ファッションのご意見番ことスタイリスト地曳いく子さんが、独自の視点で切り込むオトナ女史のためのスタイル術「IKUKO’S METHOD」。今回のテーマは冬のアウターです。
STYLING BY IKUKO JIBIKI
PHOTO BY SHIN KIMURA
EDIT BY AKANE MAEKAWA
ジャストナウで買うのが今の気分
ついに来ました木枯らしシーズン。11月も終わりに近づき、カレンダーも捲ると残すところあと1枚。かなり遅れてきた寒さとともに、本格的にアウターが必要となってきましたね。本当はもう少し前でこのテーマをと思っていたのですが、1カ月前はその気になれず……。なぜなら、10月後半はまだ半袖を着ていましたから。今年は11月になってからも夏日を記録するなど、先の気候がどうなるか全くわからなかったです。10年ぐらい前までは、先読みをして服を揃えられたのですが……。泥縄じゃないですけど(笑)、寒い季節になってようやくアウターが欲しいという気持ちになったまさに今から、今年のアウターを考えてもよいのではないでしょうか。超ファッショニスタの方々には“遅い”と笑われてしまうかもしれませんね(笑)。ということで、今すぐ欲しい気になる冬のアウターをショートからロングまでいろいろと集めてみました。
地曳いく子が指南する
本当に欲しいアウターの選び方
❶ 切羽詰まって買うものは意外と正解!?
かつてニューヨークやパリのコレクションに通っていた頃、9月でも急に気候が冬並みに寒くなるなんてことがよくありました。となると急遽コートを現地調達です。でも、その切羽詰まったときに購入したコートは、後々も高頻度で出番が多かったんですよね。今思えば、その時の気分と合致していたからなんだと思います。先の気候がわからない時代。今欲しい気持ちで選ぶことが着倒せるお気に入りに出合う秘訣では?と思ったりしています。
❷ ライフスタイルも状況も多様化
このシーズンは“コレ”というトレンドが断言できなくなってきた昨今。アウターに関しても、暑い寒いだけでなく、ワークスタイルや生活環境も多様化し、一筋縄にはいかなくなってきました。人によっての体感温度も違います。交通などの移動手段によっても変わってきます。欧米の人のように中をドレスやブラウスなど薄手の1枚にして厚手の暖かいコートを羽織るか、はたまたインナーのレイヤーで調整しアウターは割と薄いものを選ぶか。どちらがベターというのはありません。自分のライフスタイルはどうなのか、アウターを選ぶときに考えてみてください。アウターはファッション性プラス実用性も大事ですから。
❸ ショート丈でバランスをとる
今回はショート丈のアウターも多めに選んでみました。まだまだボリュームのあるボトムはトレンド。タックが入ったワイドパンツは今季も手に入れたい一本ではないでしょうか。昔は、ヒールを履いて7、8センチは身長をごまかせたのですが……。この頃は自分でもヒールを履かなくなったので、昔のままのバランスではオーバーサイズのトレンドは着られません。上も下もダボダボ。178センチの方が着るのであればサマになるのですが、私のような一般的身長ではそうもいきません。そんなときは短めのアウターが強い味方に。目線が上に行き、全体のバランスをとりやすくなります。
地曳いく子|Ikuko Jibiki
スタイリスト/1959年東京生まれ。数々のファッション誌で活躍し、女優や著名人のスタイリングも数多く手がける。大人の女性を美しくみせる的確な理論に基づくスタイリング術に定評を持ち、執筆も多く手がける。現在は、ファッションアイテムのプロデュースほか、テレビやラジオに出演するなど多方面で活躍。著書に『服を買うなら、捨てなさい』『着かた、生きかた』(ともに宝島社)『おしゃれは7、8割でいい』(光文社)『大人の旅はどこへでも行ける 50代からの大人ひとり旅』(扶桑社)など多数。最新刊に『ババアはツラいよ! 番外編 地曳いく子のお悩み相談室 2』(集英社文庫)。
※ 2024年11月現在の情報となります。
※ 表示価格は全て税込価格です。
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