国内最大級の日本酒イベント「CRAFT SAKE WEEK at ROPPONGI HILLS 2023」が、4年ぶりに六本木で開催。全国から厳選された100の酒蔵と人気レストラン15店が、六本木ヒルズアリーナに集結する。開催初日、お酒をこよなく愛するフリーアナウンサーの宇賀なつみさんが参加し、ここでしか体験できない時間を楽しみました。
TEXT BY YUMIKO IKEDA
PHOTO BY NORIO KIDERA
STYLING BY WAKIKO KONDO
HAIR & MAKE-UP BY HITOMI AKIYAMA
EDIT BY AI SAKAMOTO
「待ちに待った開催でとっても楽しみ! どの蔵から攻めていこうかと、訪れる前からあれこれ想像していました(笑)。人気レストランのメニューを味わえるのも、このイベントならでは。日本酒とエスニック料理を合わせることって、なかなかないですよね。わくわくするっ!」
2016年にスタートした「CRAFT SAKE WEEK」は、六本木では今回が5回目の開催。4月21日(金)から30日(日)まで10日間にわたる、日本酒ラヴァー&グルマンに垂涎のイベントだ。オーガナイザーは、JAPAN CRAFT SAKE COMPANYの代表を務める中田英寿さん。六本木のほか、博多や仙台でも開催し、これまで60万人以上を動員している。
日本全国にある1,400以上の酒蔵の中から、中田さんや日本酒の専門家に加えて、シェフやソムリエ、一般の人などを含む約100人が100蔵を選出。期間中は毎日テーマを設定し、日替わりで1日10蔵が出店する。訪れるたび、新たな味に出合えるのがこのイベントの醍醐味。初日は、「AWA SAKEの日」のテーマに合わせて、二次発酵による自然な味わいのスパークリング日本酒がラインナップした。
六本木ヒルズアリーナに到着した宇賀さんは、まずオリジナル酒器グラスと、飲食用のコイン11枚がセットになったスターターセットを購入。いざ、会場へと突入する!
「なによりうれしいのは、外でのイベントってこと。空が見えて開放感もあって気持ちがいい! 今日みたいにカラッと晴れた日は、スパークリング日本酒がおいしいですよね」
どの酒蔵にするか迷いつつ、まず向かったのは福井県「黒龍酒造」のブース。選んだのは「ESHIKOTO AWA 2020 Extra Dry」だった。
「シャンパーニュと同じ瓶内二次発酵製法でつくった日本酒。キリッとドライな口当たりが特徴です」と8代目当主の娘さんが教えてくれた。
「さっぱりとしていてすがすがしい~。今日みたいな爽やかな日にぴったり! スルスルッと飲めるので、あっという間に1杯飲み干してしまいました(笑)。次も発泡系を攻めたい気分です!」
日本酒の注文は、蔵元がいるブースに出向いて行うほか、ボトルをもって会場内を巡回している唎酒師にオーダーすることも可能。2杯目に宇賀さんが選んだのは、岩手県「南部美人」の「南部美人あわさけスパークリング」。こちらも瓶内二次発酵でつくったスパークリングだ。
「おいしい~。旨みと甘みがしっかりしているの。何かつまみたくなってきましたね。フードを合わせるなら軽やかな味わいのもの、ベトナム料理なんかと相性がよさそう」
日本酒単体はもちろん、和食やイタリアン、ベトナミーズなど、さまざまなジャンルの料理とのペアリングを楽しめるのがこのイベントの醍醐味。ミシュランの星付きレストランや、予約困難な店など15店舗が期間中5店舗ずつ入れ替わる形でスペシャルメニューを用意する。
向かった先は、外苑前にあるベトナム料理店「Ǎn Di(アンディ)」のブース。店先のメニューを見ながら、「ハーブと季節野菜の海老生春巻き」をオーダーする。
「野菜がたっぷりと巻かれていて彩りがきれい! しば漬けとオクラを使っているのがユニーク。日本酒との相性を考えて工夫されていますね。新感覚の組み合わせですが、違和感なく日本酒が進みます」
続けて、青森県「八戸酒造」の「陸奥八仙8000 DRY SPARKLING 2019」に挑戦する宇賀さん。県産米だけを使い、すっきりとした味わいに仕上げた一杯だ。
「口にした瞬間は力強くインパクトがあるのに、後味はスーッとひいていきますね。唎酒師さんがおっしゃっていた通り、甘くないのに華やか。日本酒のイメージが変わる風味に驚かされます」
次から次へと酒蔵を替えて杯を重ねてさらに1杯。長野県「宮坂醸造」の「真澄スパークリング」をチョイスする。
「酸味と甘味のバランスがいい! しっかりとした味わいなので、食中酒として飲みたいですね。生ハムのようなちょっと脂っけのあるものや、スパイシーな肉料理がぴったりきそう」
そう言いながら、宇賀さんがセレクトしたのは、長野県上伊那郡にある、1日1組限定のタイ料理店「GUUUT」の「天龍牛のスパイス煮込み 山菜香味油」。
「モツやスネ肉をスパイスとハーブでじっくりと煮込んであって香り高い。仕上げにかけた、山菜香味油の風味もいいですね」
明るい時間に訪れて、5つの酒蔵の日本酒に、2つのレストランの料理、そして、たまり漬けチーズなどのおつまみ2品を合わせて過ごした宇賀さん。まだまだ飲んでつまめそうですが、イベントに参加した感想はいかがですか?
「局アナ時代からなじみのあった『CRAFT SAKE WEEK』が開催されることを心待ちにしていました。都会のど真ん中・六本木にいながら、こんな開放的な空間で大好きなお酒を飲めることが幸せ。やっと、大きな声で“乾杯”と言える日が来たのがうれしいですね。参加している皆さんの笑顔もいい!」
全国から選りすぐりの酒蔵が集結するだけでなく、1日ごとに蔵の顔ぶれが変わるので、訪れる度に新たな日本酒と出合える喜びも。
「日替わりで10蔵、10日間で100の酒蔵が登場することそのものが豪華。日本各地の酒蔵巡りを一気にできるのが、このイベントの魅力ですね。しかも、蔵元がその場で日本酒の説明をしながら注いでくれるので、おいしさも格別! これこそ、リアルイベントのよさだと思います」
飲むことだけではなく、“食”に力を入れているのもポイント。和食に限らず、日本酒に合わせた、幅広いジャンルのペアリング提案もユニークで気に入ったという。
「日本酒とイタリアンやエスニックを合わせるのは、自分だったら思いつかない。家飲みの参考にもなりました。なかなか予約が取れないお店の味を、気軽に試せるのもうれしい。日本酒好きはもちろん、あまり飲み慣れないも人も楽しめる場だと思います」
イベント後半戦も、地域を限定した酒蔵が登場する「中国・四国の日」や、多くのシェフから愛される日本酒を集めた「CHEFS CHOICEの日」など、ユニークなテーマごとに10蔵がそろい踏みする。
二度、三度と足を運びたくなるイベントも残りわずか。ゴールデンウィーク前に、酒蔵&名店巡りを楽しみに六本木に出かけてみてはいかが?
宇賀なつみ|Natsumi Uga
1986年東京都生まれ。2009年立教大学社会学部卒業後、テレビ朝日入社。『グッド!モーニング』『羽鳥慎一モーニングショー』など、情報・バラエティー番組を幅広く担当する。2019年フリーランスに転向。テレビ朝日『池上彰のニュースそうだったのか!!』、関西テレビ・フジテレビ系『土曜はナニする!?』にレギュラー出演中。TOKYO FM『SUNDAYʼS POST』、TBSラジオ『テンカイズ』ではラジオパーソナリティも務める。初のエッセイ『じゆうがたび』(幻冬舎)が好評販売中。
※2023年4月現在の情報となります。
※表示価格は全て税込価格です。
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