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今月はこの映画を観よ! 『街角 桃色の店』

ハロウィンの狂騒が去ったと思ったら、街は早くもクリスマス仕様に様変わり。安易なマーケティングに踊らされるものかと無関心を装うのもいいけれど、せっかくだから、心温まるファンタジーで心を清めてみてはいかが? そして万全の体制で、12月15日に封切りされるスペースファンタジーを迎えようではないか!

TEXT BY REIKO KUBO
PHOTO: Gettyimages

たまには文通とかしてみたい

11月に入り、早くも街にイルミネーションが灯り、クリスマスを思い起こさせる季節に入った。

しかし待ち通しかった子ども時代は遠くなりにけりで、今ではあと幾日で今年も終わってしまうのかと呆然とし、焦るばかり。それでもクリスマスの映画と聞くと、殺伐とした心の中にもファンタジーが舞い込んでくる。

その代表的作品というと、フランク・キャプラの『素晴らしき哉、人生』(54)や、たびたびリメイクされたディケンズ原作の『クリスマス・キャロル』など。でも個人的に心が浮き立つのは、同じジェームズ・スチュワートでも、エルンスト・ルヴィッチ監督による『街角 桃色の店』(40)。ヒッチコックの『めまい』(58)などで知られる大スターのスチュワートはまだ若く、ひょろっとした背高のっぽでチェスターコートの黒い部分がやけに多い。ヒロインはマーガレット・サラヴァン。舞台は、ブタペストの鞄やシガレットケースなどを扱う雑貨店。早口で喧嘩ばかりしている同僚の男女には、それぞれ思いを寄せる、まだ見ぬ文通相手がいるのだが……。

展開が読めてしまうシンプルな“青い鳥”物語ながら、粋でエレガントなルヴィッチ・タッチに乗せられて、クリスマスの夜のラストまで多幸感が続く。この映画は1998年にトム・ハンクスとメグ・ライアン主演でリメイクされた。映画のトーンもまったく別物だが、『ユーガット・メール』という名の通り、文通手段もメールへと変わった。

そのほかにも、ダニー・エルフマンのミュージカル・ナンバーが蘇る『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』(94)や、同じくティム・バートンの『シザーハンズ』(91)。またアンジーと結婚中でイケてたビリー・ボブ・ソーントンが子ども嫌いのショッピングモール・サンタを演じる『バッドサンタ』(03)などもおススメだ。

“姉御”は見納め。その急逝を悼む

ところで、一昨年のクリスマスの話題をさらったのが『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』だった。

前作から10年ぶりの新シリーズの幕開けとなったエピソード7は、日本でも興行収入116億を稼ぎ出し、大ヒット。個人的にも2015年、16年は2年連続、聖夜は映画館で『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』と『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』を見て過ごすことになった。今年も12月15日に、エピソード8となる『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』が公開となる。

https://youtu.be/PJgsqUO9EYE

遂に登場となるルーク・スカイウォーカー役マーク・ハミルが、脚本を読んでショックのあまり出演を拒絶したと言われているが、それほどの衝撃とは一体何!? 予告編では、シリーズ7で強大なフォースを覚醒させたヒロイン、レイ(デイジー・リドリー)がライトセーバーを振り上げている相手がルークに見えるけれども、果たしてそうなの!? 一方、ヴィラン(敵役)を演じるアダム・ドライバーといえば、スマッシュヒットとなったジム・ジャームッシュの『パターソン』で、実にささやかな日常を謳歌していたけれども、ふたたびカイロ・レンとなり、ダース・ベイダーの黒い心を受け継いで父ハン・ソロをも亡き者にし、さらなる“闇”と向かうのか? 監督のライアン・ジョンソンは、予告編でルークが発する「ジェダイは滅びる」という台詞が鍵だと言うが……。

折角出てきたと思ったら、あっさり息子に手をかけられてしまったハン・ロソの末路には、チューバッカと一緒に悲鳴を上げそうになったけれども、映画公開中の年末に、レイア姫ことキャリー・フィッシャーが実生活で突然お亡くなりに。目下ハリウッドは、大物プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインやケヴィン・スペイシーらのセクハラ問題で大揺れだが、そんな折に、キャリー姐御の若かりし頃の豪快エピソードが明るみになった。多くの人々が口をつぐみ、見て見ぬ振りをするなかで、彼女は友人の女優にセクハラしたプロデューサーに、牛の舌を入れたティファニーの小箱を贈ったというではないの!「今度またやったら、あんたのナニを詰めた、もっとちっちゃな箱をプレゼントしてあげるわ」と書き添えて。

ああ、御年60歳での急逝がなんとも悔やまれる。そんな逞しい姐御の勇姿は残念ながら『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』が見納めという。粛々と公開を待ちたい。

『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』 監督・脚本 ライアン・ジョンソン 製作 キャスリーン・ケネディ、ラム・バーグマン 製作総指揮 J・J・エイブラムス、トム・カーノウスキー、ジェイソン・マクガトラン 出演 マーク・ハミル、キャリー・フィッシャー、アダム・ドライバー、デイジー・リドリー、ジョン・ボイエガ、オスカー・アイザックほか 公開 12月15日よりTOHOシネマズ六本木ヒルズほかにて公開予定。 ©️2017 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.