ファッションのご意見番ことスタイリスト地曳いく子さんが、独自の視点で切り込むオトナ女史のためのスタイル術「IKUKO’S METHOD」。今回のテーマは、プリント&レトロチェックです。
STYLING BY IKUKO JIBIKI
PHOTO BY SHIN KIMURA
EDIT BY AKANE MAEKAWA
弾ける気持ち一歩手前のワンステップを
世の中が動き出し、閉じこもっていた心も身体も、少しずつ外に向かいたい今日この頃(もちろん気を付けながらですが)。そんなときは、てっとり早く形から入ります。まずは、“ちむどんどん”するアイテムの投入。気がつけば黒ベースの服ばかりの私ですが、ぽかぽか陽気とともに急に黒以外のものが着たくなり、先日、フルレングスのカラフルな総花柄ワンピースで外出してみました。もう、それだけでウキウキ気分に。そうです、ファッションは、楽しい気持ちになるためのもの。まだ燦々とした太陽の下で「ウェーイ」という気持ちまで全開とはいきませんが、心を動かす準備段階をしておきましょう。今回は、ファッション心復活のお助けアイテムとして、この夏はトロピカル&ボタニカルなプリントと、どこか懐かしいレトロな色調のチェックに注目してみました。今回は豪華2本立てでお送りします。
地曳いく子が指南する
プリント&チェックのススメ
❶ 呼び覚ませ着物文化のDNA!
昨年、フライングでフルレングスをテーマにしましたが、今年のワンピースもますますロングになっています。無地のカジュアルなスリップドレスなら、持っている人も多いのではないでしょうか。今年は、さらに一歩気持ちを上げて、花柄やトロピカルプリントに挑戦してみてください。総柄フルレングスというと、一瞬抵抗を感じる人もいるかもしれません。でも思い出してみてください。日本人は、着物や浴衣をずっと着てきたではないですか。DNAとして総柄フルレングスに慣れているはず!(笑)。そんな気持ちで着てみると、身長や体形に関係なく、意外と着ることができてしまうのです。少し派手過ぎと思ったら、ロングカーディガンで縦線を強調して柄部分を減らしてみたり、ダブルジップフーディーを胸元と下だけ開けて前を締めカジュアルに着こなしても。今年はぜひ、プリントものにトライして、ファッション心をリブートしましょう。
❷ 苦手意識はボトムスで解決
プリントものにトライしたい、でもやっぱり苦手という方は、ボトムスに取り入れてみてください。顔から離れているので、華やかな柄でも顔と喧嘩することもなく、今年の気分へとあげてくれます。その際のトップスの色選びの一番簡単な方法は、プリント柄の一色を取ること。そうすれば、絶対失敗しません。チェックも同じ法則でいけます。
❸ 目指すはイージーでエレガント
今年は、ウエストゴムのプリントスカートやパンツが豊富。ゆったりとしたシルエットで、素材は軽やかなものや光沢のあるものなど、動きとともに揺れるデザインに注目です。楽ちんなのにエレガントが、今年の大人のプリント。フラワーやトロピカルプリントはリゾート感が強いのではと思う人は、ダークトーンやブラックベースのものを選べば、都会で着ていても馴染みがいいです。普段から穿いて、お外をヒラヒラ歩いてください。
❹ 気分は60年代フランス映画
今夏注目したいチェック柄は、パキッとした色ではなく、落ち着いた色調のもの。60年代のフランス映画に出てくるような海辺で着たい、どこか懐かしい感じがするレトロなチェックです。透けるシアーな素材のものを選ぶと、深みのある色合いのチェックでも重くならず、エアリーな印象で着こなせます。
※2022年5月現在の情報となります。
※表示価格は全て税込価格です。
※店舗により臨時休業や営業時間を変更させていただく場合がございます。詳細は「六本木ヒルズの営業状況について」「表参道ヒルズの営業状況について」をご確認ください。
地曳いく子|Ikuko Jibiki
スタイリスト/1959年東京生まれ。数々のファッション誌で活躍し、女優や著名人のスタイリングも数多く手がける。大人の女性を美しくみせる的確な理論に基づくスタイリング術に定評を持つ。現在は、ファッションアイテムのプロデュースほか、テレビやラジオに出演するなど多方面で活躍。著書に『服を買うなら、捨てなさい』『着かた、生きかた』(ともに宝島社)『おしゃれも人生も映画から』(中央公論新社)『買う幸福』(小学館)『おしゃれは7、8割でいい』(光文社)『日々是混乱』(集英社)など多数。6月上旬に、ムック本(宝島社)を発売予定。
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