HOW TO BREW TASTY TEA

麻布台ヒルズ『TEAPOND』直伝! 家庭でできる、最高に美味しい紅茶を淹れる7つの法則

まだまだ暑い日々が続くこの時季。昼にはアイスティーで、また少し涼しい朝や夜にはホットティーで、とっておきの紅茶を淹れて癒されてみませんか? その奥深い世界を教えてくれるのは、麻布台ヒルズの紅茶専門店『TEAPOND』。リーフにティーバッグ——それぞれの楽しみ方、美味しい紅茶の淹れ方を伝授してもらいます。

TEXT BY TAKASHI TSUCHIDA
PHOTO BY HIDEHIRO YAMADA
EDIT BY TM EVOLUTION.INC

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1/4「アールグレイ ブルーバード50g」¥1,728(缶入り)。ベルガモットの香りに、オリエンタルな果実の香りと華やかな矢車菊をブレンド。高原産の紅茶をメインに、すっきりとした口当たりと甘くフルーティーな香りが、心地良い余韻を残す。透明感溢れる飲み口は、残暑厳しい日々のアイスティーとして最適。
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2/4「ミスティーマスカット50g」¥1,728(缶入り)。フレッシュで爽やかな味わいが魅力のヒマラヤ産の春摘み紅茶に、瑞々しいマスカットと清楚なジャスミンの香りを合わせた銘柄。熱湯の中で茶葉が広がり、茶液が美しいシャンパン色に変わる頃が飲み頃だ。フルーティーな香りのアイスティーとしても楽しめる。
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3/4「2024年 ダージリンセカンドフラッシュ リシーハット茶園 DJ-133 マスカテル 50g」¥2,376(缶入り)。正統派のダージリンの美味しさを届けてくれる「リシーハット茶園」の銘柄。黒い茶葉に所々に混ざるカカオブラウンの茶葉と象牙色の芯芽から抽出された茶液は栗色。味わいは比較的軽めで、程良い飲み心地。後味に夏摘みならではの飲み応えと甘い香りの余韻が残る。
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4/4『TEAPOND』では、定番柄の缶以外に、多彩な図柄を用意。追加料金 ¥108で、変更できる。

紅茶は、その豊かな香りと味わいで多くの人々に愛されている嗜好品。しかし同じ茶葉を使っても、淹れ方によって味が大きく変化することをご存知だろうか? 今回は、麻布台ヒルズで人気の紅茶専門店『TEAPOND』のスタッフが指南する美味しい紅茶の淹れ方を紹介する。この7つの法則を押さえるだけで、あなたのティーライフが格別なものになること間違いなしだ!

❶ 茶葉の量|抽出の濃さを左右するため、正しく計量

初めは、キッチンスケールを使うのがベスト。ある程度慣れてきたら、同じスプーンを使うことで目分量でもある程度正確な分量を計れるはず。

「茶葉の量は、紅茶の風味を左右する最も重要な要素のひとつです」と、『TEAPOND』スタッフは語る。美味しい紅茶を淹れるための第一歩は、多少面倒でも、茶葉の量を正しく計量することだ。『TEAPOND』では、180mlのお湯に対して2.5gの茶葉を使用することを推奨している。ただし、フルーツやハーブをブレンドしたフルーツティーの場合は、同じ180mlのお湯に対して4gを使用。これは、フルーツやハーブの風味をしっかりと引き出すためだ。

もちろん、個人の好みに合わせて量を調整しても構わない。基本の味わいを理解した上で、「自分の好みを探していただくのもお薦めです」と、スタッフは付け加える。茶葉ごとに好みの濃さを見つける作業も、楽しい紅茶時間に違いない。ちなみに、計量時にいつも同じスプーンを使えば、都度、キッチンスケールで計らなくても目分量でほぼ正確な目安がつく。

❷ お湯の質|ミネラルウォーターよりも、軟水の水道水を!

意外かもしれないが、ミネラルウォーターよりも水道水の方が紅茶との相性がいいそうだ。特に、浄水器を通した軟水が最適。日本の水道水は、そもそも軟水の場合が多いため、紅茶との相性が良く、香りはもちろん味わいがクリアになり、抽出色も綺麗になるという。

ちなみに、硬度の高いミネラルウォーターで紅茶を淹れると、味わいはマイルドになり、紅茶らしい渋みは抑えられる傾向に。そしてミネラル中の鉄分が紅茶の成分と結びつき、色は暗くなる傾向があるそうだ。

❸ お湯の温度|紅茶の風味を最大限に引き出す

沸騰したてのお湯を一気に注ぐ。お湯に含まれる酸素の量が、茶葉の抽出に影響するのだ。

紅茶の味わいは、使用するお湯の質にも大きく影響される。つまり、新鮮な沸かしたてのお湯を使用することが実は重要なのだ。「沸騰している状態のお湯に含まれる酸素の量が、紅茶の風味に影響を及ぼします」と、スタッフは説明する。『TEAPOND』では、500円玉程度の大きさの気泡が立つ程度に、沸騰した状態のお湯を使用することを推奨している。

つまり保温状態のお湯ではなく、沸かしたてのお湯を使うことが大切なのだ。沸かしたてのお湯に含まれる酸素が、紅茶の風味を最大限に引き出すためだ。

❹ 蒸らし|紅茶の味わいを深める重要なプロセス

蒸らし時間中も、お湯の温度が下がらないように工夫したい。最後、茶液の濃さを均一にするため、スプーンで軽くひと回しする。

茶葉が開くように蒸らしている間も、お湯の温度が下がらないようにすることが重要だ。ティーコジー(ポットカバー)を使用したり、ポットの下にマットを敷くなどして、ポットのお湯がなるべく冷めないように工夫したい。ちなみに『TEAPOND』では、ポットで茶葉を蒸らす間も、光プレートで保温している。お湯の温度が高いと、香りや風味が立ち上りやすくなるそうだ。

一般的な紅茶の蒸らし時間は3〜4分程度。タイマーで時間を測ると安心だが、タイマーが鳴った後に茶葉がポットにある時間が長いと、渋みにつながるので気をつけたい。ただし茶葉によって最適な時間が異なるので、パッケージに記された抽出時間の目安を参考にするのが良いだろう。

❺ 注ぎ分け|均一な味わいを楽しむコツ

複数カップに注ぐ際には、茶液が均一になるように注ぎ分けを気遣いたい。

複数のカップに注ぐ場合、濃さを均一にするための工夫がある。「1番目→2番目→3番目→2番目→1番目というように、一度に紅茶を注がず、分割して注ぐと、最後の方に濃くなった茶液を均一に振り分けることができます」と、スタッフはアドバイスする。この方法を念頭に置くことで、全てのカップで同じ濃さの紅茶を楽しむことができるだろう。

❻ ティーバッグの使用|手軽さと美味しさの両立

『TEAPOND』ではほとんどの種類をティーバッグでも用意している。しかも2個入りのシリーズ「TEA FOR TWO」(¥399〜)なら、初めての茶葉も気軽に試せる。

ティーバッグでも、上記の法則を押さえれば美味しく紅茶を淹れることができる。沸かしたての新鮮なお湯を使用し、蒸らし時間中はカップに蓋をして、香り・風味が逃げないようにすることがコツだ。

「カップ自体も、予め温めておくとより良いですね」と、スタッフは付け加える。ティーバッグは手軽さが魅力。これらのポイントを押さえることで、リーフティーに劣らない美味しさを楽しむことができるだろう。

❼ アイスティーと水出し|暑い季節を楽しむ紅茶の魅力

氷入りのグラスに注ぐ前に、数個の氷で一旦、液温を常温に戻す。そうすることで、濁らずクリアな色彩をキープできる。

暑い季節には、アイスティーや水出しの紅茶が格別だ。アイスティーを作る際も、ホットで淹れる際と同じ茶葉の量を使用するが、お湯の量は約半分(90〜100ml)。「蒸らした後、まずは少量の氷を入れて馴染ませ、一旦、常温に戻すイメージで冷やします。一気に冷やすのではなく、段階的に冷やすことでクリアな色合いを保つことができます」と、スタッフは説明する。

水出し紅茶の場合は、500mlの水に対して7gの茶葉を使用し、6〜8時間、冷蔵庫でゆっくりと抽出。「水出しは茶葉の甘みやマイルドさを引き立て、味のブレが少なく、クリアな見た目になります」と、スタッフは水出し紅茶の美点を語る。

以上7つの法則を押さえることで、家庭でも美味しい紅茶を入れることができる。個人の好みに合わせて調整し、楽しみながら自分にぴったりの紅茶を見つけてほしい。

紅茶専門店ティーポンド 

住所=東京都港区麻布台1-2-4 ガーデンプラザ C B1 麻布台ヒルズ マーケット 電話=03-5544-9939 営業時間=11:00〜19:00(L.O.18:30) 定休日=無休 ※QRコード決済、交通系IC、クレジットカード使用可

※2024年8月現在の情報です。
※表示価格は全て税込価格です。