あらゆるジャンルのクリエイターであり、美味しいものを体験する人、その他いろいろとして活躍する藤原ヒロシ(hf)。彼のinstagramをhfウォッチャーが本人に深く浅く取材する連載(月2回更新)も第8回! 今回はついに本家のミューズリーとの出会いが。そしてカルチャー、音楽ネタも満載。2018年5月前半にポストされた画像からお届けします。
INSTAGRAM & TALK BY HIROSHI FUJIWARA
TEXT BY HF WATCHING COMMITTEE (HWC)
2018年5月1日——成田、久しぶりな気がする
そっか、国際線も羽田から、というのが当たり前な時代なんですね(老人か)「目的地に着く時間で選んだら、今回たまたま成田発だった。僕、成田空港好きなんですよ。昔ほど渋滞がないから、羽田まで行くのとそんな変わらないし。今回はスイスエアーだったんです」(hf) これはいつものラウンジ自分盛りですか? 「そうです」(hf) 上手になりましたね(参照 4/5)
5月1日——初めて成田から旅立った時は……
「昔の海外旅行って、たくさんのカセットテープ、予備の乾電池、本も数冊持った。今はPCとiPadがあれば大丈夫」(hf) ポータブルdvdからMacBookでのdvd、そして今はnetflixとamazon primeをipadにダウンロードして持ち込む。時の流れ、光陰矢の如し、とおっしゃってます。機内エンターテイメントも充実してるんじゃないですか。「充実していると思う。暇つぶしのためにはいいかもだけど、その暇があったら自分が観たいものを観た方がいいかな。だから僕、自分で持ち込む映画しか観ない」(hf) なんかこの発言に、エアライン各社が学ぶべき何かが隠されているような気がする。世の中全般か。
5月1日——本場ミューズリー
とうとう本家スイスのミューズリーとご対面。本物は見た目が真面目ですね。「これはブルーベリーとヨーグルトのミューズリー。本当に家庭の味みたいでした。家によってレシピが違うみたい。白味噌もあれば赤味噌も合わせ味噌もあるようなもんじゃないですか? 見た目はアレですけど、美味しかったです。僕は好きです」(hf) なるほど。ミューズリー味噌汁説。朝食は伝統芸能なのである。
5月2日——super oisii
スーパーオイシイいただきました。「スーパー美味しかったです。クルダイオーラというものなんですけど、ラタトゥーユをミンチにしたみたいな」(hf) 冷たいんですね。「あったかくはないです。上にパスタのクズみたいのがのっているんです。パスタにソースをかけるというより、ソースにパスタをかけたような。あんまり日本で出合わない感じです」(hf) どちらで? 「ミラノの『ラ・ラッテリア』です。世界で一番好きなイタリアンレストラン!」(hf) あー、レモンパスタの!!(2/19とか)「クルダイオーラとは火を使わないソースで食べるパスタ。う〜ん、でも『ラ・ラッテリア』のは特別みたい、見た目が他のとは違うもん。『ラ・ラッテリア』行ってみて。一度行ってみて」(hf) 日本であまり食べられない料理ってまだまだいっぱいある。それを一生懸命教えてくれるhfでした。生きてる虎を見たことないのにその絵を描いた円山応挙の気持ちがちょっとわかります。
5月3日——鯖の燻製リゾット。美味しい!
こういうベチャベチャ系、好きですよね。ミューズリーといい……。「これはコースで出てきたんです!」(hf) Carlo e Camilla in Segheria(読み方は次で)のコースの鯖リゾット。これも円山応挙系ですけど、本当に美味しいらしいですよ。
5月4日——シェフたち
そこのシェフたちですね。4人も写ってる。「そう。カルロ・エ・カミラです」(hf) アラン・デュカスらのもとで腕を磨いた、イタリアの現代的料理「アルタ・クッチーナ」を牽引する一人、カルロ・クラッコ氏のレストランで働く人々でした。
5月6日——機内ミューズリー。スイスエアー
そして帰路で再び本物ミューズリーを堪能。「スイスエアーは機内でミューズリー♪」(hf) 猫の缶詰みたいに見えますが、何味なんでしょう? 「これもベリーでした。ベリーヨーグルト」(hf) 見た目はそんなに重要じゃないこともある、という教訓。
5月7日——シュープリームのナイフ
「特に意味はないんですけど、雑誌の撮影で貸し出してたのが戻って来たから撮ってみました。〈シュプリーム〉はいろんなものを作っていて楽しいですよ」(hf) こういうナイフ、欲しいなぁ。いいなぁ。「いいかもしれないですね。考えときます」(hf) hfさんといるとのび太くんのようになってしまいます。でも楽しみです。
5月8日——ヨーロッパ・ピクニック計画
「銀座でパーキングをやっていた時に、ミッドナイトパーキングをやったんですがその時作ったTシャツです」(hf) 2015年3月に期間限定でオープンした、コンセプトストア「ザ・パーキング銀座」。そこでいつもとは違う深夜の買い物が楽しめる「midnight market at THE PARK・ING GINZA」が数回行われました。ピクニックって? 「ベルリンの壁が崩壊する前の規制が厳しかった頃、オーストリア、ハンガリーを越境して来た東ドイツの人々と、西ドイツの人々がピクニックという名目で、物々交換をしたり、亡命の助けをしたりしたヨーロッパ・ピクニック計画というのがあって、それがベルリンの壁崩壊に繋がっていったんです。その時のチラシをモチーフに作ったTシャツなんです」(hf ) Tシャツに秘められた激動の現代史。
5月8日——a postcard means a lot
「マーク・ゴンザレスって人からアロハ〜とハガキが届きました」(hf) これ手描きですよね。「ハガキで、とかがいい。今のこの時代にキュンとする。裏はコラージュでテープでカバーしてあるんです」(hf) モダンアートのハガキ送りっこ、いいですね。
5月8日——今日アートが二つ届いた
「小村希史(こむらまれふみ)くんが展覧会の招待状を送ってくれたんですけど、オマケが入っていました。彼が作ったんじゃないかな?」(hf) グッときますね。「マーク・ゴンザレスからのハガキと同時に届いたので、アートが2つも家にやって来た日! というわけです」(hf) 小村希史氏の展覧会は、6月12日まで「The Mass」にて開催中。
5月8日——やっと届いた
「ヴィトンのギターケースです」(hf) オーダーですか? 「この前、コラボやった時に頼んでいたのが届いたんです。やっと」(hf) 待った甲斐ありましたね。
5月1日——passhion for passion
「神宮前の『フロリレージュ』に行きました。美味しいです」(hf) お勧めのお店で一番安いところに行きましょうって話しているんですけど、どこがいいですかね。「ファミマのカウンターでファミチキとか。一昨年かな、 オザケンのライブに行ったんですよ。でだいぶ盛り上がって、アンコール前に出ないと人でいっぱいになるから、僕だけ会場を一足先に出たんです。で、出てから、お金も何も一切持ってないことに気づいて……。近くにコンビニがあったのでとりあえずカフェに座って友達を待っていたんだけど、流石に一時間くらい経ったら店員もジロジロ見るようになって来て……ってなんでこんな話をしたのかな」(hf) 悲惨な話シリーズ大歓迎です。「ま、『フロリレージュ』は美味しいお店って話です」(hf)
5月9日——椅子の価値と音楽の立場
山口さんのスタジオですね。こんな椅子が! エール・ジャンヌレなんですね。コメント欄読んでるだけですけど。「普通だったらレコーディングスタジオの椅子ってパイプ椅子だったりするじゃないですか。」(hf) ちなみに、こちらはスイス人建築家であるピエール・ジャンヌレのシザーチェアで復刻生産はされていません。大変希少価値の高いものと言われているそうです。
5月10日——オオサンショウウオみたい
これも同じく山口さんのスタジオですよね。「山口くんが俯瞰から撮ったんです」(hf) 素敵なオオサンショウウオ。ギターケースですね。ライブは楽しかったですか? 「うん。平日はあまり機能してない遊園地みたいなところでやりました」(hf)
5月11日——海老名といえば鯖の唐揚げ
「森、道、市場2018」が開催された、愛知県・蒲郡へ向かう途中、海老名SA(下り)に立ち寄ったhf。「ここの鯵の唐揚げがめっちゃ美味しいんです。サービスエリアで、あったら絶対食べるもののひとつ」(hf) こちらは「小田原吉匠」の鯵の唐揚げで、「2018からあげグランプリ」で見事、金賞を受賞した商品。ひとつひとつ手作りで、しお、しょうゆ、カレー、ペペロンチーノ、チーズ、マヨネーズ、全6種の味がある。サービスエリアによって販売している種類が異なるが、東名海老名SA下りでは全種販売している。のです。
5月11日——僕はじゃがりこの方が好き
「出来立てのポテトチップって、昔は千歳空港でしか売ってなかったと思うんですけど、最近はお台場とか東京駅にもあって、海老名SAにもあったんですよ」(hf) 産直より揚げ直ってことですね。「出来立てのじゃがりこみたいなポテリコだったんですけど、出来立てじゃない方が美味しいような……」(hf)
5月11〜12日——タイムカプセルみたいな飲み物
「蒲郡に着いて、時間があったので『コメダ珈琲』へ。愛知県といえばコメダだと思って」(hf) 愛知県だと3メートルおきにあるらしいですよね(嘘です)「飲み物がこれに入ってくるんですよ。ミックスジュースかなんかなんですけど、蓋を開けて飲みます。昔流行ったタイムカプセルってこんな感じじゃなかったですか?」(hf) あんまり流行らなかったと思います。
5月13日——ミングルレージュ
「『フロレリージュ』で、韓国の『ミングルス』というお店とコラボイベントをやっていて、美味しかったです」(hf) 2017年版「アジアのベストレストラン50」に選ばれた川手寛康シェフによる『フロレリージュ』とミシュランガイドソウル2017で1つ星に選ばれたコリアンコンテンポラリー料理レストラン『ミングルス』とのコラボ。体験したことないけど美味しい、ことは確信できるというジャンル。VRミシュラン。
5月14日——面白い!
「これ、めっちゃ面白かったですよ。シーズン1のエピソード4まで配信されているドキュメンタリーです。この事件、覚えてますか?」(hf) 覚えていませんでした。「僕は当時、テレビの前に釘付けでしたよ」(hf) hfを釘付けにしたこの事件とは……2003年8月アメリカ・ペンシルベニア州(ペンシルバニア?)で起きた「ピザ配達人首輪爆弾事件」と呼ばれる事件。「銀行強盗の現行犯で逮捕されたピザ配達の男性の首に爆弾が巻かれており、「首に爆弾をはめられ、銀行強盗をするよう脅された」と警察官に訴えた。事件そのものも興味深かったけど、何年か前に町山智浩さんのラジオで真相を知ってもっと驚いた」(instagram hf書き込みより) 町山さんの真相についてはここでは教えてあげません。悪しからず。
5月14日——このサントラ凄く好き
「この曲知らない? 聞いたら分かるやつです。昔の残酷な映画って音楽が綺麗なんですよ。『世界残酷物語』って映画を撮ったヤコペッティって人が、フェリーニに影響を受けて、なんか変な芸術映画を撮ったんです。それがこの『ヤコペッティの大残酷』で、フランスの哲学者ヴォルテールの『カンディード』をモチーフに、現代風に描いたもの。映画自体はクズ映画とされているんですけど、音楽は素晴らしいんです」(hf) 観ないで聴きましょう。
5月14日——展覧会が楽しみ
「小村希史くんの作品です。すごく綺麗ですよ」(hf) いつからお知り合いに? 10年くらい前かな? 村上隆さんの『GEISAI』の審査員に呼ばれたんです。その時に一番良かったのが彼の作品。で、藤原ヒロシ賞に彼の作品を選びました。それ以来展覧会とかあるとたまに行ったり、欲しいものは買ったり」(hf) その頃からこういう芸風だったんですか? 「ほんと絵がめっちゃ上手いんです。だからいろんなことができる人なんですけど、今回は水彩アブストラクトかな。僕が常に追っかけているアーティストです」(hf)
5月15日——トム・ヨークはゴブリンを超えるのか?
「『サスペリア』って映画、覚えてます? “決して、一人では見ないでください”っていう、あれなんですけど、ゴブリンの音楽がすごい有名なんです。ゴブリンは当時の恐怖映画をたくさん手がけているんです。で、この冬、『サスペリア』のリメイクをAmazonが製作していて、その音楽がレディオヘッドのトム・ヨークなんです。そのことを僕なりに伝えてみたんですけど」(hf) なるほどー。今わかりましたー。全然わからなかったー。分かる喜びをありがとうございます。
5月15日——トーニャファミリー、面白かった
「本当に面白かった。ドキュメンタリーとしては100点」(hf) 褒めましたね。これはどこでご覧になったんですか? 「六本木ヒルズ。みんな『いい』って言ってて、5月17日までだって言われて焦って観に行ったんです。おすすめ」(hf) hfのブログ「Ring of Colour」にも感想あり。ご一読あれ。
藤原ヒロシ|Hiroshi Fujiwara
1964年三重県生まれ。DJ、音楽プロデューサー、ファッションクリエイター。英米で触れたクラブ文化を80年代の日本に持ち込むなど、音楽とファッションの両軸で日本のストリートカルチャーを牽引。現在、デジタルメディア「Ring of Colour」を運営する。京都精華大学ポピュラーカルチャー学部客員教授。
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