みんなが当たり前と思っていることを、びっくりするような方法で問い直す。そんな作品を数多く手がけるアーティストの飯川雄大さんが選んだテーマは「四コマ漫画教室」です。自宅ですごす子どもたちのために、さまざまな分野の専門家が研究や活動、考え方のおもしろさを伝えてくれるシリーズ企画【おうちでワークショップ】の第7回。
workshop by Takehiro Iikawa
illustration (top) by fancomi
今日は「四コマ特訓シート」を使って四コマ漫画にチャレンジしてもらいます! 下のリンクをクリックして、シート(PDF)をダウンロードしてみてください。もちろんダウンロードしなくても問題なし! 四コマ漫画の描けそうな紙を用意して進めていきましょう。
四コマ特訓シート ヒルズライフ特別版
「四コマ漫画」のたのしさって何だろう?
四コマ漫画、ゼロから全部描くのは難しそうだけど、絵がヘタッピでも大丈夫! 上手いからって油断は禁物! 毎日の体験で驚いたこと、悲しかったこと、何でもいいから描いてみよう。「これは面白い!」ってところを切りとってお話を作るのもよし。考え方を変えて、ぜんぜん面白くない日常だったとして、どの部分を変えたら面白くなるか考えてみたり、こんなセリフ言うわけないよなってセリフをあえて書き入れてみたり。ほんとに何でもやってみればいいんです。
一番大事なのは、とりあえず描いて誰かに見せること。
国語の時間に「起承転結」って習ったよね?
よく言われてる「起承転結」(たぶん)
起 → どんなキャラクターがいるか、それがどんな世界・場所に住んでるかとか、お話を紹介する部分。
承 → 「起」から、「転」へお話をつなぐ部分。一コマ目に対しての反応とか、もう少し詳しく描いたりとか。
転 → 場面を変えたり、意外なことが起こったり、何かがおかしかったり。お話の中心!
結 → 「オチ」お話を終えます。締めくくって!
でもこんな決まりごとなんてどうでもいいんです! オチなんて気にすんな!です。チャレンジする人の数だけオチは生まれてくるもの。もし自分で四コマ漫画を描くときに最後のオチが思いつかなかったら、そこは自分で考えるだけじゃなくて誰かに任せてみてください。この講座では、一つのアイデアや設定を使ってみんなであれこれ考えていくうちに、いろんな作品が生まれる可能性を感じてほしいです!
まずは「四コマ四原則」を大きな声で読んでみよう
1つ —— 起承転結ってなんだっけ!
2つ —— 他人のキャラはまねちゃダメ!
3つ —— 四コマ目は人まかせ!
4つ —— オチなんて気にすんな!
では腕慣らし、四コマのウォーミングアップ!
最初から全部自分で描くのは難しいけど、三コマ目まで描いてあるお話から想像して空白の四コマ目を描いてみよう。
キャラクターシートに挑戦!
自分が毎日使う好きなもの、例えばコップやお箸、鉛筆をキャラクターにしてみよう。キャラクターは、2つ以上考えるの結構大事です。2つ以上いると自然と会話が生まれやすいです。友達や家族、ライバル、少し関係がありそうなもので考えるといいかも? キャラクターの性格、特技、身長、体重、ひみつ、口ぐせなど、どんどん書き込もう。いろんな設定から物語が生まれやすいよ。
表情シートに挑戦!
自分の作ったキャラクターの喜怒哀楽、色んな表情を描いてみよう。
オリジナル四コマ漫画を描いてみよう
四コマ漫画は、自分以外の人が読んで初めて完成だから綺麗な字で書くのが一番大事!!! 四コマ漫画はタイトルもすごく大事、最後のコマが描けたら、読んでみたくなるようなタイトルを考えよう!
あとがき
四コマ漫画が大好きで、学生の頃に住んでたアパートの掲示板に勝手に描いた四コマ漫画を貼って発表してて、住人が足を止めて読んでるところをこっそり覗いたりして楽しんでたんです。けど、毎日自分で描くのって大変やし、自分で描かんでもいいかもなぁって思って、一番難しいオチ(四コマ目)の部分を友達に描かせること思いついたんです。学校の授業中に配られるプリントの裏に自分が3コマ目までを描いて、オチをクラスのみんなにどんどん描いていってもらってたら、学期が終わる頃にはかなりの量になってました。「猫の小林さん」はその時に生まれたキャラクターで、学校の先生の似顔絵なんです。
飯川雄大|Takehiro Iikawa
1981年兵庫県生まれ、同地を拠点に活動。人の認識の不確かさや、社会の中で見逃されがちな事象に注目し、鑑賞者の気づきや能動的な反応を促すような映像、写真、インスタレーションを制作。2019年「六本木クロッシング2019展:つないでみる」(森美術館)「美術館の七燈」(広島市現代美術館)に出品。2020年7月は、ヨコハマトリエンナーレ2020「Afterglow ー光の破片をつかまえる」に参加予定。震災復興支援と防災・減災のためのフリーペーパー震災リゲインプレスに「猫の小林さん」を掲載。4月より十和田市の市街地循環バスに「デコレータークラブ -ピンクの猫の小林さん-」のアートバスが運行中!猫の小林さんを20年毎日描いてて、四コマワークショップは今年で15年目!
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