EXERCISE FOR RUNNERS

ランナー必見! 走れるカラダをつくる自体重トレーニング

まだまだ夏真っ盛り。しかし“スポーツの秋”は刻一刻と近づいている。「涼しくなったら走ろう」「秋のマラソンやトライアスロンで完走したい」と思うランナーにおすすめしたいのは、自体重トレーニング。筋トレがなぜランになぜ活きるのか、どんな筋肉がランに必要かなどを、虎ノ門の「KITAERU CrossFit Toranomon」のコーチに基本のキから教えてもらった。

TEXT BY NAO KADOKAMI
PHOTO BY AYA KAWACHI

クロスフィットコーチが考える、筋トレをランナーもやるべき理由

まず最初に、周囲の“運動習慣がある人”を思い出してみてほしい。ランニング派かトレーニング派、その他のコアなスポーツ派……と大きくタイプが分かれていないだろうか。マラソンの練習はしっかり走りこむこと。そう考えるのはもちろん正解。しかし、他のスポーツも組み合わせることで相乗効果を生み出すことは大いにある。

「長距離を走る場合、疲れてくると正しいフォームが乱れて走力に悪影響が出ることも。それは軸となる体幹がブレてしまってることが原因の一つです」と話すのは、「KITAERU CrossFit Toranomon」の秋山直也コーチ。つまり楽なフォームをできるだけ保ちながら長距離を走るには、体幹部の筋肉を鍛えることが重要だ。

世に出回るトレーニング理論の一つに“有酸素運動と無酸素運動の両方を行うとそれぞれの効果を打ち消してしまう”というものもある。しかし、自身もこの秋トライアスロンに挑むという秋山コーチは断言。

「一番大事なのは自分で実践してみて一番合うものを選ぶこと。機能的な身体づくりを目的とするクロスフィットはもちろんランナーにもおすすめです。心肺機能を高めて心拍数アップにつながります。お客さんにはトライアスロンが趣味という方もたくさんいらっしゃいますよ」

大会2か月前から始めたい、自体重トレーニングメニュー

今回は特別に、気持ちよく走りたいランナーのために、自宅でできる道具不要の自体重トレーニングのメニューを秋山コーチが組んでくれた。

「いい姿勢で長く走れるように、体幹部の筋力強化に特化したメニューです。マラソン当日の2か月前から、これから紹介する4種目を日課にすると本番は快適に走れる身体に仕上がるはずです」

せっかく鍛えるからにはしっかり効かせたい。そこで重要なのが正しい姿勢で行うこと。せっかくの筋肉への負荷が分散してしまう、各種目のNG例もご紹介。最初は自分で姿勢を精査しながら、自宅でもきっちりトレーニングに励もう。

秋山コーチ直伝! 体幹を鍛える自体重トレーニング

❶ プランク——腹直筋、腹横筋、脊柱起立筋

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1/2① 両肘と両足のつま先を床についてつま先を立てる。 ②両肘両足で床を押して骨盤を引き上げ頭から足先までを一直線に。両足は揃えたまま、骨盤を内側に巻き込むイメージ。この姿勢を40秒〜1分間キープ、3セット。各セット間のインターバルは30秒まで。
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2/2【NG例】 臀部が落ちたり、逆に上がりすぎた姿勢になるのは体幹部に力が適切に入っていない証。そもそも腹部が力の抜けた状態で走ることはまずない。ランニング中のフォームを意識した姿勢を保つこと。

❷ サイドプランク——外腹斜筋、中殿筋、腰方形筋

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1/2① 床に横になり、肩の真下に下側の肘から前腕をセットして頭から足先までを一直線に。 ② 上側の手を腰にあてて、40秒〜1分間キープ。逆側も行う。これを1セットとして、計3セット。各セット間のインターバルは30秒まで。
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2/2【NG例】 体幹部から力が抜けると一直線の姿勢が崩れる。正しい姿勢でやることが最優先なので、40秒も姿勢を保てない場合は20〜30秒から始めてOK。ただしセット数とインターバルの時間は守ること。

❸ ホローロック——腹直筋

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1/2仰向けで両腕を頭の上へ、また両脚をまっすぐ伸ばす。両足を床から上げ、腰と臀筋を床に押し付けたまま上体を上げる。上体はへそをつぶすイメージで背中を丸めるイメージで行う。40秒〜1分を3セット。セット間のインターバルは30秒まで。
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2/2【NG例】 ホローロックは脚の重みを負荷にして腹上部を中心に刺激を加える種目。上体の引き上げに対して両脚を上げすぎ、また下げすぎると負荷が分散してしっかり効かせられない。腕と脚の上げる角度をできる限り揃えるのがポイント。

❹ レッグレイズ——腹直筋(下部)、腸腰筋

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1/3① 床で仰向けになり、両腕を体側でハの字に置く。両脚を揃えてまっすぐ伸ばしたまま床から浮かして45°まで引き上げる。
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2/3② 両脚を揃えたまま地面の近くまで戻す。完全に地面にはつけないこと。これを10〜15回、3セット。セット間のインターバルは30秒〜1分。
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3/3【NG例】 両脚の上げすぎは下腹付近にある腸腰筋への負荷を分散させてしまうのでNG。脚の付け根から動かし、骨盤をしっかり前傾させるイメージで行うことで下腹付近の筋肉にしっかり刺激を与えられる。

より効果的に身体をつくり込むなら、週末や平日の出勤前後の1時間など、週2〜3日ペースでクロスフィットに励めるとより効率的だ。

「自分ひとりで鍛えるとどうしてもメニューがパターン化してしまうもの。それでももちろん効果はありますが、『KITAERU CrossFit Toranomon』では毎日違うメニューを考案しているので、心身ともにフレッシュな変化があります。また何と言ってもグループワークなので、お互いに鼓舞しながら鍛えることで、結果的に高強度なトレーニングになります」

ランニングシーズンまであと少し。普段の練習に+αで自体重トレーニングを取り入れて、日々の変化を楽しみながら自己ベスト更新を目指そう!

Kitaeru CrossFit Toranomon(キタエル クロスフィット 虎ノ門) 場所 港区西新橋2-16-6(虎ノ門ヒルズ前) 時間 (平日)7:00〜21:00 (土日祝)9:00〜12:00  03-6435-7138

秋山直也|Naoya Akiyama
「KITAERU CrossFit Toranomon」勤務。CrossFit Level 2 Trainer、CrossFit Weigthliftingの資格を持つ。8歳から大学卒業までは野球一筋。今はエントリーした9月開催の「九十九里トライアスロン 99T」に向け、クロスフィットのほか、週2で水泳、週1で自転車とランに励む。