「国際新都心・グローバルビジネスセンター」形成を目指し都市づくりを進める虎ノ門ヒルズエリア。そのシンボルストリートである新虎通りを舞台に、アートプロジェクトが動き始めている。
TEXT BY KYOKO INOU
街のもつエネルギーを表現するストリートアート「MURAL」
新橋から虎ノ門エリアのメインストリート、新虎通りを舞台に、複数の壁画を制作する「TOKYO MURAL PROJECT」。アートを通じて東京の魅力を世界に発信しようと、2017年10月にスタートしたプロジェクトだ。
MURAL(ミューラル)とは、既存ビルの壁面や建造物をキャンバスに、アーティストたちが制作する公共アート。ストリートカルチャーをルーツにもつシンプルかつダイナミックなアートフォームで、昨今、世界各国の大都市からローカルタウンまで、多様な目的をもって歓迎され、広く浸透し始めている。世界で活躍する優れた日本人アーティストが多数存在する一方で、国内ではまだ事例の少ないのが実情だった。国際新都心として進化を深める虎ノ門エリアが、エネルギーとインスピレーションを共有し、新しい未来の都市形成を目指すコンテンツとして始動したのが、「TOKYO MURAL PROJECT」だ。
初回となった昨年10月には、日本のMURALを代表するアーティスト、SALとJONJON GREENが、「SPIRAL」をテーマに作品を制作。高さ約33m、幅約27mのビル壁面に、「イノベーティブな人々を巻き込みながら、新虎通りから新しい未来が生まれて行くこと」を表現した、巨大アートを完成させた。
海外若手クリエイターとTOKYOのコラボレーション「Revolucid」
「TOKYO MURAL PROJECT」に続き新虎通りで展開されるアートプロジェクトが、4月20日〜30日に行われる「Revolucid」だ。アメリカの若いアーティスト&クリエイターを支援する「VISSONAIRE COLLECTION」が企画する、若い才能の海外遠征をサポートし、現地のカルチャーやローカルアーティストとの交流体験をインスピレーションに作品製作&発表までを遂行するアートプログラムである。その記念すべき第一回のベニューが東京・虎ノ門。「TOKYO MURAL PROJECT」の舞台である新虎通りのビルの一部が、海外ア−ティストたちの活動拠点として開放される。滞在中は、室内でペイントアート、彫刻、音楽が作成されるほか、交流会や東京のアーティストとのセッションも予定。
4月28日(土)には「Revolucid」参加アーティストのコラボレーションにより制作されたMURALがお目見え。会場のカザマビルでは、アートの展示とともに、Tokyo Direct-によるライブペイント、「Revolucid」の参加アーティストDavid”Dutch” TerrelによるDJパフォーマンスが行われる。グラフィティやブロックパーティ、ミューラリズムなど、NYのクラシックなストリートアートが、東京のカルチャーやファッションと融合し、昇華した新しい作品を目撃できる貴重なチャンスは見逃せない。
ビジネス拠点という既成の価値観を大きく拡張し、新しい文化発信基地としての魅力を創出している虎ノ門エリア。加速度的に増大していくこの“街”の磁力は、今後ますます多くの人&エネルギーを惹きつけ拡大していくだろう。世界に向けて発信される新しい東京の魅力は、日本人にとっても新鮮な驚きと発見を提供してくれる。
Tokyo Mural Project
会場 東京都港区西新橋2丁目19-5 カザマビル
Revolucid
活動期間 〜4月30日(月) 時間 10:00〜20:00 会場 東京都港区西新橋2丁目19-5 カザマビル 公開展示日時 4月28日(土) 12:00〜18:00
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