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ファッションのご意見番ことスタイリスト地曳いく子さんが、独自の視点で切り込むオトナ女史のためのスタイル術「IKUKO’S METHOD」。今回は、これからの季節に持ちたいバッグがテーマです。
STYLING BY IKUKO JIBIKI
PHOTO BY SHIN KIMURA
EDIT BY AKANE MAEKAWA
時代も変われば、気持ちも変わり、バッグも変わる
昨年に引き続き、どんよりとした気分で初夏を迎えてしまった東京です。目下のところ、私が一番求めているのは、明るく軽い気持ち。ファッションでも、素材や色も軽いもので気分をあげていきたいです。今は、風の時代に入ったといわれています。それまでのモノを所有する物質中心の世界から、風のように軽やかで、情報や知識など見えないものへの価値がより重視される社会へと移行しています。さらにコロナの影響もあり、生活や仕事の仕方や価値観も変化。以前なら、重い資料を持ち歩いてバリバリと仕事をこなしていましたが、今はクラウドで資料も共有できますし、スマホかタブレットがひとつあれば打ち合わせもできてしまえる時代。普段使いのバッグについても、価値観が変わってきたと思います。ここからは、あくまでも私の個人的な意見ですが、今の気分はレザー素材以外のバッグを持って気軽に出かけたい!ラフィアやキャンバス素材のバッグで気持ちを切り替え、夏に向かって気持ちをあげていきたいのです。とういうことで、今回は、明るく軽い気持ちにさせてくれる素敵素材のバッグ(レザーの部分使いはOKとします!)を探してみました。
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アレッサンドロ・ミケーレが再解釈し、現代へとリバイバルしたグッチのシグネチャーバッグ《ジャッキー 1961》。ストロー仕上げのデザインは、より一層ヴィンテージ感がアップ。デニムからサマードレスまで活躍してくれそう。バッグ¥242,000(グッチ/六本木ヒルズ ウェストウォーク2F)
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ルイ・ヴィトンのアイコンバッグ《カプシーヌ》がベージュのキャンバス地で登場。エレガンスとカジュアルがちょうどいい感じにミックスされています。レザーストラップの内側にもキャンバス地があしらわれ、モダンで軽やか。バッグ¥643,500(ルイ・ヴィトン/六本木ヒルズ 六本木けやき坂通り1F)
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モノグラム・キャンバス仕立てのボディに、太めのストラップが付いたスポーティなクロスボディバッグ。ファスナー付きポケットが外側にデザインされ、機能性も抜群。ストラップに付いた小さなコインケースに、失くしやすいワイヤレスイヤホンをさっとしまっておきたいです。クロスボディバッグ¥357,500(ルイ・ヴィトン/六本木ヒルズ 六本木けやき坂通り1F)
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GGスプリーム キャンバスにホースビットのアクセントと、ブランドのアイコンがぎゅっと詰まったグッチらしいレトロなクロスボディバッグ。こちらもアイコンであるウェブ ストライプのストラップが、スポーティな抜け感に。もう一本、正統派のレザーストラップも付属されているので、気分次第で使い分けたいです。バッグ¥286,000(グッチ/六本木ヒルズ ウェストウォーク2F)
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ラフィアのバスケットにレザーのハンドルをあしらった《パニエ》。サンローランのアイコン《サック・ド・ジュール》に籐を編み込んだナノサイズのバッグ。どちらもナチュラルな素材感が、軽やかな気分に切り替えてくれる逸品です。右バスケットバッグ¥108,900、左バッグ※ストラップ付き¥269,500(サンローラン バイ アンソニー・ヴァカレロ/サンローラン/六本木ヒルズ ウェストウォーク2F)
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ロゴがアクセントになったバレンシアガのミニバッグたち。気持ちを元気にしてくれる明るいレッドがポイント。毎日でも持ちたいです。右バスケットバッグ¥97,900、左トートバッグ¥104,500(バレンシアガ/六本木ヒルズ ウェストウォーク2F)
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コットンニットをダイヤモンド模様に編み込み、ヴァレンティノのアイコンともいえるハンマード調のマキシスタッズがデザインされたクロシェ編みバッグ。ゴールドチェーンのストラップ付きで、ハンドルも取り外し可。ショルダー、クロスボディ、ハンドバッグと、色々なスタイルで楽しめ、どんなカジュアルな格好でもおしゃれ度がアップします。バッグ¥335,500(ヴァレンティノ ガラヴァーニ/ヴァレンティノ/表参道ヒルズ 本館1F、2F)
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ステラ マッカートニーのシグネチャーバッグ《ファラベラ》から、今季はラフィアとスエード風素材のコンビネーションが登場。モダンとナチュラルの二面性を持ち合わせたデザインが素敵です。トートバッグ¥119,900、ミニショルダーバッグ¥95,700(ステラ マッカートニー/六本木ヒルズ ウェストウォーク2F)
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赤のボーダーがかわいい小ぶりなキャンバストート。仕事にも、ご近所のお散歩にもマリン気分で。明るいカラーが、スタイルのアクセントになり、気持ちをあげてくれます。トートバッグ¥118,800(マルニ/表参道ヒルズ 西館1F)
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ナイロンメッシュのボディから、巾着のプリント模様が透けるマルニのひねりのきいたバスケットバッグ。巾着ははずすことも可能ですが、このレイヤー感が素敵なのでぜひセットで!バッグ¥129,800(マルニ/表参道ヒルズ 西館1F)
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三角形のフォルムが特徴のエムエム6 メゾン マルジェラの「ジャパニーズ」バッグ。色鮮やかなネットメッシュ素材のバッグは、気持ちも明るく軽やかにさせてくれますが、物理的にも本当に軽い!角にあしらわれたスナップをボトムで留めれば、ラウンド型に変化し、また別のイメージに。ハンドバッグ イエロー¥24,200、ブルー¥22,000(エムエム6 メゾン マルジェラ/表参道ヒルズ 本館1F)
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長さの異なるハンドルが、ハンドバッグやショルダーバッグなど、様々な用途を可能にするコットンキャンバス製の「ベルリン」バッグ。ヴィヴィッドなカラーにウォッシュ加工がされ、味わいのある雰囲気に。ショッピングバッグ ブルー¥30,800、イエロー¥28,600(エムエム6 メゾン マルジェラ/表参道ヒルズ 本館1F)
地曳いく子が今持ちたい
素敵素材なバッグ選びのコツ
❶ 心が和む自然素材が心の切り替えスイッチに
ラフィアや籐など、自然素材のものはそばに置いているだけで和みます。海や山に、大手を振って行けない今日この頃。だからこそ、自然と繋がっていたい欲望をバッグに求めてしまうようです。持つだけで、夏に向けての気持ちの切り替えになるはず。この場合、1年中持ちたいという気持ちはすっぱり捨てて。夏を楽しむためだけに選んでみてください。
❷ きれい色で気持ちをあげて
全身黒が好きな私だったんですが、この頃急に黒という気分になれず。でも、ワードローブには黒が多い。そんなときこそ、明るい色のバッグの出番です。ぱっとした色のバッグを持つだけで、元気になり、気持ちもあがります。お洋服のベースが、ベージュやモノトーンの人こそ、ぜひきれい色のバッグを持って欲しいです。
❸ ヘビロテするならコンビネーション
通勤などヘビロテするときに気兼ねなく使えるのが、レザーとのコンビネーション素材のバッグ。コットンやラフィアはやっぱり耐久性を心配してしまいますが、ハンドルやトリミングが革製なら安心。お気に入りの素敵素材バッグを手に入れたら、どこに行くにも持つことがポイント。ひと昔前は、トラッドだったらトラッド、フォークロアだったらフォークロアと、服からバッグまですべて合わせるのがスタイルでしたが、今はフュージョン。何をミックスしてもその人の自由。もう用途別でもスタイル別でもない。一番大事なのは、自分の気分なのです。
※ 六本木ヒルズ等各施設では緊急事態宣言の延長を受け、店舗・施設の営業内容を変更しております。営業状況は定期的に変更がありますので、ご来店の際には事前に各施設HPをご覧ください。六本木ヒルズおよび表参道ヒルズでは緊急事態宣言の発令を受け、一部店舗を除き臨時休業いたしております。なお生活必需品を扱う店舗および飲食店舗は一部営業しております。お客様には大変ご不便をおかけいたしますが、何卒ご了承ください。
※ 2021年6月現在の情報となります。
※ 表示価格はすべて税込み価格です。
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地曳いく子|Ikuko Jibiki
スタイリスト/1959年東京生まれ。数々のファッション誌で活躍し、女優や著名人のスタイリングも数多く手がける。大人の女性を美しくみせる的確な理論に基づくスタイリング術に定評を持つ。現在は、ファッションアイテムのプロデュースほか、テレビやラジオに出演するなど多方面で活躍。著書に『服を買うなら、捨てなさい』『着かた、生きかた』(ともに宝島社)『おしゃれも人生も映画から』(中央公論新社)、『買う幸福』(小学館)、『おしゃれは7、8割でいい』(光文社)、ひとりっPこと編集者の福井由美子との共著『たまには世界のどこかでふたりっぷ』(集英社)など多数。最新刊に『日々是混乱』(集英社)。
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