ファッションのご意見番ことスタイリスト地曳いく子さんが、独自の視点で切り込むオトナ女史のためのスタイル術「IKUKO’S METHOD」。今回のテーマは、耳まわりのおしゃれです。
STYLING BY IKUKO JIBIKI
PHOTO BY SHIN KIMURA
EDIT BY AKANE MAEKAWA
夏のおしゃれは耳もとからはじまる!
耳まわりのおしゃれの地位が、マスクに取って代わられたコロナ禍。私はというと、ピアスの存在をつい忘れてしまい、マスクの紐に引っかけてしまったり、キャッチを飛ばしてしまったりしていました。片方だけ紛失なんてこともしょっちゅう。開き直って左右でちがうピアスを付けたりしたことも。工夫をすれば、色々な楽しみ方はありますが、どちらかというと、耳もとのおしゃれは諦め気味でした。マスクで顔を覆っている分、大ぶりのイヤリングじゃないとマスク負けしてしまいますし。私のまわりを見ても、ハイエンドなおしゃれさん以外は、主張のあるピアスをしている人はほとんどいなかったです。マスクの着用は個人の判断となりますが、私はお休みしていた耳飾り部門をそろそろ再開したいと思います。そこで今回のテーマは「おかえりピアス」。夏に向かって首筋を出すヘアスタイルも増えます。ピアスをはじめとした耳まわりのアクセサリーでおしゃれを楽しんでいきましょう。
地曳いく子が指南する
ピアス+αの選び方と心得
❶ 小さな世界にトレンドを凝縮させて
耳もとのおしゃれを再開したい夏。せっかくなら、ハイブランドのラグジュアリー感を耳もとに宿らせたい。ロゴやアイコンをあしらったピアスには、ブランドの世界観がぎゅっと凝縮されています。ゴールドやシルバーだけでなく、今年はカラフルなものにも注目です。スタイリングのポイントとして「差し色」とよく言われますが、服で実践できるのはかなりの上級者だけ。ですが、ピアスやイヤリングで取り入れるなら、インパクトのあるカラーでも全体にすっと馴染みます。今年は、耳まわりでアクセントをつけてみてはどうでしょうか。
❷ デイリーかインパクトか
以前は、この服だったらこのピアスというように、スタイリングに合わせてピアスを楽しんでいました。けれども、今は個性の時代。特に小ぶりのピアスは、気に入ったら毎日付けて自分のキャラ(個性)のひとつにする、そんな選び方をしています。今年は、山椒のように小粒でぴりりと辛い、ひと癖あるデザインが気になります。一方、大ぶりなインパクト系ピアスは、印象の切り替え用として活躍します。バッグの中にひとつ忍ばせておけば、仕事時のシンプルな服もピアス着装で夜のパーティー仕様へとスイッチオン。ピアスを選ぶとき、デイリーなのかインパクトなのか考えて買うことをおすすめします。
❸ 意外と見られている横顔
鏡で自分を見るときは正面が基本。ですが、正面に向かって座らない限り、ほとんどの場合、人はあなたのことを横(または斜め横)から見ています。耳もとのおしゃれを考えたとき、横から見て美しいピアスというのも選び方のひとつです。
❹ 似合う似合わないは耳たぶに左右される
人が付けていてかわいいと思うピアスは、ダイヤやパールの一粒モノ以外は、付けてみると思ったイメージとちがうことがほとんど。ピアスやイヤリングは、耳たぶの大きさでとても印象が変わってきます。歳を重ねてくると耳たぶが痩せてきて、大ぶりなピアスがだんだんと似合わなくなってくることも。そんな耳たぶコンプレックスの方へプチ情報。なんと耳たぶにもヒアルロン酸が打てるんです。実は私、昨年、耳たぶにほんの少しだけ打ってみました。そうしたら、以前にお気に入りだったピアスが似合うようになったんです。そんな最新技術もあります(笑)
❺ お手入れは忘れずに
皮脂はアクセサリーの大敵。耳の炎症やピアスの劣化を防ぐためにも、必ずきれいな布で拭いたり、洗ったりして、皮脂を取り除いてから保管しましょう。耳は色々な情報が入ってくる大事な器官。スピリチュアル的にも、耳まわりをきれいに保つことは、運気をあげてくれるらしいですよ(笑)
地曳いく子|Ikuko Jibiki
スタイリスト/1959年東京生まれ。数々のファッション誌で活躍し、女優や著名人のスタイリングも数多く手がける。大人の女性を美しくみせる的確な理論に基づくスタイリング術に定評を持ち、執筆も多く手がける。現在は、ファッションアイテムのプロデュースほか、テレビやラジオに出演するなど多方面で活躍。著書に『服を買うなら、捨てなさい』『着かた、生きかた』(ともに宝島社)『おしゃれは7、8割でいい』(光文社)『日々是混乱』(集英社)など多数。最新刊に『60歳は人生の衣替え』(集英社)。
※ 2023年7月現在の情報となります。
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