ファッションのご意見番ことスタイリスト地曳いく子さんが、独自の視点で切り込むオトナ女史のためのスタイル術「IKUKO’S METHOD」。今回のテーマは秋の新作シューズです。
STYLING BY IKUKO JIBIKI
PHOTO BY SHIN KIMURA
EDIT BY AKANE MAEKAWA
サンダルを脱いだら何を履く!?問題
9月に入ってもまさかの35℃を超す猛暑日が続いた今年。想像以上に残暑の厳しい夏でした。もういいかげんサンダルを脱ぎたい!と思っていたら、ようやく秋めいて涼しくなってきました。おしゃれ再起動の適正気温の到来です。じゃあ、次は何を履く!?ということで、本格的な秋突入のモードな靴を考えてみました。今季に注目したいのは、甲を覆うアッパーが深いローファー、ストラップ付きのフラットシューズなど、クラシックとモダンが混在したようなデザイン。足を甘やかした夏のイージーな靴ではなく、ここで一回シャキッとひきしめ、秋のおしゃれを足もとからつくっていきましょう。
地曳いく子が指南する
秋のブランニューシューズのススメ
❶ エレガント&マスキュリンなトラッドシューズ
トラッドなローファーやレースアップシューズは、秋冬の新作でも、引き続き気になるアイテム。特に注目は、甲が深くかぶった、少しだけロングノーズなデザイン。いわゆる、つま先がしゅっと長いタイプですね。定番といえば定番ですが、そこは侮るなかれ。今年のものは今年のデザイン。履いてみると分かりますが、見え方のバランスが以前のものとは異なります。定番をアップデートするなら、甲をしっかりホールドするアッパーが長めのエレガントなものが今季はおすすめです。
ここでひとつご忠告。靴はかかとが命なんです(特にトラッドシューズは!)。夏の間にサンダルやイージーな靴に、足は慣れてきってしまっています。いざローファーやトラッドなスリッポンを履こうとすると、つい癖で足を無理やり突っ込んでしまいがち。ここは、きちんと靴ベラを復活させましょう。「靴はかかとが命」とは、ある靴屋さんがおっしゃっていたお言葉。かかとを崩してしまったら、もう元のパーフェクトな状態には直せないそうです。レースアップシューズも、きちんと靴ひもをゆるめてから履きましょう。どんなに素敵な靴も、かかとを潰してしまっては元も子もありません。朝に慌てて、玄関先でぐしゅっと突っ込まない。甲が深いシューズは特に気をつけていきましょう(といいつつ、家を出るときはつっかけて、ロケバスの中できちんと履き直していたりする自分なのですが……)。
❷ ストラップ付きのフェミニンなシューズ
フラットで甲にストラップが付いたメリージェーンタイプと、ポインテッドトゥのバックストラップの中寸ヒールは、秋のフェミニンな2大トレンド。カジュアルな愛らしさのあるメリージェーンは、ラウンドトゥや丸みのあるスクエアトウがおすすめ。よりフェミニンにクールにまとめたいなら、ヒールにアクセントを利かせたバックストラップのポインテッドトゥで。
❸ ショートブーツは季節のスイッチアイテム
ロングブーツにはまだちょっと早いかもしれないのですが、薄手のコーディネートでも足もとをショートブーツに変えるだけで、秋の気分は高まります。暑さの残る晩秋、たとえTシャツにデニムでも、足もとをショートブーツにすれば、季節に乗り遅れることはありません。
❹ カーキのニュアンスを取り入れる
トラッドなシューズといえば黒が多いですが、この秋はカーキがかったニュアンスブラウンを取り入れてみましょう。その一足で、一気にモード感がアップします。
地曳いく子|Ikuko Jibiki
スタイリスト/1959年東京生まれ。数々のファッション誌で活躍し、女優や著名人のスタイリングも数多く手がける。大人の女性を美しくみせる的確な理論に基づくスタイリング術に定評を持ち、執筆も多く手がける。現在は、ファッションアイテムのプロデュースほか、テレビやラジオに出演するなど多方面で活躍。著書に『服を買うなら、捨てなさい』『着かた、生きかた』(ともに宝島社)『おしゃれは7、8割でいい』(光文社)『大人の旅はどこへでも行ける 50代からの大人ひとり旅』(扶桑社)など多数。最新刊に『ババアはツラいよ! 番外編 地曳いく子のお悩み相談室 2』(集英社文庫)。
※ 2024年9月現在の情報となります。
※ 表示価格は全て税込価格です。
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