ファッションのご意見番ことスタイリスト地曳いく子さんが、独自の視点で切り込むオトナ女史のためのスタイル術「IKUKO’S METHOD」。今回のテーマは、小物で取り入れる秋色です。
STYLING BY IKUKO JIBIKI
PHOTO BY SHIN KIMURA
EDIT BY AKANE MAEKAWA
隠れテーマは、呼び戻せおしゃれ心
この夏、体温越えの気温にぐったりとしていたら、急に東京は20℃まで下がったりと、季節も混乱しています。もう立秋を過ぎているので、暦の上では秋。とはいえ、天気予報によれば猛烈な暑さがぶり返すそうで(執筆中のお盆過ぎ時点の話ですが……)。正直、服については、いつ何を着たらいいかというのが読めないです。しかも、気温差が激しいこの気候。私の場合、生きていくのが精一杯で(笑)、凝った服に手を出す気にもなれず……。おしゃれが、良く言えばシンプル、悪く言えば単調になっていました。そんなスタイルをぐっと格上げしてくれるのが、先取り小物の一点投入です。今回は、「秋を小物で先取りする」をお題にしていますが、実は「呼び戻せおしゃれ心」が隠れテーマでもあります。秋が進み涼しくなれば、少しはおしゃれ心も復活してくるはず。秋色小物の先取りが、そのきっかけになればいいな、という気持ちで選んでみました。
地曳いく子が考える
秋色小物を今買う理由。
❶ グリーンかブラウンの一点投入で、おしゃれ度指数が上昇
展示会も近ごろはオンラインなどバーチャルが多くなってきました。そんな中、数少ないリアルな展示会で気になったのが、グリーンとブラウン。服だけでなく、小物にも多く登場していたので、まずはこの秋色小物の一点投入で、おしゃれ心を呼び戻してみましょう。今季のグリーンはきれいなエメラルドからカーキまで、またブラウンも濃淡があり、色のバリエーションが豊富。お気に入りの色を見つけ、秋のトレンドを小物で先取りしてみましょう。
❷ 夏服にも、これからの季節にもOKなパワーアイテム
暑い日にはまだまだ着たくなるナチュラルな麻のフルレングスワンピや、白いTシャツとワイドパンツのコーディネイト。ここに、グリーンかブラウンの小物で足すだけで、真夏の感じとはちがい、ぐっと秋感が増します。もちろん、冬のグレーやネイビーのコートとも相性よし。今季のグリーン&ブラウンの小物は、夏服から冬服まで、無理なく合わせられるパワーアイテムなのです。
❸ コーディネイトは小物主体で考える
母親の時代のおしゃれルールで「靴とバッグの色を揃えなさい」と言われたけれども、もはやそんなルールは知らないうちに崩壊してしまった現代。この服だからこの色のバッグという概念に捉われることなく、今は持ちたいものを持つ。好きなものを身に着けてこそ、その人のスタイル。服主体ではなく、小物主体で考えるコーディネイトで、どんなスタイルにも合わせてしまいましょう。今季の秋色は、ベーシックカラーにも馴染みがいいです。
※ 2021年8月現在の情報となります。
※ 表示価格は全て税込価格です。
※ 六本木ヒルズ等各施設では、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、一部店舗・施設の営業内容を変更しております。 営業状況は定期的に変更がありますので、ご来店の際には事前に各施設HPをご覧ください。
地曳いく子|Ikuko Jibiki
スタイリスト/1959年東京生まれ。数々のファッション誌で活躍し、女優や著名人のスタイリングも数多く手がける。大人の女性を美しくみせる的確な理論に基づくスタイリング術に定評を持つ。現在は、ファッションアイテムのプロデュースほか、テレビやラジオに出演するなど多方面で活躍。著書に『服を買うなら、捨てなさい』『着かた、生きかた』(ともに宝島社)『おしゃれも人生も映画から』(中央公論新社)『買う幸福』(小学館)『おしゃれは7、8割でいい』(光文社)『日々是混乱』(集英社)など多数。新刊が集英社から8月末発売決定。
SHARE