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帰りは桜散歩で締める——“小さな集まり”に最適な、プライベート感に満ちた3店

4月は何かと食事会の多い季節。小さな歓送迎会や打ち上げ、バースデーにお祝いの席——様々な集まりにぴったりな、ヒルズのプライベート感溢れるお店をご紹介します。満腹になった後は、ヒルズの桜スポット散策をどうぞ。

TEXT BY AKIRA TANAKA
EDIT BY TM EVOLUTION.INC

❶ 使い勝手のいい絶品豚肉イタリアンは、気の置けない方々とのお集まりに——YOTTERIA GAKU Terrazza

「ブッラータチーズとチェリートマトのサラダ 雲丹乗せ」¥3,200。雲丹とチーズ、それぞれのクリーミーさが渾然一体となった贅沢な前菜。

「豚トリッパのアラビアータのリガトーニ」¥1,700。国産のフレッシュなトリッパを使用したアラビアータソースを食べ応えのあるショートパスタと共に。

「イベリコ豚肩ロースのロースト サルサヴェルデと季節野菜」¥3,200。熟練の職人技で仕上げたイベリコ豚のローストを酸味の効いたパセリのソースで。

アークヒルズの見事な桜。食事の前、食後の散歩には最適の壮観な並木道だ。

イタリア人は、豚肉をよく食べる国民らしい。なるほど生ハム、サルシッチャ、ポルケッタなどよく知られたイタリアの豚肉料理は多い。イタリアでの修業時代、そうした多彩な料理に魅せられ、豚肉料理を得意とするトラットリアとして大阪で名を馳せた『Yotteria Gluee』の小林 岳シェフ。その小林シェフが満を持して昨年、アークヒルズにオープンしたのが、『Yotteria GAKU Terrazza』だ。開放感のあるアーク・カラヤン広場を臨む店内は、外国の田舎の家に招かれたような素朴な寛ぎ空間が広がる。

アクセスが良い都会ながら喧騒を感じさせない、落ち着きのあるカジュアルな雰囲気は、気の置けない方々との集まりにぴったりだ。もっと「プライベート感」を希望であれば室料無料の12名様まで入れる個室や、これからの陽気のいい時季に気持ちのいいテラス席もお薦め。店では是非、イベリコ豚や四万十ポークなど、料理に合わせて産地を使い分けた自慢の豚肉料理を堪能したい。今回ご紹介する料理は、特に人気の高い3品。前菜はボリューム感のある定番前菜「ブッラータチーズとチェリートマトのサラダ 雲丹乗せ」、冷凍ではなく新鮮な生のトリッパを使用したパスタ「豚トリッパのアラビアータ」。豚肉の臭みは一切なく、穴の大きなリガトーニにソースがたっぷりと絡んだ人気のひと品だ。またメインの「イベリコ豚肩ロースのロースト」は、豚肉の火入れの塩梅は言うまでもなく、ビネガー、ケッパー、アンチョビ、チーズなどを加えた美しい緑の爽やかなパセリソースで、コクのある豚肉がすっきりと食べられる。ボリューム感があり2〜4名様向けとのことだが、酸味のあるソースが食べ疲れせず、最後まで美味しくいただけるごちそうだ。

お集まりには、¥5,500の「パーティプラン」もおすすめ。前菜盛り合わせや、生ハムサラダ、トリュフ塩のポテトフライ、パスタ、メインなど全5品がつく。メインは豚肉以外で、という場合も、牛肉や鴨など事前に相談すればフレキシブルに対応してくれる。さらにプレミアムモルツ香るエールなど2時間飲み放題もついてこの価格だ。希望であれば持ち込み料¥3,000 でBYOも可能。また、楽しいお集まりには、ついつい時間を忘れ、長居をしてしまうことも。そうした場合、混雑時期でなければ、1名あたり¥500で30分の飲み放題延長もできるという粋なシステムもあるそう。そろそろお開きという頃には、別料金ながら店自慢の季節のデザートも是非、試してみたい!

YOTTERIA GAKU Terrazza 住所=東京都港区赤坂1-12-32 アーク森ビル 2F 電話=03-5544-9277 営業時間=11:30〜15:00(L.O.14:30)/ 17:00〜22:30(L.O.21:30) 定休日=無休 ※各種電子マネー、交通系IC、各種クレジットカード利用可


PHOTO BY HIDEHIRO YAMADA

❷ 上品だけどがっつり! 話題の肉ビストロでの集いはお腹も心も大満足——BISTRO & CAFE LOUNGE LA BOUCHERIE

「ボリューム! 虎ノ門トルコライス」¥1,980。約200gのごはんの上には、鳥の唐揚げ、ナポリタン、デミグラスソースのハンバーグ、牛リブロースのステーキが。ボリュームもさることながら、「大好き!」が何種類もトッピングされていて「大人のお子様ランチ」さながら。

「肉屋のボロネーゼ&ミートボールパスタ」¥1,500。たっぷりのスパゲティ、たっぷりのミートボール、コクと芳醇のミートソース。肉好きのための至福のパスタ。お店で食べるパスタに物足りなさを感じる方は、是非一度お試しを!

「牛サーロインステーキ カフェ ド パリ」¥3,800。パリの街角にあるビストロ料理といえば、これを思い出す方も多いはず。ボリュームのある250gのサーロインをニンニクの効いたバターソースでシンプルに味付け。付け合わせはもちろんたっぷりのフレンチフライが鉄板。

「虎ノ門ヒルズ」に広がる桜満開のオープンデッキは、気分も最高。ほろ酔い散歩にちょうどいい。

昨年、地下鉄「虎ノ門ヒルズ」と一体化した駅前広場直結のグリーンにつつまれた900坪の中庭、「T-MARKET」。開放感があり、様々なレストランなど食の店が立ち並ぶ一画にあるのが『ビストロ&カフェラウンジ ラ・ブーシェリー』だ。ブーシェリーとはフランス語で「肉屋さん」の意。その名の通り、落ち着いた雰囲気のラウンジ感のある店内では、厳選された牛、豚、鶏、鴨、羊といった様々な肉を用い、トレンドを加えた調理で、旬の美味を追求、洗練された肉料理を提供している。数年前、肉ビストロブームの火付け役となった銀座の名店のシェフがプロデュースした店で「色んな肉をエレガントに食い尽くす」がコンセプトだ。

ランチは、男女問わず近隣のワーカーや買い物客が「ボリューム! 虎ノ門トルコライス」¥1,980、「肉屋のボロネーゼ&ミートボールパスタ」¥1,500などボリュームたっぷりの肉料理を堪能している。夜はしっかりと肉を食べたい方やカップルが、お酒と共にディナーを楽しんでいる。“もうちょっと話足りない”、“もうちょっとお酒を”という方には、隣接する系列店のウイスキーバーへと店内から流れることができる。肉に注力したラウンジ風のビストロから、さらりとシックなバーへと移れる利便性のあるスマートな導線はなんとも粋なディナーである。ビストロのメニューをバーで、バーのメニューをビストロでオーダーできるシステムもあり、通のお客様にはそうしたサービスも人気だ。

当然、食通や、肉好きの食いしん坊に人気が高いこちらは、ワーカーの歓送迎会はもちろん、“肉食女子”のグループ会にも、焼肉とは違うお洒落な雰囲気と洗練された肉料理で昨年11月のオープン以来人気急上昇中だ。お集まりのメニューはもちろん、アラカルトでもオーダーできる。また事前に相談すればコースのアレンジも利くが、迷ったら2時間飲み放題付きのローストチキン&フライドチキンをメインとした¥5,000と、様々な肉を盛り合わせた¥7,000のコースがお薦めだ。どちらも肉料理だけでなく、鮮魚のカルパッチョやシーザーサラダ、箸休めのガルニチュールなども組み込まれていて、ひと皿のボリュームや食材のバリエーションも言うことなし。アラカルトをオーダーするグループには、スパークリングワインのフリーフロー¥1,680や、比較的手頃なものが揃うボトルワインも好評だ。適度な広さの落ち着くインテリアの店内は、リラックスできる友人や同僚などスモールなお集まりにちょうどいい。

BISTRO & CAFE LOUNGE LA BOUCHERIE 住所=東京都港区虎ノ門2-6-1 虎ノ門ステーションタワー B2F T-MARKET 電話=03-6205-4129 営業時間=平日・土11:00〜15:00(L.O.14:00)/17:00〜23:00(フードL.O.22:00、ドリンクL.O.22:30)、日・祝11:00〜15:00(L.O.14:00)/17:00〜22:00(フードL.O.21:00、ドリンクL.O.21:30) 定休日=無休 ※各種電子マネー、交通系IC、各種クレジットカード利用可


PHOTO BY KIPPEI MITSUYA

❸ モダン空間で素朴な和のごちそうに舌鼓。早い時間のお集まりにも!——酢重 Indigo

「海老と野菜の天ぷらそば」(冷・温)¥1,800。がっつり食べたい方に昼夜問わず好評なひと品。むっちりとした蕎麦の噛み応えは病みつきに! と、極太の田舎蕎麦のファンも多い。

「おつまみ盛り合わせ」¥858。信州産の花豆蜜煮、大場とブラックペッパーがアクセントになったクリームチーズのお浸し、味噌にオリーブオイルがかかっており、粋な組み合わせが楽しいドライトマトの青唐辛子味噌和え。信州の地酒とも好相性。

串焼きは、「信州のニンニク醤油だれ」や、伝統ある酢重の「白こがね味噌」に青唐辛子、赤唐辛子、山椒などで辛みをピリリとアクセントにした味噌だれで。

帰りは、ちょっと寄り道して満開の桜が見事な「アークヒルズ」でひと息。夜のライトアップも美しい。

地下鉄の通路から「虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー」の入り口から入ってすぐの『酢重 Indigo』。アクセス抜群ながら、うっかりすると見逃しそうになるエントランスは、他の店が集まるエリアとは一線を画し、ビルの中ながら一軒家レストランのような落ち着いた隠れ家的存在だ。店内はインディゴブルーを基調としてほの暗く、モダンな空間が広がる。江戸期、文政10年に信州・小諸で味噌蔵として創業した「酢重」は、味噌や醤油で庶民の食文化を支えてきた老舗。それから約200年、数々の変遷を経て、現在は初代当主「重右衛門正之」の名を継承し、「酢重正之」として軽井沢で営業している。そして長年愛され続けた味噌をはじめ、発酵調味料などを使って滋味豊かな料理を提供するのがこの『酢重 Indigo』だ。

昼時ともなれば、ウェルネスに対して意識の高いワーカーなどに、美味しさとボリューム、健康的と三拍子揃ったランチなどが人気。ランチ限定で、半熟卵天、キンメ天、エビ天、イカのかき揚げ天などが満載の「半熟卵と海鮮天丼」や、昼夜を問わず人気の「酢重」の黒酢を使った『黒酢いなり』などなど。特に一度はトライしたいのが、「酢重」のふる里、長野のお年寄りが食べていたという噛み応えのあるごく太の田舎打ち麺を、店独自のかえしや出汁で丁寧に作られた香り高いつゆでいただく蕎麦のメニュー。画像の豪華な「海老と野菜の天ぷらそば」のほか、大人気の「とり辛味そば」(冷・温)¥1,300から、「パクチーココナッツカレーそば」(温)¥1,350といった変わりダネまで種類も豊富だ。

夜はワーカーの歓送迎会をはじめ、ちょっとしたお集まりに、気の利いた店として是非活用したい。通し営業のため、早めの夕方にスタートして、早く帰宅したい主婦同士の集いなどにも重宝がられている。こちらの店ではあえて宴会用のコースは用意されていない。その代わり予算や人数、好みを伝えればコース仕立てにカスタマイズしてくれる。例えば、「4名でのドリンク別でひとり¥4,000の予算、美味しいものを品数豊富に食べたい!」と伝えれば、画像の「おつまみ盛り合わせ」から、「鴨ささみの焼き浸し」「特製味噌を使ったとり串」など単品メニューから10品ほどを選びレディーメードしてくれるという具合だ。また、あえて飲み放題は設定していないが、ドリンク類にも注力している。例えば生ビールは「シャープ注ぎ」「マイルド注ぎ」各¥700というように注ぎ方を選べ、味わいの変化を楽しめる工夫も。それ以外にも、「蕎麦茶ハイボール」¥748は、そば茶の実を漬け込んだ通称「だるまウイスキー」で親しまれている「サントリーオールド」を使うなど、ほかではあまり見かけないお酒も。3月下旬からテイクアウトも開始。ランチがお蕎麦と天丼、夜はお蕎麦のテイクアウトができる。お花見散歩のお供に、いかがだろうか。

酢重 Indigo 住所=東京都港区虎ノ門1-17-1 虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー B1F 電話=03-6811-3202 営業時間=平日・土 11:00〜22:30(L.O.21:30)、 日・祝11:00〜18:00(L.O.17:00) 定休日=無休 ※各種電子マネー、交通系IC、各種クレジットカード利用可


PHOTO BY KIPPEI MITSUYA

※2024年4月現在の情報です。
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