ファッションのご意見番ことスタイリスト地曳いく子さんが、独自の視点で切り込むオトナ女史のためのスタイル術「IKUKO’S METHOD」。今回のテーマはクロップドトップスです。
STYLING BY IKUKO JIBIKI
PHOTO BY SHIN KIMURA
EDIT BY AKANE MAEKAWA
おしゃれ再起動アイテムがそろそろ必要
2月末といえばまだ寒いですが、同時に春へと気持ちを切り替えたい時季でもあります。そこで今年おすすめなのが、クロップドトップス。少し前にY2Kファッションのリバイバルで、思いっきりおへその見えるクロップドトップスが流行っていましたが、それは10代~20代のZ世代の話。ところが今季は、オフィスでも着られる大人のための絶妙なクロップド丈が多く登場しています。ワイドパンツやフルレングスのマキシ丈スカートなど、ボリュームのあるボトムスとも相性抜群。クロップドで上を軽くするだけで、新しいバランスに。気持ちを切り替え、今年らしさをアップさせるテクニックのひとつとなるので、試してみてください。
地曳いく子が指南する
クロップドトップスのススメ
❶ 目線を上にあげてスタイルアップ
ビッグシルエットやボリュームのあるボトムスがメインストリームに躍り出て以来、ちょっとしたジレンマに陥っていませんか? そう、私たちぐらいの平均身長では、実際のところ着こなすのが難しいのです。でも、今年は大丈夫。クロップド丈が強い味方に。スタイリングの技として、どこかを引っ張ったり、タックインしたり、偽クロップドのようにしてモデルさんに着せたりすることがあります。どこかを短くするだけで、目線が上に行くので、一枚をだらんと着るよりも、ぐっとおしゃれに見せることができます。はじめからボリュームがつくられているものもあるので、上手に取り入れてみてください。大人のためのクロップド丈は、ウエスト位置前後がおすすめ。
❷ レイヤーでボリュームバランスを変える
クロップドはレイヤー最強アイテム。この時季なら、タートルネックニットやロンT、シャツの上に重ねたりしても。もちろん、あたたかくなってきたら、一枚でも楽しめます。トレンド感というのは、結局のところバランスなんです。丈が長くなったり短くなったり、ボリュームが増えたり減ったりのバランス。皆様は、おそらくすでにベーシックな服をそれなりにお持ちのことと思います。そうしたシンプルな服に、今年のクロップドトップスを一枚投入するだけで、フレッシュなボリュームへと変化させることができます。お出かけの機会が増えそうな今年。今のバランスを取り入れ、気持ちをあげていきましょう。
❸ ファッションは習うより慣れろ
フレッシュなバランスをと言われても、クロップドトップスを躊躇してしまう方もいるかと思います。初めてのアイテムと上手く付き合うためには、まずは着てみること。着方は分からないけどかわいい!と思ったアイテムを手に入れたら、「毎朝、鏡の前に立ち、まずは何かの上に着てみる」を続けてみましょう。トレンドは、大縄跳びと一緒。ずっと見ていても入れません。引っかかってもいいから入ってみる。外に出る前なら、失敗しても「てへへ」でいいじゃないですか。でも、意外な発見のほうが多いはず。「ファッションは習うより慣れろ」が基本です。
❹ クロップドの定義は人それぞれ
クロップドといえども、肩からウエストの長さは人それぞれ。クロップドトップスを購入するときは、一度試着して自分のバランスを見つけてください。胸の上品さでも、丈は異なってくるので要注意。
❺ 気になる色はニュアンス系&グリーン
エッジィなデザインでもあるので、色味は爽やかで程よい軽さのものがおすすめ。ベージュやグレージュ、薄めのブルーなど。さらに、今年注目したいのはグリーン。明るすぎず、暗すぎないティールグリーンあたりが気になります。
地曳いく子|Ikuko Jibiki
スタイリスト/1959年東京生まれ。数々のファッション誌で活躍し、女優や著名人のスタイリングも数多く手がける。大人の女性を美しくみせる的確な理論に基づくスタイリング術に定評を持つ。現在は、ファッションアイテムのプロデュースほか、テレビやラジオに出演するなど多方面で活躍。著書に『服を買うなら、捨てなさい』『着かた、生きかた』(ともに宝島社)『おしゃれも人生も映画から』(中央公論新社)『買う幸福』(小学館)『おしゃれは7、8割でいい』(光文社)『日々是混乱』(集英社)など多数。最新刊に『ババア上等! 番外編 地曳いく子のお悩み相談室』(集英社文庫)。
※2023年2月現在の情報となります。
※表示価格は全て税込価格です。
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