあげてくれるきれいな色が、今シーズンは目を引きます。鮮烈な色の組み合わせが印象的な80’sと異なり、今年は強い色だけど、どこかエレガントです。ネオンカラーとパステルを行き来するような、フレッシュな色合い。今年、色ものを欲しいと思ったら、エレガントなネオンカラーやパステルを選ぶと、気分をリフレッシュできるのではないでしょうか。
❸ ナチュラル系の異素材コンビ
異素材の組み合わせというのが、トレンドとして、まだまだ根強くあります。バッグにもサンダルにも、キャンバスやラフィア、ウッドと、レザーのコンビネーションが、多く登場しています。夏の定番といえば、ラフィアのかごバッグ。でも、ラフィアオンリーだと、“オーガニックマーケットに行くんですか?”的になってしまいがち。レザーのアクセントが組み込まれていれば、都会の中でも違和感なく、持ててしまいます。もちろん、ちょっと郊外へ出かける時にも活躍します。
余談ですが、自粛生活が長く続いたせいで、足もとが危ないんですよ。私の場合。いざ、出かけるといっても、長時間になると、高いヒールは危険すぎ。気づかぬうちに、やはり筋力は衰えているようで……。今年は、スライダーが欲しい、と真剣に思いました。駅で階段を昇り降りする日は、低めのヒール。ここぞという日は、気持ちをあげる高めのヒール(ただし、安定感のあるチャンキーヒールや、プラットフォーム)。そんな思いで、今回のアイテムを幅広くセレクトしたので、オトナ女史の皆さまも、自分の気持ちや体力と相談して、選んでみてください。
地曳いく子|Ikuko Jibiki
スタイリスト/1959年東京生まれ。数々のファッション誌で活躍し、女優や著名人のスタイリングも数多く手がける。大人の女性を美しくみせる的確な理論に基づくスタイリング術に定評を持つ。現在は、ファッションアイテムのプロデュースほか、テレビやラジオに出演するなど多方面で活躍。著書に『服を買うなら、捨てなさい』『着かた、生きかた』(ともに宝島社)『おしゃれも人生も映画から』(中央公論新社)、『買う幸福』 黒田知永子との共著『おしゃれ自由宣言』(ダイヤモンド社)(小学館)『おしゃれは7、8割でいい』(光文社)など多数。
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