SEAFOOD DISHES to try this summer

旬魚が楽しい夏到来!珠玉のシーフードディッシュ10選

鱧、鯛、鰹、牡蠣、まぐろ——。夏は、さっぱり美味しい魚貝がたくさん揚がる季節。魚好き必見、何をオーダーするか迷ってしまうほど、様々に楽しめるシーフード料理を揃えたレストランをご紹介します。

EDIT BY TM EVOLUTION.INC

❶ イタリアの潮の香りを感じるトラットリアは、新鮮な魚をお好きな調理法で——ボガマリ クチーナ メディテラーネア

「カルパッチョの盛り合わせ5種(3人前)」¥5,800。1週間熟成の高知県宿毛産イサキの皮目を炙り、赤茄子のピューレにのせたもの。玉ねぎのアグロドルチェを添えた三重県答志島産アオリイカ。レフォールわさび、スダチの皮、乾燥海ぶどうを添えた鰹。ガスパチョとグリーンペッパーの鱧。アンチョビケッパー、オリーブオイル、レモンなどでマリネしたサザエ。とそれぞれに味付けや付け合わせを変える凝ったカルパッチョ。

「タコのブジャーテ、ピリ辛トマトソース(1人前)」¥3,800。タコを使ったピリ辛のトマトソースのパスタ。トマトソースが絡んだねじりのあるシチリアのショートパスタ、ブジャーテとたっぷりのタコが好相性。タコの量も“多め”“少なめ”などと、オーダーできるのも嬉しい。

「キジハタのアクアパッツァ(4人前)」¥14,000。キジハタをメインにアサリ、ムール貝、ハマグリなど、ふんだんに使われた海の幸の出汁が旨味を醸し出すアクアパッツァ。酸味と甘みのあるドライトマトのソース、真水にクリーンな海水を加え、コクを出すのが特徴。メインの魚や貝の種類や取り合わせはスタッフと相談しながらじっくり決めよう。

三重、高知、宮崎を中心に日本全国から集められた旬の魚介。店内のショーケースに並べられたこれら海の幸から選んで、料理を作ってもらうのがこちらの店のスタイル。

シーフードをメインに据えたイタリアンの名店として有名な『ボガマリ』。北参道の本店は、魚介専門のトラットリア、一方麻布台ヒルズの開業と共にオープンしたこちらは、イタリアンを中心にしながらも、スペインなど地中海沿岸の国の料理のエッセンスをひと滴添える、というのがコンセプトだという。店名の『ボガマリ』とは、イタリア・サルディーニャ島の方言で「ウニ」のことだそうだ。まず店内に入ると、氷の張られたショーケースに様々な種類の魚や貝が並べられ、イタリアのメルカート(市場)や海岸を彷彿とさせる。個室一室を含む店内の席は落ち着いたヨーロッパ風の佇まい。「テラッツァ(テラス)」と呼ばれる店外に設けられた席は、屋内でありながら開放的な雰囲気が。食事の用途によって席を選べる点も使い勝手がいいと評判だ。

素人目にも鮮度抜群な主役の魚介は、常に10〜15種類がショーケースに並べられている。三重の答志島、高知の宿毛、そしてシェフの故郷から独自のルートで仕入れた宮崎の漁港で水揚げされたものを中心に、旬の海の幸がバリエーション豊かに取り揃えられている。魚に精通したスタッフのアドバイスを受けながら魚を選び、グリルやパスタなど好みの調理方法で様々な料理を提供してもらえることがこちらの醍醐味。そのためグランドメニューはないが、旬の魚を使ったベーシックなメニューは用意している。前菜はそのメニューから選び、お酒をいただきながら、お客様自身で選んだ魚で作られた滋味溢れるパスタやメインが出てくるのをゆっくりと待つ、という通なお客様も多いのだとか。

今回、ご紹介する料理はカルパッチョ、パスタ、アクアパッツァの3品。旬の鱧や鰹など5種のカルパッチョは、魚や貝の持ち味に合わせた、それぞれ夏らしい爽やかなソースでいただく。また「シチリア海岸の食堂で食べたマンマ特製の味が忘れられない」とオーダーしたタコのパスタは、渥美修一店長が機転を利かせてシチリアのご当地パスタ、ブジャーテを提案してくれた。また絶品のアクアパッツアの作り方を聞くと麻布台ヒルズ店のシェフ、島田氏が自ら席に来て教えてくれる心配りも。肉が主役になることはないが、彩り豊かな新鮮な魚、そして細やかで親切なスタッフ、2名在籍するソムリエが案内してくれる種類豊富なワイン、そして豪放かつ繊細な味の料理が魅力的な一軒だ。

ボガマリ クチーナ メディテラーネア 住所=東京都港区麻布台1-3-1 麻布台ヒルズ タワープラザ 3F 電話=03-5797-7285 営業時間=11:30〜15:00(L.O.14:00)/17:30〜23:00(フードL.O.21:30、ドリンクL.O.22:30) 定休日=無休 ※料理の価格はあくまで目安。セレクトする魚や時季によって変わります ※各種電子マネー、交通系IC、各種クレジットカード利用可


TEXT BY AKIRA TANAKA
PHOTO BY RIKU FUJIWARA

❷ キラキラと輝く海の宝石を日本ワインで楽しむ至極のイタリアンダイニング——虎ノ門ARBOL

生牡蠣、サーモンのミキュイ、真鯛のカルパッチョ、白はまぐりのレモンマリネ、甘エビのマリネ、ウニとトウモロコシのフラン、いくらの升寿司、7種の「オーシャンプレート」¥3,800。

アサリ、エビ、ムール貝を使った、五島列島鮮魚たっぷり「ペスカトーレ」¥1,800。オイルベースか、トマトソースかを選ぶことができる。

ケールとシラスを使ったモッツァレラチーズのマルゲリータ「パーネカラサウ」¥1,200。パーネカラサウは、イタリア・サルディーナ島の極薄パンのこと。そこに、その日届いた魚介や野菜を乗せて。

神楽坂にある予約が取れない一軒家レストランとして知られる『ARBOL(アルボール)』の2号店として誕生したのが、『虎ノ門ARBOL』。「Ocean to Table」をテーマとする虎ノ門店は、実家が寿司屋というオーナーシェフの古田 崇氏が自ら訪ね歩いた漁港から直送される新鮮な海鮮が何よりの魅力。

主に、長崎の五島列島や愛媛の宇和島などの漁港から直送されているものを使用しており、その日届いた一番美味しい魚介を使って料理が提供されている。中でも、ここに来たら是非注文して欲しいのが、新鮮な海鮮を使った前菜7種のシグネチャー料理である「オーシャンプレート」。そのままでも十分に美味しい旬の海鮮を、様々な調理法によって海鮮の甘みや旨味をさらに引き出していく、まさに至極の一品である。

ほかにもパスタやリゾット、アヒージョやカルパッチョ、季節の魚介のパエリアなど、海鮮の美味しさを存分に楽しめるメニューが満載。それらの料理を引き立ててくれるのが、日本全国の蔵元から厳選された日本酒やワイン、シャンパーニュの数々だ。お薦めは、宝山シリーズをはじめとする本格焼酎の蔵元「西酒造」が、ニュージーランドで運営するワイナリーの「グラッドストーン・アーラー」のスパークリングワインや白ワイン。オーガニックで栽培されたソーヴィニヨンブランの爽やかな味わいは、海鮮料理にもぴったりの味わい。嬉しいことに、2時間制の飲み放題付きディナーコースプラン(¥6,000・¥7,000・¥8,000)もあるので、気心の知れた仲間と心ゆくまで楽しい時間を過ごしてはいかがだろう。

虎ノ門ARBOL 住所=東京都港区虎ノ門1-23-3 虎ノ門ヒルズ 森タワー 2F 電話=03-6257-1145 営業時間=11:00~15:00(L.O.14:30)/17:00~22:00(L.O.21:00) ※各種電子マネー、交通系IC、各種クレジットカード利用可


TEXT BY YUKO TANIGUCHI
PHOTO BY HIDEHIRO YAMADA

❸ ミシュランシェフの逸品をカジュアルに味わえる店——Äta 虎ノ門

人気No.1メニューの「まぐろのうなじ」¥1,200。まぐろの脳天や頬の身を軽くソテーして、シェリービネガーと塩胡椒で味付け。パルミジャーノを乗せてサラダ菜で巻いていただく。とろけるような味わいにリピーターが続出。

前菜7種の盛り合わせ「渚のアフタヌーンティー」¥3,700(2人前)は要予約(コースメニューの「横丁セット」には含まれる)。季節の食材を使うため、3種ほどメニュー変更になることも。

基本の4種。(右から時計回りに)アナゴのテリーヌ、生ガキ、ブイヤベースで炊き込んだイカ飯、キャロットラペ。

(右上から時計回りに)ムール貝の白ワイン蒸し、セウタ(イカの肝を使ったグラタン仕立て)、エビのグリルと有機野菜のアイオリソース。

虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー3階にある複合型飲食ゾーン「虎ノ門横丁」。名店が軒を連ねるフロアの一角に、フレンチビストロ『Äta 虎ノ門』がある。ミシュラン1つ星を獲得した『au deco』の掛川哲司シェフが手掛けるこの店は、“ヨーロッパの港町にあるビストロ”をコンセプトにしたメニューで大人気となった代官山『Äta』の2号店。”予約の取れない店”の逸品をオープンスペースで気軽に味わえる。

中でも、オーダー必須なのが、虎ノ門店の限定メニューとなる「渚のアフタヌーンティー」(要予約)。生ガキやアナゴのテリーヌなど、季節の魚介類を使った7種類の料理がアフタヌーンティーのスタンドで提供される演出は、舌だけでなく目も十分に楽しませてくれる。「新潟カーブドッチ・ワイナリー」を初めとした日本ワイン、ナチュラルワイン、クラフトビールなど、料理に合う酒類も豊富だ。

料理長の酒井 優氏が手際よく調理していく様子を見られるのもカウンター席の楽しみのひとつ。横丁の雰囲気に合うインテリアの店内は16席。虎ノ門ヒルズという場所柄、海外からのゲストも多い。店名の『Äta 』は、スウェーデン語で「食べる」という意味だという。横丁の活気溢れる雰囲気の中、こだわり抜いた食材から生まれた至高のメニューを堪能したい。

Äta 虎ノ門 住所=東京都港区虎ノ門1-17-1 虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー 3F 虎ノ門横丁 電話=03-6811-2529 営業時間=平日15:00~23:00(L.O.22:00)、土・祝12:00~23:00(L.O.22:00) 臨時休業=日曜 ※各種電子マネー、交通系IC、各種クレジットカード利用可


TEXT BY HIROMI UETA
PHOTO BY AKIKO SATO

※2024年7月現在の情報です。
※表示価格は全て税込価格です。