ファッションのご意見番ことスタイリスト 地曳いく子さんが、独自の視点で切り込むオトナ女史のためのスタイル術「IKUKO’S METHOD」。今回のテーマは、初夏から活躍するサンダルです。
STYLING BY IKUKO JIBIKI
PHOTO BY SHIN KIMURA
EDIT BY AKANE MAEKAWA
靴には気持ちをウキウキさせてくれる何かがある
初夏に向かい、ぽかぽか陽気の日も増えてきました。でも、心が沈むニュースが飛び込んできたりと、気分が完全復活とはいきません。そこで、まずは足もとから明るくしていきたいと思い、このテーマを選んでみました。少し話は飛びますが、数樹年前、フィリピンの宮殿でイメルダ夫人のシューズコレクションを見たとき、何千足という数に圧倒されたことがありました。その時、靴には履くという用途のほかに、心を励ましてくれ、強くしてくれる何かがあるのでは、と思ったのです。靴を何千足も持っているのって、正直おかしいですよね。でも、気持ちは分からなくもないんです。突飛な例だったかもしれませんが、靴は実用性だけでは量れない、ウキウキさせてくれる何かがあると思います(もちろん、私たちは飾るだけでなく、毎日ガツガツ履きますけどね!)。映画『オズの魔法使い』でも、赤い靴がドロシーを魔法の国に連れて行ってくれましたし。何が言いたいかというと、よりデイリーに気持ちをあげていくならば、まずは足もとからはじめてみよう、ということなんです。服の場合、昨日と同じものを着るのは微妙な場合もありますが、靴ならお気に入りの一足を毎日履いても問題なし。今なら、シーズン先取り感のあるサンダルがおすすめ。ちょっと癖のあるかわいいサンダルを手に入れ、デイリーな服と一緒にGWからガンガンに履いて、気持ちをあげていきましょう。
地曳いく子が指南する
サンダル選びのポイント
❶ 初夏のトレンドはサンダルまかせ
ベーシックでシンプルな服をお好みの人こそ、ポップなサンダルにトライしてみてください。服はカジュアルでも、サンダルを一足プラスするだけで、トレンド感がアップします。今季、気になっているサンダルはというと、ボリューミーかつスポーティーな厚底ソール系、高級リゾートで映えそうなノーブル系、上品さをツイストしたキュート系、の3タイプ。がっしりとした厚底系は、この時季なら靴下と合わせて、ワンピースの足もとに。今年なら、ラインの入ったスポーツソックスがおすすめ。素足派の方は、思いっきりペディキュアに凝って、おしゃれを楽しんで。初夏のスタイルは1点投入のサンダルまかせで、おしゃれを楽しんでみてください。
❷ サンダルだからと侮ることなかれ
すべて車移動のセレブなら、どんな靴も履けますが、毎日ガシガシと歩く私にとって、靴は消耗品。どんなに大事に履いても3~5年。お気に入りであればあるほど、その寿命は短くなっていきます。だからこそ、今の気持ちにも、足の形にも合ったぴったりのシンデレラシューズを探す必要があります。合わない靴を無理して履き続けると足だけでなく頭も痛くなりますし、足が痛いと疲れやすく性格まで悪くなりそう。ちょっとでも違和感があるものは、後で解消されることはほぼありません。サンダルは足にあたる部分が少ないからと適当に選んでも、なんて思わないでください。
ここで、サンダル選びのチェックポイント(靴全般にも言えます!)をいくつか。①バックストラップを選ぶなら、自分の足首事情の把握を。踵がストレートに立ち上がっている人は、引っかからずストラップが落ちて、歩きにくくなることも。このタイプの人は、アンクルストラップのほうがおすすめ。②親指と小指の付け根間の一番横幅がある部分が、サンダルのバンドの幅にあっているか。③甲の厚みのホールド感とフィット感はどうか。とくに、リボンや金具などバンドに装飾品がついている場合、甲の高さによっては当たってしまうこともあります。④実は、足の指の長さも人によって随分ちがいます。小指がきちんとバンド内におさまっているか。上記のことをチェックポイントに、自分の足の形を知りましょう。
❸ 買うときは足のコンディションにも気を使って
夕方になると疲れて足がむくむことがある私は、靴は夕方に買いにいくようにしています。スニーカーはそれほどでもないのですが、サンダルはむくみの影響が出やすいです。朝のすっきりとした足にぴったりでも、夕方には辛くなってくるので、購入時の足のコンディションは重要です。
※2022年4月現在の情報となります。
※表示価格は全て税込価格です。
※店舗により臨時休業や営業時間を変更させていただく場合がございます。詳細は「六本木ヒルズの営業状況について」をご確認ください。
地曳いく子|Ikuko Jibiki
スタイリスト/1959年東京生まれ。数々のファッション誌で活躍し、女優や著名人のスタイリングも数多く手がける。大人の女性を美しくみせる的確な理論に基づくスタイリング術に定評を持つ。現在は、ファッションアイテムのプロデュースほか、テレビやラジオに出演するなど多方面で活躍。著書に『服を買うなら、捨てなさい』『着かた、生きかた』(ともに宝島社)『おしゃれも人生も映画から』(中央公論新社)『買う幸福』(小学館)『おしゃれは7、8割でいい』(光文社)『日々是混乱』(集英社)など多数。
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