CLASSICAL SWEETS IN TORANOMON

最新エリアの懐かしいおやつ——菊池亜希子の「ぶらり、スイーツ」vol.3


甘いものとお茶時間を愛するモデル・俳優、菊池亜希子さんが気になるスイーツを紹介する本連載。最終回は虎ノ門ヒルズのブーランジェリーカフェ&ブラッスリー〈RITUEL 虎ノ門〉を訪れました。ビジネス街の中心にあるオアシスのような心地よい空間で、さまざまなスイーツを堪能した菊池さんのレポートをご覧あれ。

PHOTO BY KEIICHI SUTO
STYLING BY NOBUKO ITO
HAIR & MAKE-UP BY TOMOKO TAKANO
EDIT & TEXT BY RCKT/ROCKET COMPANY*

あんバタートーストに
クラシックプリン・ア・ラ・モード、
懐かしいおやつを素敵な空間で

ブーランジェリーとして創業した〈RITUEL〉。ここ虎ノ門ヒルズの店舗でも、お店に入ってまず目に入るのがずらりと並ぶパン。

ハード系から甘いヴィエノワズリーまで、バリエーション豊かに並びます。

〈RITUEL〉名物、「エスカルゴ」。クロワッサン生地にさまざまなフレーバーのクリームを巻き込みスライスして焼き上げたカタツムリ型のヴィエノワズリーです。定番のショコラピスターシュやレザンの他、季節限定のフレーバーも。

カフェで菊池さんがオーダーしたのは、あんバタートースト。「子供の頃から大好きなんです。あると頼んじゃう」。

ミルク多めで耳までふわふわ食感の食パンをトーストし、十勝産の小豆を使ったあんとフランス産発酵バター、岩塩をトッピング。十勝あんバタートースト¥770

虎ノ門ヒルズ ステーションタワーと森タワーとの間を繋ぐ「T-デッキ」、そこに面したステーションタワー2Fの玄関口に居を構える〈RITUEL 虎ノ門〉。2015年にヴィエノワズリーを中心としたブーランジェリーとして創業し、2020年6月にはカフェをスタート、そして2024年に旗艦店としてオープンしたこの虎ノ門店では本格的なフランス家庭料理を楽しめるブラッスリーを展開。カフェとブラッスリー、2つの空間でそれぞれ異なるサービスを提供しているのが特徴です。

自家製酵母・低温長時間発酵を取り入れ、伝統的なフランスの製法技術を駆使したパンが自慢。パンは大好きだという菊池さん、テイクアウトのパンを選んだあとカフェで「十勝あんバタートースト」をオーダーしました。

「あんこは子供の頃から祖母が冷蔵庫に常備していて、朝食にあんバタートーストを食べていたんです。そのせいか、私にとってあんこはジャムに並ぶトーストの友。あんバタートーストがあると頼みたくなります。この店の食パンはふわっとしていて、耳まで柔らか。そこにあんことバター、さらに岩塩がトッピングしてあるのが甘じょっぱくて最高です。岩塩トッピング、家でも真似したい!」(菊池さん)

カフェのオープンキッチンで焼き上げるクレープは、全粒粉が入ったフレンチスタイル。菊池さんが選んだ「シュガーバター&レモン」は、焼き上がったクレープにバターを塗りブラウンシュガーをふりかけた後、生のレモンを絞ります。

「全粒粉が入っているので、外側の縁はカリッとした味わい。美味しいです!」と菊池さん。クレープ シュガーバター&レモン¥715

カフェのレジ横にはペイストリー&ケーキのショーケースが。ショートケーキにモンブラン、アップルパイといった定番スイーツが並びます。

もう一つ、菊池さんが気になったというクレープは〈RITUEL〉の中でもこの虎ノ門ヒルズ店でだけ楽しめるメニュー。蕎麦粉を使ったクレープは、シンプルなシュガーバターやバター&ヌテラといった本場フランスで人気のメニューを取り揃えています。

「クレープも好きでよく食べるのですが、普段食べるのはクリームが入ったもっちりタイプのもの。このクレープはガレットのように全粒粉が入っていて、もっちりというよりはサクッとしていますね。トッピングもシュガーバターやヌテラといった本場フランスのガレットを思わせるシンプルなもので、サイズは大きいけどスルッと食べられそうです。私はバターとレモンの組み合わせが好きなので、“シュガーバター&レモン”をお願いしました。カットしたレモンをその場で手で絞って仕上げているのが贅沢ですね」(菊池さん)

カフェの奥には、本格的なフランス家庭料理を提供するブラッスリーが。ソファ席からテーブル席、カウンター席までさまざまなタイプの席があります。

ブラッスリーではカフェエリアとは異なるメニュー構成になっています。こちらでいただける「クラシックプリン・ア・ラ・モード」は見た目も味わいも正統派。クラシックプリン・ア・ラ・モード¥1,100

ブラッスリーでは本格的なフランス家庭料理を提供。ワインと合わせてパン飲みも楽しめます。こちらは人気メニューのオニオングラタンスープ。飴色に炒めた玉ねぎに〈RITUEL〉のバゲット、たっぷりのチーズが贅沢な一品。ランチではタルティーヌやサラダ、コーヒーor紅茶がついたお得なセットもあります。RITUEL特製オニオングラタンスープ¥1,760

ブーランジェリーカフェとブラッスリー、朝から夜まで楽しめる食の複合空間。

続いてはブラッスリーエリアに移動し、喫茶店メニューの代表「プリン・ア・ラ・モード」とフランス家庭料理の定番「オニオングラタンスープ」をいただきます。

「ブラッスリーの方に来ると、カフェとはまた違った雰囲気ですね。プリン・ア・ラ・モードというと昔ながらの喫茶店メニューというイメージですが、それをこの今どきなお店でいただけるというのがまず新鮮。舟形の器にアイスクリームとフルーツ、真ん中にプリンというトラディショナルなスタイル。硬めでしっかりと卵の風味が味わえる正統派のプリンでした。オニオングラタンスープはパンがたっぷり入っていて、もはやスープの域を超えたお食事として楽しめる一皿。トロトロの玉ねぎとチーズが濃厚でとても美味しかったです。スイーツの後にこのスープを挟んだら、また美味しくスイーツが食べられそう」(菊池さん)

カフェもブラッスリーも朝8時からオープンしているので朝食はもちろん、ランチに、ディナーにとさまざまな楽しみ方ができるお店。ブラッスリーでは焼き菓子の「ベイクワゴン」が出てくるアフタヌーンティー(予約制)も人気です。

取材を終えて

「最先端エリアの虎ノ門ヒルズで、クラシカルなあんバタートーストやプリン・ア・ラ・モードが食べられる。いい意味で奇をてらわず、ちゃんとした素材できちんと作ってこそ出せる美味しさ。天井が高くて開放的な空間に、窓際に沿ってテーブルが並んでいるテラス席のようなエリアでお客さんがゆっくりおしゃべりしている雰囲気が、海外のお店みたいだなって思いました。もし虎ノ門で働いていたら、ここで朝にあんバタートーストを食べてから仕事したいですね。パンとクレープなら子供も食べてくれるし気軽に入れる雰囲気なので、子連れで出かけたときに一息つける貴重なスポットになりそうです」(菊池さん)


RITUEL 虎ノ門 住所=東京都港区虎ノ門2-6-3 虎ノ門ヒルズ ステーションタワー 2F 電話=03-3528-8057 営業時間=【カフェエリア】平日・土=8:00~21:00(L.O.20:30)、日祝=8:00~20:00(L.O.19:30) 【ブラッスリーエリア】平日・土=8:00~23:00(L.O.22:00)、日祝=8:00~22:00(L.O.21:00)

profile

菊池亜希子|AKIKO KIKUCHI
1982年岐阜県生まれ。モデルとしてデビュー後、映画・ドラマ・舞台など俳優としても活躍。『菊池亜希子ムック マッシュ(VOL.1〜10)』(小学館)『へそまがり』(宝島社)『好きよ、喫茶店』(マガジンハウス)シリーズなど著作多数。現在、女性誌でコラム連載を執筆するほかinterfm「野菜をMOTTO presents スープのじかん。」でナビゲーターを務めるなど多彩な活動を行っている。最新作は雑誌「天然生活」での連載をまとめた『菊池亜希子の ありが10ふく、みせて!』(扶桑社・2025年3月27日発売)。持田香織さんや満島ひかりさんら豪華ゲストを迎え、私物についてトークを交わした大人のおしゃれ心をくすぐる一冊。

カーディガン¥69,300(リブ ノブヒコ/SELECT by BAYCREW’S/虎ノ門ヒルズ ステーションタワー2F・3F)、ワンピース¥49,500(ドゥーズィエム クラス)、パンツ¥35,200(サート/ともにミューズ ドゥ ドゥーズィエム クラス 虎ノ門店/SELECT by BAYCREW’S/虎ノ門ヒルズ ステーションタワー2F・3F)、シューズ¥77,000(アデュー/バウ インク)、その他スタイリスト私物

※ 2025年2月現在の情報となります。

※ 表示価格は全て税込価格です。