ヒルズエリアで働くオフィスワーカーたちのランチを探る「ヒルズランチ」。アークヒルズ 仙石山森タワーの「ベーカー&マッケンジー法律事務所」で金融・不動産案件を中心にビジネス法務全般のクライアントサポートを行う弁護士・細川昭子さんは、仕事と子育てに忙しい日々の中、保育園に併設されたカフェ「まちの本とサンドイッチ」でつかの間のリラックスタイム。
TEXT BY MIHO MATSUDA
PHOTO BY TOMO ISHIWATARI
忙しい弁護士業務につかの間の安らぎを与えるサンドイッチランチ
ベーカー&マッケンジー法律事務所は、47カ国に77の事務所を展開するグローバルファーム。グローバルネットワークを生かしたクライアントサポートには定評があり、「世界における法律事務所のブランド力ランキング」(2017 Global Elite Law Firm Brand Index/Acritas)では、8年連続首位を獲得している。アークヒルズ 仙石山森タワーにある東京オフィスは、弁護士、税理士など約170人の専門家が在籍。弁護士の細川昭子さんは、金融・不動産案件を中心としたビジネス法務のスペシャリストとして、クライアントサポートを行なっている。
「企業間取引の契約のドラフト作成や、企業活動に適用される法規制についてのアドバイスをお客様に提供しています。ここ数年は、ホテル開発、フィンテック、再生エネルギーに関するご相談が多いです。また、私共の事務所はグローバルファームですので、海外の企業が新たに日本に進出するにあたりどんな法規制があるのかをご紹介したり、外資系企業と国内企業の間の交渉サポートをさせていただくこともよくあります。弁護士はスピードを問われる仕事でもあるので、クライアントからの問い合わせには迅速にレスポンスすることを心がけています。ですから、ランチはテイクアウトしたものをデスクで食べることが多くなります」
よく利用するのはオフィスからほど近い〈まちの本とサンドイッチ〉。「食は広く、本は深く人を繋ぐ」をコンセプトに、サンドイッチやパン、本も購入できるコミュニティカフェだ。
「都心にありながら緑が多く、子供たちが楽しく遊ぶ声や鳥のさえずりも聞こえ、ゆったりした空気が流れています。少しの時間で気分転換もできますし、サンドイッチのほかに、スープもデリもとても美味しくお野菜がたくさん入ってヘルシーです。パンもいろいろな種類があるので、選ぶ楽しさもあります」
仕事と子育ての両立のためライフスタイルは朝型にシフト
とにかく忙しい弁護士の仕事。専門職は就業時間の裁量があるというベーカー&マッケンジー法律事務所だが、細川さんが朝8時頃に出社するのは仕事と子育てを両立するため。
「出産前は遅くまでオフィスで仕事をしていることが多かったのですが、今は子どもを小学校に送り出すため朝型に。神谷町駅から城山緑道を通って出勤していますが、景色もよく空気が澄んでいるので、清々しい気持ちで仕事に向かうことができます」
現在、日本弁護士連合会に登録する弁護士の総数は37,680人。そのうち、女性は6,896人と2割弱だ(日本弁護士連合会『弁護士白書』より)。仕事の忙しい弁護士の女性は、出産とともに、官公庁や企業内部の法務事務を行う〈インハウスロイヤー〉に転職する人も少なくない。ベーカー&マッケンジー法律事務所では、在籍するスペシャリストの3割が女性だ。キャリア継続をサポートするための第一歩として、自宅でのリモートワークを採用している。
「1日の時間は、子育てと仕事でほぼ占められています。忙しく責任が重い仕事ですが、やりがいがありますし、日々新しい発見がありとても充実しています。それに、子どもと過ごす時間はかけがえのないものですから、今はその2つに全力を傾けながら、いかにバランスをとるかが課題です」
細川さんのある1日
6:00 起床
8:00 出社、執務開始。デスクワーク、クライアントミーティングなどを行う
11:00〜14:00 ランチタイムはその日によってまちまち。ランチミーティング、スタディセッションの他、クライアントからの急な問い合わせに対応するために、テイクアウトして社内で食べることが多い
19:00 一旦帰宅し、家族と夕食。その後、自宅でリモートワーク
細川昭子|Akiko Hosokawa
弁護士。金融・不動産案件およびビジネス法務全般において幅広いクライアントサポートを行う。2006年1月からベーカー&マッケンジー法律事務所のパートナー。ロンドン事務所への勤務経験や金融庁、ゴールドマンサックス・インターナショナル(ロンドン)への出向経験を有し、「新信託法の基礎と運用」などの共同執筆も手がける。2010年から2013年筑波大学法科大学院非常勤講師(金融法担当)、2012年〜2016年中央大学大学院戦略経営研究科客員教授を務めた。
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