すっかり春めいてきた今日この頃。スイーツの世界では、やっぱりいちごが主役に。今年も、各店各様趣向を凝らした、美味しくて可愛い、魅惑的ないちごスイーツの数々をご紹介します。
EDIT BY TM EVOLUTION.INC
❶ いちごとミルクの大饗宴。一年分のいちごを、今日ここで、食べ尽くす
——ANAインターコンチネンタルホテル東京
可愛らしい造形のスイーツたちのオンパレード!! でも、スタンド・プレゼンテーションはあくまで「ANAインターコンチネンタルホテル東京」らしい、シックの極み。大人が楽しめるキュートなアフタヌーンティーとなっている。
注目したいのが、右端の「リコッタチーズとドライフルーツのカッサータ風」。リコッタチーズにホイップクリームを合わせ、ドライストロベリーとオレンジコンフィでシャープな酸味をプラス。アイスケーキをイメージした冷たい食感が特徴だ。
食べるのがもったいないくらいの可愛らしいフォルム! 左/「ストロベリーとホワイトチョコレートのチョコレートコーン」。右/「ストロベリーとマスカルポーネチーズのチョコレートカップ」。
「ストロベリーとジャージー牛乳のシュークリーム」は、クッキーシューまで、真っ赤! 大粒いちごがまるごとひと粒入っていて、いちごの酸味がジャージー牛乳で作ったコクのあるクリームを引き立てる。
いちごのピューレを練り込んだチーズケーキ。甘酸っぱい風味が口中に広がり、満足感たっぷり。「ストロベリーとクリームチーズのベイクドチーズケーキ」。
セイボリーまでいちごづくし。右から2番目の「とんかつバーガー」は、赤いパン粉をまぶして揚げたとんかつに、ストロベリーと紫マスタードのソースを添えている。食事メニューもこれだけあれば、ボリューム満点。アフタヌーンティーとはいえ、ランチや夕食代わりにもなる。
コロナ禍で始まった詰め合わせのテイクアウト(スイーツ9種類、セイボリー3種類 ¥3,000)は、今回も提供。アフタヌーンティーと同じアイテムから選り抜いている。前日までに要予約。
「ANAインターコンチネンタルホテル東京」2階の『アトリウムラウンジ』にて提供される大人気企画「ストロベリー・アフタヌーンティー」。ここ数年で、多くのラグジュアリーホテルがいちごにまつわるアフタヌーンティーイベントを開催するようになったが、「ANAインターコンチネンタルホテル東京」のいちご企画は、ひと味違う。今年のテーマは、なんと“いちご×ミルク”なのだ! 言われてみれば、「あっ!」と気づく、これまでのいちご企画ではなかった切り口である。もちろん、いちご×ミルクと言っても、単なる牛乳ではないところがポイント。発酵バター、マスカルポーネチーズ、ジャージー牛乳など、あらゆるプレシャスな乳製品が様々なアレンジで登場し、いちごの甘酸っぱい風味との華麗なる饗宴を果たしている。
ところでこのイベント、5月31日までと開催期間がとても長いが、時期ごとに、旬の産地からベストのいちごが届くように手配されている。したがって、いつ訪れても、美味しいいちごを存分に味わえるというわけだ。
ちなみに今年のメニューは、スイーツ12種類、セイボリー5種類で1人分。加えてウェルカムドリンクと、25種類のソフトドリンクがフリーフローとなっている。おそらく、フリーフロードリンクの豊富さでも、「ANAインターコンチネンタルホテル東京」のアフタヌーンティー企画はトップランクだ。2フロア吹き抜けの開放的な雰囲気の中で、大人のキュートな“いちご×ミルク”を、存分に味わってみてはいかが?
ANAインターコンチネンタルホテル東京住所=東京都港区赤坂1−12−33 電話=03-3505-1185(レストラン予約) ※「ストロベリー・アフタヌーンティー」開催期間=~2023年5月31日 開催時間=11:00〜17:00(最終入店※2時間制) 価格=1名につき¥6,800(税・サービス料込) 定休日=無休 ※各種クレジットカード利用可
TEXT BY TAKASHI TSUCHIDA
PHOTO BY DAISAKU NISHIMIYA(NDPP.)
❷ 貴重な古都華(ことか)いちごを贅沢に使い、春の味わいを演出!
——SPROUT Café さくら坂
『SPROUT Café さくら坂』の春バージョンの「古都華いちごのパフェ」¥2,200。トップには桜の花を型どったクッキー、桜の葉っぱの香りを移した牛乳で作ったチェリー入りのミルクソルベ、古都華いちごのソルベがのる。古都華いちごのスライスを挟み、クランブルやビスキュイ、生クリームで食感の変化を味わった後に出てくるのはプリンと苺風味のカラメルソース。プリンはトンカ豆で桜風味に演出されている。桜餅を思わせる塩味があるミルクソルベと古都華いちごのソルベ、古都華いちごそのものを三位一体で味わうと、まさに春。
古都華いちごを贅沢に使った「古都華いちごのショートケーキ」¥1,100。ジェノワーズ(スポンジケーキ)に使うコクのある卵は青森県・下北半島から取り寄せている。古都華いちごの味が最高に引き立つよう、生クリームのパーセンテージを調整していくという。
シンプルに古都華いちごと牛乳だけで作られた「古都華いちごのスムージー」¥880。この1杯に大粒の古都華いちごが4〜5個使われている。ふわふわに泡立てられた軽い飲み心地で、パフェやケーキなどとも合う。
六本木ヒルズのミシュラン星付きの名店『ラトリエ ドゥ ジョエル・ロブション』の立ち上げメンバーだった3人の女性が、2019年春にオープンしたカフェ『SPROUT Café さくら坂』。旬のフルーツ素材を活かし、その季節しか味わえないスイーツを提供している。その『SPROUT Café』で、オープン年の春から店の看板的なフルーツのひとつとして使っているいちごが奈良県の『中井農園』から直送される「古都華(ことか)いちご」だ。いちご本来の美味しさを引き出すため、有機肥料などで土作りされた土壌で丁寧に栽培されている。
「古都華いちごは糖度と酸味、どちらも高めでバランス良く、身がしっかりしています。果皮の赤色の鮮やかさだけでなく、切った断面にも赤みがあって、スイーツ素材として最高のいちごなんです。ただ、貴重ないちごで東京ではほとんど出回っておらず、私も存在を知りませんでした。『SUGALABO』の方に教えてもらい、知ることができました」とシェフ・パティシエの吉田順子さんは話す。
古都華いちごが『SPROUT Café』に入荷するのは毎年11月後半から4月末頃まで。その時期以外は、苺メニューもなくなる。「特にいちごの最旬である3月、4月は古都華いちごもより美味しくなります。春向けの『古都華いちごのパフェ』は桜の花びら型クッキーや、桜の風味をイメージさせるトンカ豆で香りづけした牛乳でプリンを作り、ベースに入れて季節を表現しています。上にのっている古都華いちごのソルベも、いちごそのものをギュッと凝縮した味わいです。是非、旬の古都華いちごを味わっていただきたいです」と吉田さん。写真で紹介したパフェ、ショートケーキ、スムージー以外にも、古都華いちごのフルーツサンドやタルトもあり、旬のうちに味わいたいメニューだ。
SPROUT Café さくら坂住所=東京都港区六本木1-3-37 アークヒルズアネックス 電話=03-6229-3690 営業時間=11:00〜17:00 定休日=火曜 ※交通系IC決済、各種クレジットカード利用可
TEXT BY TAKESHI KONISHI
PHOTO BY DAISAKU NISHIMIYA(NDPP.)
❸ 色々な品種のいちごを大福で食べる幸せ!
——麻布十番庵
あまおうの「苺みるく大福」¥410〜594(いちごのサイズによって変動あり)。あまおういちごをベルギー産のホワイトチョコレートと生クリームを練り込んだこしあん、そして手作りの柔らか求肥でくるんだいちご大福。ころんしたフォルムにいちごのてっぺんの赤が求肥に透けてかわいい。
スカイベリーの「苺みるく大福」¥410〜594(いちごのサイズによって変動あり)。香り高く大粒の品種スカイベリーは白あんベース。あまおうと同様、ベルギー産のホワイトチョコレートや生クリームを練り込んだあんを使用。
いちごの品種によってあんを変え、品種ならではの香りや旨味を最大限に生かす。右がスカイベリーで左があまおう。品種は日替わり。生産地を変えることで、旬のいちごを使い12月〜7月までの長い期間、店先に並ぶのも嬉しい。
「いちご大福は、いちごとあんと求肥が三位一体。いちごが好きでない方にも、求肥が苦手な方にも、美味しく食べていただけるように願いを込めてひとつひとつ、丹精込めて手作りしています」と話すのは、絶え間無く客が出入りする店を忙しく切り盛りする『麻布十番庵』の女将、山下有香子さん。地下鉄麻布十番駅を出てすぐの、商店街の一角に佇む店は、古くからこの地にあるような印象を受けるが、創業してから来年で10周年。意外にも新しい店であることに、初めて訪れる人は、皆驚くと言う。
それほど広くはない店内のウインドゥには、豊富な種類の無添加和菓子や、せんべいが並ぶ。ほとんどの和菓子が店先の裏の工房で職人が手作りしたもの。どれも心移りしてしまうが、今日のお目当ては人気のいちご大福だ。こちらのものは単なるいちご大福ではなく「苺みるく大福」。“みるく”がネーミングに付くのは、女将が幼い時、いちごに練乳をたくさんかけて食べた楽しい思い出を、大福に込めたいと思ったから。とはいえ、そのままコンデンスミルクを使う、と言うわけにはいかない。そこで研究・考案したのが、ベルギー産のホワイトチョコレートと少しの生クリームを練りこんだあんを使いコクを出すという方法。もちろん、北海道産のコクのあるあんの力と、くるんだ手作り求肥の、ぷにぷにと柔らか&滑らか食感も忘れてはならない。
他とは一線を画すこの大福は、ほかにも特徴が。まず、色々ないちごを日替わりで2、3種類使っていること。12月〜4月までくらいは九州や本州で収穫できるいちご、5月〜7月は北海道産の様々な品種のいちごを使う。実に半年以上も旬のいちごを使った大福が食べられるのだ。また、いちごの品種本来の香り、甘み、硬さなどによってあんを変えていることも大きな特徴。例えば画像のように「あまおう」はこしあんにホワイトチョコレートと生クリーム、「スカイベリー」は白あんにホワイトチョコレートと生クリーム。そのほかに甘みと香りの強い「いちごさん」は白あんのみ。また、酸味も甘みも硬さもバランスの良い「とちおとめ」はこしあんのみを使用(いずれも、その日のいちごの甘さや酸味で、あんの量は増減あり)、といったような具合だ。女将がこだわる“深遠なる”いちご大福を、味比べで楽しんでみては。
麻布十番庵住所=東京都港区麻布十番2-20-14 電話=03-6435-4012 営業時間=10:30~19:00 定休日=火曜(不定休の場合あり) ※QRコード決済、交通系IC決済、各種クレジットカード利用可
TEXT BY AKIRA TANAKA
PHOTO BY KIPPEI MITSUYA
※2023年3月現在の情報となります。
※表示価格は全て税込価格です。
※店舗により臨時休業や営業時間を変更させていただく場合がございます。詳細は「アークヒルズの営業状況について」をご確認ください。
#アークヒルズ#いちご#春スイーツ
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