アルバムやライブを精力的に行うミュージシャンとしての活動のほか、新刊『おしゃれはほどほどでいい』(幻冬舎)など、ファッション指南も多くの女性に支持されている野宮真貴さん。以前、六本木ヒルズにも住んでいたこともありこの街を知り尽くしている野宮さんが語る六本木のおしゃれ、さらにおしゃれをして行きたい場所、おすすめのお店を紹介してもらった。
TEXT BY MIHO MATSUDA
PHOTO BY KOICHI TANOUE(PORTRAIT)
六本木はエレガントカジュアルが似合う街
おしゃれの達人としても知られる野宮さん。六本木という街に似合うおしゃれを聞くと、いい素材を使ったアイテムを肩の力を抜いて着こなすスタイルが似合う街だと語る。
「六本木はクラス感のある銀座やカジュアルな渋谷とも違う、独特の雰囲気があります。六本木には、こだわりのものを身につけている方が多く、いい素材のものをリラックスして着こなすスタイルが似合う街。だから少しエフォートレスに、エレガントカジュアルなスタイルがおすすめです」
以前、六本木ヒルズレジデンスに住んでいた頃は〈エストネーション〉や〈ケイト・スペード ニューヨーク〉にもよく足を運んだという。
「服に困ったら、さっと買いに出かけていました。どのお店もちゃんとセレクトされているから、お買い物がしやすいんです。そして、ちゃんとおしゃれをして行きたいお店は〈グランド ハイアット 東京〉。〈チャイナルーム〉と〈マデュロ〉には、よく友だちとの会食に利用しました。〈森美術館〉のアート観賞とセットで楽しむのもいいですね」
新旧が隣り合わせのコントラストが面白い
以前、六本木ヒルズレジデンスに住んでいたこともある野宮真貴さんは、六本木の魅力は新旧のコントラストだという。
「音楽やアートなど新しいものを発信する六本木ヒルズと、古くからある麻布十番商店街が、隣り合わせで存在していることが面白いですよね。この街に住んでいた頃は、ちょうど息子が小学生だったので、麻布十番商店街に同級生が住んでいて近所付き合いをしていました。」
麻布十番商店街のお気に入りのお店は、200年以上の歴史をもつそばの老舗〈更科堀井〉。年越しは必ずここのそばだったという。そして、ライブ前や風邪気味のときには〈参鶏湯料理 グレイス〉のサムゲタンで滋養補給。六本木6丁目交差点の〈中国飯店 六本木店〉は、息子さんの受験合格を親族一同でお祝いしたことも。シンプルな光麺がお気に入りのメニューだ。
「住んでいたということもありますが、六本木はどこかに暮らしの香りがある街。アートやカルチャーに触れる一方で、麻布十番商店街のお祭りを楽しんだり、六本木ヒルズで盆踊りをしたり。それがいいですよね。例えるなら、大都会の中の小さな村。居心地がいいので今でもよく来ています。ゴールデンウィークにはTOKYO M.A.P.Sでライブもしましたし、中田英寿さんプロデュースのCRAFT SAKE WEEKにも遊びに来ました。今、渋谷系をテーマにした作品を制作することが多いのですが、渋谷と六本木はバス1本で繋がっている場所。港区に住んだ期間も長いので、今後も何かしらこの街に携わっていければ。東京の象徴・東京タワーは港区にありますしね」
ミュージシャン。ピチカートファイブ3代目ヴォーカリストとして、渋谷系ムーブメントと国内外で巻き起こし、音楽・ファッションアイコンとなる。その後も音楽、アート、ファッションなど多岐にわたって活動。17年10月にアルバム『野宮真貴、ホリデイ渋谷系を歌う』を発売。ファッションにまつわる著書は『おしゃれ手帖』『赤い口紅があればいい』など多数。最新作は『おしゃれはほどほどでいい』(幻冬社)。
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