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池田尚輝が選ぶ 活躍アウターは「軽さ」がカギ

そろそろ欲しい冬のアウター、どんなアイテムを選ぶべき? 本当に活躍するアウターの選び方を、人気スタイリスト・池田尚輝さんに聞きました。

PHOTO BY SHO UEDA
EDIT & TEXT BY RCKT/ROCKET COMPANY*

池田さんが行き着いた、アウター選びの基準とは?

「冬のアウターは、着る人を増し増しにカッコ良く見せてくれるもの。反面、重厚感のあるものだと暖房の効いた室内に入ると途端に暑くて着ていられなくなったり、車に乗りづらかったり。最近は素材開発やデザインの工夫で、見た目は冬らしい重厚感があるのに実際着てみると軽くて着心地がいい、イージーケアのアウターがたくさん出てきています。そんな、いろいろな意味での「軽やかさ」という視点で選びました」

❶ 着るとカーディガンみたいに軽いダッフル
——ユナイテッドアローズ 六本木

「ビジネスカジュアルからタキシード、モードっぽいものも探せる〈ユナイテッドアローズ 六本木〉。ユナイテッドアローズはオリジナルにも力を入れていて、このダッフルコートは見た目はしっかりコートなのに、着るとカーディガンみたいに軽い。ダッフルって重厚感のあるメルトン素材を使うのが基本ななか、こちらはリバーメルトン素材で正統派の雰囲気がありつつも、素肌に着てもなんの抵抗も感じないくらい軽い。肌馴染みもよくて、電車や車で座っても楽。『ダッフルって重いから……』って抵抗感がある人にもおすすめしたいですね。本来はイギリスの軍ものという出自があるダッフルをフランス目線で切り取ったんだなというのが軽やかなオレンジの色合いに感じられるので、フレンチカジュアル方向にスタイリングするといい感じです」

❷ どんなシーンもスマートに決まる万能コート
——ビームス

「カジュアルもドレスもラインナップが充実している〈ビームス〉の六本木ヒルズ店は折々のポップアップイベントも魅力的。今回セレクトした〈ヘルノ〉の「ラミナー」シリーズのダウンコートはステンカラーの形で、かつ表面はマットな質感のゴアテックス®︎素材なのでダウン感が表に出ず、ジャケットの上から着てもきれい。クラシックなウールフランネルのスーツと合わせてゴアテックス®︎との素材感の違いを楽しむのもいいし、フーデッドパーカとテックスニーカーに合わせても洒落て見えます。ゴアテックス®︎なのでもちろん雨風にも強い、そのうえスマートに着られるという、王道で汎用性が高くかつアーバンな高機能ウエアの金字塔的存在です。ビームスでもこのシリーズは何回も扱っているので、好評なアイテムなんだと思います」

❸ 軽やかで暖かいカシミア混の上質フーディ
——アタッチメント

「今季からデザイナーが変わって、ミニマルな世界観に新しい展開が楽しみな〈アタッチメント〉。カシミアが入ったダブルフェイスのビーバー素材で、裏地を使わないのにふっくらといい感じの丸みが出て、〈アタッチメント〉の得意な削ぎ落としたデザインと相まっていい塩梅ですね。カーキだと素材感がきれいに映えて、また温かみも感じられます。形はパーカだし、気楽に着られるショート丈だけど、腰回りも隠してくれるしカシミア混のダブルフェイス素材で十分な暖かさ。かつ素材の良さで、上品な大人っぽさもちゃんとある。その両方の感じがいいですね。室内メインの人や、車移動の人のライフスタイルにはぴったりだと思います。オフ白のイージーパンツをはいて丸首セーターに羽織るとリュクスな感じに仕上がりそうです」

❹ 上質なレザーとダウンにトグルが抜け感を演出
——ロイヤル フラッシュ

「大人にふさわしい、華のあるセレクトが六本木にはまっている〈ロイヤル フラッシュ〉からは、イタリアブランド〈EMMETI〉のダッフルをセレクト。〈EMMETI〉は柔らかな革を使っていて、しかも薄くなめす技術を持っている。だから、ここのレザーはしなやかで軽いっていうのが保証されています。かつボディがダウンなのでさらに軽い。ダウンでありながらレザーで大人っぽさや贅沢な感じを十分出しつつ、顔まわりや腕周り・ポケットの内側といった素肌が当たる部分にムートンがくるので体感的に暖かいんです。これをジップブルゾンじゃなく、ダッフルに仕立ててるというのが憎いですね。トグルに素朴な抜け感があるので、中に着るのもカントリー的なフェアアイルのセーターやシェトランドニットを合わせるとこなれて見える。起毛感のあるスラックスも合いそうですね」

❺ イージーかつ洒落て見えるスポーティアウターならこれ
——ソフ

スタンドカラージャケット¥59,400(SOPHNET./ソフ/六本木ヒルズ ウェストウォーク 4F

「一見モダンでスポーティなデザインのなかに、カルチャーのバックボーンがしっかりと感じられる〈ソフ〉。オリジナルブランド〈ソフネット〉のコートは袖口のリブやスナップボタンといったスポーティな要素に加え、中綿入りで暖かいのに表はフラットですっきりした印象で、大人にもなじみやすいファッションアイテムに仕上がっています。特にいいなと思うのが、スタンド襟。首周りをトリミングしてくれるので洒落感が出るのだけど、中綿が入っているぶんふわっとしていて、程よくカジュアルなんです。スウェットパンツやウェビングベルトがついたアウトドア由来のパンツに、厚底のスニーカーみたいなスタイルがしっくりくる。最もイージーかつ洒落て見える、上品スポーティスタイルで本領を発揮する1枚です」

profile

池田尚輝|Naoki Ikeda
スタイリスト。ファッションだけに留まらず、建築、工芸、アートと興味は幅広い。昨年、今年と”池田尚輝撰“と題し局所的な物や事にフォーカスしたイベントも開催している。

※2022年11月現在の情報となります。
※表示価格は全て税込価格です。
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