暮らしを豊かにするアイデアを、ヒルズエリアのエキスパートに教えてもらう連載「Tips for Life」。今回は、女性に人気のスーパーフードと発酵食品にフォーカス。表参道ヒルズの〈コスメキッチン アダプテーション〉のディレクター、谷口かおりさんに、美味しくてキレイになる取り入れ方を聞いた。
TEXT BY MIHO MATSUDA
PHOTO BY TOMO ISHIWATARI
「毎日少しずつ」で健康的な美しさへ。
スーパーフード&発酵食の力とは?
コスメキッチン アダプテーションは「おいしく食べて、心も体も美しくなる」がコンセプトのクリーンイーティング・レストラン。マクロビオテックや、ヴィーガンなどの考え方を取り入れたメニューは、話題のグラスフェッドビーフやオーガニック野菜に、スーパーフードや発酵食品を組み合わせている。不足した栄養素を補うため巷ではサプリメントもたくさん販売されているが、それでもスーパーフードに注目する理由とは?
「化学的に作られたサプリメントは、一瞬で効果が現れても身体に不要なものが含まれていたりと、負担がかかる可能性もあります。身体を構成するのは自然のものなので、口に入れるのも自然のものがいい。天然のスーパーフードを毎日少しずつ取り入れれば、結果的には化学的なサプリメント以上の健康効果を得ることができます」
継続するコツは、毎日の食事と一緒に少しずつ摂ること。例えば、サラダにトッピングしたり、スムージーに入れたり、ヨーグルトに混ぜてグラノーラと一緒に食べれば、おいしく毎日の健康が手に入る。
「スーパーフードは熱に弱いので、非加熱で摂りましょう。加熱する料理には、穀物類のキヌアや味噌などの発酵食品がおすすめです。特に味噌は、日本古来の調味料でおいしいだけでなく乳酸菌も豊富で整腸作用があります。現在では毎日、味噌汁を飲む人が減少していますが、それはとてももったいないこと。日本食だけでなく、オリーブオイルに混ぜてドレッシングにしたり、豆乳や料理酒で溶いてパスタソースにしたりと、工夫次第で様々な料理に活用することができます。一番手軽でおすすめなのは、バニラのアイスクリームに白味噌をほんの少し混ぜること。塩分が加わり甘さを引き立てた大人の味わいになります。そんな風に、おいしく食べて少しずつ健康を手に入れてください」
コスメキッチン アダプテーションが
おすすめするスーパーフード6種
❶ マキベリー
パタゴニアに育成するフルーツ、マキベリーを粉末にしたもの。「ビタミンCが豊富で、最強の抗酸化力を持っています。血糖値の抑制やアンチエイジング、美肌、眼精疲労などに効果が期待できます。熱に弱いので、このまま取り入れましょう。これからの季節にぴったりのスーパーフードです」
❷ ビーポーレン
「〈食べる花粉〉と言われています。ミツバチが集めた花粉に、体内から分泌させた酵素と合わせて丸めた花粉団子です。90種類以上の栄養素を含む完全食品(パーフェクトフード)と言われ、必須アミノ酸や酵素がビタミン、ミネラル、タンパク質も豊富。花粉症対策にも効果があると言われています。味にクセがあるので、少量をスムージーやグラノーラなどに毎日少しずつ。栄養価が高いため、摂りすぎは逆効果です。蜂蜜と同様に乳幼児は控えましょう」
❸ カカオニブ
「カカオ豆を砕いてフレーク(チップ)状にしたもの。これを粉末にするとカカオパウダーになります。高い抗がん作用、抗酸化作用が期待できるポリフェノールとアントシアニンの塊です。チョコレートを食べてそれを摂取しようとすると、同時に糖分も摂取してしまうので、ぜひカカオニブを選びましょう。口の中に芳醇な香りが広がります」
❹ 源泉米の米ぬか粉
新潟〈ジョイントファーム〉の大野さんが作る〈源泉米〉の米ぬか。「玄米自体も非常においしいために、その米ぬかもきな粉のような香ばしさと甘みがあり、どんな食材にも合います。抗酸化作用をもつフェルラ酸やギャバ、イノシトールなどが豊富でストレスを感じる方におすすめです」
❺ ゴジベリー(クコの実)
「クコの実としておなじみの食材で、楊貴妃も愛したと言われるスーパーフード。そのままでもおいしいので、おやつ代わりに食べると、手軽にアントシアニンとビタミンCを摂取することができます。免疫力アップが期待できるので風邪予防や、美白、アンチエイジングに」
❻ 無添加麦味噌
日本古来からある日本のスーパーフード。塩分が低く、麹の量が多いので香りと甘みの強さが特徴です。「調味料としても優秀ですが、発酵過程で生じたタンパク質やアミノ酸、乳酸菌が豊富で整腸作用や免疫力アップが期待できます。女性に嬉しいイソフラボンも。味噌は近所のスーパーなどでも手軽に入手できますし、食べておいしく健康になる。毎日取り入れたい食材です」
Kaori Taniguchi|谷口かおり
1984年東京生まれ。コスメキッチン アダプテーションディレクター。「家族や友人、自分の大切な人たちにいつまでも健康でいてほしい」との想いから、栄養学や予防学を学ぶ。2012年より「ナチュラル、簡単、華やか」をキーワードに、食育を伝えるライブ型のクッキングスクールを開催。2016年よりコスメキッチン アダプテーションに参画。2018年よりディレクターを務める。
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