ファッションのご意見番ことスタイリスト地曳いく子さんが、独自の視点で切り込むオトナ女史のためのスタイル術「IKUKO’S METHOD」。今回は秋冬トレンドとして注目の「チェック柄選び」の指南です。
STYLING BY IKUKO JIBIKI
PHOTO BY SHIN KIMURA
EDIT BY AKANE MAEKAWA
今年はチェック柄の当たり年
この秋冬物の展示会を回っていて一番印象に残ったのが、大人にも馴染みのよい渋めのチェック柄(特に英国調もの)。それも柄のバリエーションがすごく豊富だったんです。チェック柄の代表格と言えばタータンですが、鮮やかなパキっとしたタータンは、一歩間違えるとティーンエイジャーの制服(?)になってしまいオトナ女史にはハードル高め。でも今年は柄も形も素材も豊作。形もトラッドなものだけでなく、ハイウエストのパンツなどデザイン性のあるアイテムにまで上手く落とし込んでいるのです。チェックものからは遠ざかっていた私でさえ、ついつい心が動いてしまいました。苦手だと思っていたオトナ女史の皆さん、この秋冬ならトライしたくなりますよ。
地曳いく子が指南するチェック柄アイテムの攻略
❶ トップは薄手のニュアンスで勝負
まだまだ暑いこの時季なら、まずはさらっと一枚で着られる薄手のトップかワンピースで取り入れてみましょう。ポイントは落ち着いたトーンのニュアンス系チェックを選ぶこと。顔の近くに鮮やかながっつり系チェックを持ってくると痛々しいことになるので要注意です。形は日本人の体型に取り入れやすいフェミニンでふんわりしたタイプがおすすめ。少し寒くなってきたらタートルネックのトップに重ね、タイツやブーツで合わせたりと結構長く活躍してくれます。
❷ がっつり系はボトムにすべし
ウール地に映えるタータンなど、がっつりとチェック柄を主張するタイプはボトムに取り入れるのが大人のスタイリング。以前なら赤のタータンは短めのかわい子ちゃんプリーツかラップスカートに多かったのですが、今年はタイトな膝下丈スカートなどクラシックな大人ラインも多く登場。引き続きトレンドとして人気のハイウエストのワイドパンツなどエッジィなデザイン性のあるものにも広がっています。タイトなトップをパンツにインして着こなすと素敵です。
❸ アウターは男前できめる
シフォンやレースなど軽めのスカートがトレンドになっている今だからこそ、アウターはシックな柄の男前なものを選びましょう。メンズライクなオーバーサイズコートやざっくりカーディガンなど、「彼氏のを借りてきちゃった」的なデザインのものをフェミニンに着こなすのがおすすめです。
❹ とにかく早い者勝ち
いつもなら「着たくなる時季になってから買いましょう」という私ですが、今年は早めにキープしたほうがよさそうです。ちょっと早めにトレンドだからと手を出すと、実際着るときには意外と気持ちが離れていて・・・なんて失敗がありましたが、今季は早い者勝ちです。タータンやギンガムなどワンパターンの柄がトレンドなら待ってもOKですが、この秋冬は色々な柄が豊富なだけに出会った時に手に入れないと、一生その柄に出会えない可能性大なのです。特にアウター系はお早めに。
地曳いく子|Ikuko Jibiki
スタイリスト/1959年東京生まれ。数々のファッション誌で活躍し、そのキャリアは30年超え。女優のスタイリングも数多く手がけ、大人の女性を美しくみせる的確な理論に基づくスタイリング術に定評あり。独特の語り口も魅力で、現在はテレビやラジオでのコメンテーターとしても活躍。著書に『服を買うなら、捨てなさい』『着かた、生きかた』(ともに宝島社)、『脱「若見え」の呪い “素敵なおばさま”のススメ』(マガジンハウス)など多数。この秋には続々と新刊が発売予定。
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