瀬戸内しまなみ海道。点在する島々を縫うように流れる潮、白亜の橋が生み出す雄大な景色とサイクリングにやさしい道は、CNNの「世界で最も素晴らしい自転車道のひとつ」に選ばれるなど、日本だけでなく、世界中の自転車乗りからも憧れを集めています。さて、今日は絵に描いたような青空に、穏やかな風という絶好のコンディション。走る気持ちとともに、出発しました。
Text by Chiharu Shirai / Photo by Chika Miura
連載旅する新虎マーケット Ⅰ期
Exhibitor 1-2
「旅する新虎マーケット」は全国津々浦々の魅力を集め編集・発信し、地方創生へ繋げるプロジェクトです
「旅する新虎マーケット」は全国津々浦々の魅力を集め編集・発信し、地方創生へ繋げるプロジェクトです
Text by Chiharu Shirai / Photo by Chika Miura
その前に、腹が減っては自転車も漕げません。まずは今治市役所のほど近く「笑姫食堂」にて、街のソウルフード「今治焼豚玉子飯」で腹ごしらえです。熱々のご飯の上に薄切焼豚とふたつの半熟目玉焼き、そこへ醤油ベースのタレをひとかけ。今治人のお作法に倣い、レンゲを使って目玉焼きの片方を割って豪快に混ぜたら一気に口の中へかきこみます。
朝からこってりしすぎ?と思ったけれど、タレはそれほどしつこくなく、卵と絡んでマイルドに。この「今治焼豚玉子飯」、店々によって卵の数、タレの味、量が違うと聞けば、今度はゆっくり食べ比べに挑戦してみたいなんて考えが頭によぎります。さて、あっという間に残りの半分も平らげて、いよいよ旅の準備は整いました。
旅の足、ロードバイクは四国側の拠点「サンライズ糸山」で調達。レンタルした自転車はしまなみ街道沿線の各スポットで乗り捨てもできるので、本格的な自転車旅でなくても安心です。サドルの高さやブレーキなどを調整してくれたスタッフのひとたちに別れを告げて、右、左、とペダルを踏み込んでいく。ゆっくりと加速すれば、瀬戸の潮風が優しく頬を撫でていきます。カーナビはなし、両手はハンドルを握ったままだからスマートフォンを操作したり、地図を確認することもできない。それでも安心して進めるのは、道路にブルーラインが引かれているから。これに沿って走れば、最も一般的なルートでしまなみ海道の始点から終点までを辿ることができます。
積極的にブルーラインを外れてみるのもおすすめです。たとえば、来島海峡大橋の橋脚の土台となっている馬島へ自転車ごとエレベーターに乗って上陸。楽園のように美しい紺碧の海が心の澱を洗い流してくれます。また、大島へ行けば、「亀老山」という立ち寄り必須の大展望台スポットが。3kmばかりのヒルクライムの先で出会える多島美は感無量のひと言でした。
サンライズ今治手ぶらで訪れても、自転車旅を楽しめる心強いショップ。レンタルした自転車やヘルメットは各ターミナルで乗り捨てが可能。宿泊施設もあり、サイクリストたちの拠点としても人気です。
亀老山展望公園約3㎞の険しいヒルクライムの先に広がる来島海峡大橋と島々が織りなす絶景は感動モノ。瀬戸内しまなみ海道を代表するビュースポットです。
焼鳥 まる屋焼き台を囲むカウンターと、落ち着いた雰囲気の2階席があるお店。皮ではじまり、せんざんき(唐揚げ)で終わるのが今治流。元気な女将の目標は「リピーター率200%」!
さいさいきて屋地元今治産にこだわった農作物、お肉、魚などが手に入るマーケット。平日は地元のひとで、休日は観光客で大にぎわい。不知火、せとか、はるみなど、柑橘類の豊富さも魅力です。
「旅する新虎マーケット」は全国津々浦々の魅力を集め、編集・発信し、地方創生へ繋げる“The Japan Connect”を目的とするプロジェクト。舞台は、2020年東京オリンピック・パラリンピックでメインスタジアムと選手村を結ぶシンボルストリートとなる「新虎通り」です。「旅するスタンド」でその街自慢のモノ、コト、ヒトに触れたり、「旅するストア」や「旅するカフェ」で珍しいグルメやセレクトアイテムと出会ったり。約3カ月ごとに新しくなるテーマに合わせて、日本の魅力を凝縮。旅するように、通りを歩く。そんな素敵な体験をご用意して皆さまをお待ちしています。
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