「六本木グルメバーガーグランプリ2017」が2017年7月15日(土)〜8月31日(木)に開催。このイベントだけの特別限定メニュー部門と、通常メニューからエントリーするレギュラー部門に分かれてグランプリを競い合う。今年は23店舗27種のバーガーが参加。その見どころを、ハンバーガー評論家の松原好秀が解説する。最注目バーガーはこれだ!
TEXT BY YOSHIHIDE MATSUBARA
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今年もまた真夏の熱き闘いが始まる——。都内で、しかも4年続けて、こんな大規模なバーガーイベントを開催しているのは、ここ六本木ヒルズだけである。
昨年2016年のグランプリで印象深かったのは「37 ステーキハウス&バー」の「37クラシックバーガー」だ。レギュラーメニュー部門で目下2連覇中の同バーガー。正直アボカドトッピングの有無は二の次で、これはもう「肉」とその「焼き方」如何で勝負が決まる、そんな単純極まりないバーガーである。いや、それこそがハンバーガー! ビーフ180グラムパティを炭火を使い、焼き過ぎずレア過ぎず、最高の状態に焼き上げる。シンプルだがストレートなその味わいには、こころ突き動かすような力強さがある。3連覇も十分有り得るだろう。
そして”お野菜カフェ”「ミスターファーマー 六本木」の「マッシュルームとケールのヴィーガンバーガー」も強烈なインパクトだった。「ベジだから」「ヴィーガンだから」と侮ってはいけない。味も見た目もド派手! ド迫力!
ところで「ハンバーガー=男の食べ物」という考えはもう古い。ハンバーガー店の客の7割は実は女性なのだ。だから女性でも食べやすいサイズのミニバーガー(スライダー)が去年一気に流行ったし、野菜のトッピングのバリエーションも昨今増えつつあるように感じる。
そんな中、今年の気になるエントリーを挙げてみると……。まず特別限定メニュー部門では「バルバッコア」の「テックスメックスバーガー」。アボカドにモッツァレラとサルサというトッピングがシンプルなおいしさを呼びそうだ。素揚げしたソフトシェルクラブを丸ごと一匹挟んだ「グリーンアジア」の「スパイシーサワーソースバーガー」も普段なかなかお目にかかれないメニューだけに興味深い。
レギュラーメニュー部門では、グランド ハイアット 東京のステーキハウス「オーク ドア」の「オーク ドア バーガー」に注目。ここのパティの火の入り加減は絶妙! 他の店では味わえない「オーク ドア」独特のおいしさが楽しめる。高級ホテルらしい上質さを有しながら、同時に「ハンバーガー」らしい親しみやすさも忘れない、そのバランスがみごとだ。
昨年以上にカラフルでフォトジェニックなバーガーが揃った2017年のグルメバーガーグランプリ。猛暑・酷暑を乗り切るパワーをぜひハンバーガーから「ガツン!」と摂取していただきたい。
今年のグルメバーガーのメニュー詳細はこちら!
松原好秀|Yoshihide Matsubaraハンバーガー探求家。アドバイザー。2008年と09年、ハンバーガー専門誌『HAMBURGER STREET』を自主出版。ハンバーガーショップのガイド本『THE BURGER MAP 首都圏版』『ザ・バーガーマップ東京』(幹書房)を10年と14年に出版。11年刊行の『ハンバーガーの歴史』(P-Vine BOOKs)では日本語版の解説を担当。テレビ・ラジオでも活躍中。
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