ファッションのご意見番ことスタイリスト地曳いく子さんが、独自の視点で切り込むオトナ女史のためのスタイル術「IKUKO’S METHOD」。今回のテーマは、ショートブーツとハイカットスニーカーです。
STYLING BY IKUKO JIBIKI
PHOTO BY SHIN KIMURA
EDIT BY AKANE MAEKAWA
おしゃれと防寒は足もとから
11月はそこまでの寒さを感じることなく過ごしていたのですが、12月に入ると急に寒さが押し寄せてきました。寒暖の差に身体がまだ慣れていなく、ちょっとしたことで体調を崩しそうになります。こんなときこそ、足もとを温めることが大事。そこで、今回は、あったか足もとをテーマに、ショートブーツと、ブーツと同格ともいえるハイカットスニーカーを紹介したいと思います。ちなみに、トレンドではサイハイブーツも囁かれましたが、それは、すでにマスク生活をしていない海外(特に欧米)だからこその話。ミニスカートにサイハイを履くぐらい気分が盛り上がっているからではないでしょうか。でも、ここは日本。正直、そこまでのムードにはまだなっていません。でも気分は上げたいですよね。ファッションは足もとで決まるともいいます。シンプルなスタイルでも、今年の足もとに変えるだけで、気分も機能もおしゃれ度も上がります。だからこそ、今、ショートブーツ&ハイカットスニーカーをおすすめしたいのです。
地曳いく子が伝えたい
あったかシューズが今欲しい理由
❶ ジャストタイミングへ心がシフト
コロナ禍を体験し(コロナの話ばかりで申し訳ないのですが……)、私の中での買い物サイクルが、ジャストなタイミングで買うという方向にシフトしつつあります。暑いときにノースリーブを買い、寒いときに防寒着を買う。以前は、先取りした買い物をして、その服を着るのをワクワクしながら待つというのも楽しみのひとつでした。けれども、この体験を通し、先のスケジュールはギリギリになるまで分からないということも知りました。スタイリストという職業柄、半年や1年先のことを常に考えて生きてきましたが、この頃はそうしなくてもいいのではという気持ちにも。展示会で出会い、あんなに盛り上がって買ったのに、半年後に手もとに届くと、あれ?これ買ったんだっけ?という記憶を失くすという失敗も何度となく繰り返してきましたし(笑)。半年後の行けるかどうかわからないハワイ旅行のことではなく、冬に冬のことを考える時代がやってきたのではと思うのです。(もちろん、またそんな時代も戻ってくることを望みつつ)今の気分を大事にして、今欲しいものを買う。ウェブマガジンだからこそ、この提案ができるのかもしれませんが、気分がハマったときに買ったものは、スタートが遅くても元を取り返すぐらい着倒し履き倒すことが多いです。12月の寒い今だからこそブーツが欲しくなるのです。
❷ スニーカーというよりブーツな気持ち
ハイカットスニーカーは、もはやショートブーツと同格。寒くなってくると、私はパンツスタイルを選びがちなのですが、そこでちょっと問題が。今は、スニーカーがファッションアイテムとして確立され、ワイドパンツもトレンドの主流に。けれどもこのスタイル、ローカットスニーカーだと、靴下とパンツのちょっとした隙間から寒さが忍び込んでくるのです。かといって、ハイソックスはローカットには似合わない。そこでおすすめなのがハイカットスニーカー。足首を寒さから防ぐだけで、身体全体の温かさは変わってきます。しかも、ハイカットスニーカーであれば長めのソックスもファッションとして問題ないですし、レギンスとの相性もよし。ロングスカートにレギンスでハイカットスニーカーという着こなしにも、この頃ハマっています。今冬はショートブーツと同目線で、スニーカーを選んでみてはどうでしょうか?
地曳いく子|Ikuko Jibiki
スタイリスト/1959年東京生まれ。数々のファッション誌で活躍し、女優や著名人のスタイリングも数多く手がける。大人の女性を美しくみせる的確な理論に基づくスタイリング術に定評を持つ。現在は、ファッションアイテムのプロデュースほか、テレビやラジオに出演するなど多方面で活躍。著書に『服を買うなら、捨てなさい』『着かた、生きかた』(ともに宝島社)『おしゃれも人生も映画から』(中央公論新社)『買う幸福』(小学館)『おしゃれは7、8割でいい』(光文社)『日々是混乱』(集英社)など多数。最新刊に『ババア上等! 番外編 地曳いく子のお悩み相談室』(集英社文庫)。
※2022年12月現在の情報となります。
※表示価格は全て税込価格です。
※店舗により臨時休業や営業時間を変更させていただく場合がございます。詳細は「六本木ヒルズの営業状況について」「表参道ヒルズの営業状況について」をご確認ください。
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