IKUKO’S METHOD

ワンピース最強説——地曳いく子のおしゃれメソッド15

ファッションのご意見番ことスタイリスト地曳いく子さんが、独自の視点で切り込むオトナ女史のためのスタイル術「IKUKO’S METHOD」。今回のテーマは一枚でスタイルを作る「ワンピース」のお話です。

STYLING BY IKUKO JIBIKI
PHOTO BY SHIN KIMURA
EDIT BY AKANE MAEKAWA

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1/10一見シンプルな5分丈袖のドレスですが、サイドにあしらわれたウェブ ストライプのデザインが個性的でスポーティ。今年のトレンド感を取り入れて、スニーカーやプラットフォームサンダルと合わせても素敵です。ドレス ¥140,000(グッチ/六本木ヒルズウェストウォーク2F
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2/10マーガレットの花柄がかわいいサンローランのロングスリーブドレス。建物の中は冷房が効きすぎているくらいなので、透け感のある長袖タイプはかなり使える一枚です。初秋にはブーツと合わせても。ドレス ¥265,000(サンローラン/六本木ヒルズウェストウォーク2F
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3/10自分をあげたい時に着たくなるきれいな色のドレス。華やかな明るさは自分だけでなく、まわりもハッピーな気分にさせてくれます。タックで作り出す立体的で流れるようなシルエットがエレガント。ドレス ¥300,000(ジョルジオ アルマーニ/六本木ヒルズけやき坂通り1F
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4/10ヴィンテージライクな色合いと素材の切り替えがポイント。スリーブの透け感が軽やかさを演出してくれます。サンダルからブーツまで足もとの変化で長い間活躍してくれる一着。ドレス ¥253,000(クロエ/表参道ヒルズ本館1F
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5/10深いVの胸元がすっきりとしたフェミニンなドレス。一枚だとロマンティックなムードですが、ウエストにベルトを巻き付ければ今年らしいスポーティさがプラスされます。ドレス ¥285,000、ベルト ¥86,000(ボッテガ・ヴェネタ/六本木ヒルズウェストウォーク2F
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6/102枚を重ねたようなアシンメトリーかつジオメトリックなヴァレンティノのドレス。インパクト大なデザインですが、モノトーンなので着ると馴染みもいいです。この個性を着倒してください。ドレス ¥645,000(ヴァレンティノ/表参道ヒルズ本館1F、2F
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7/10ウエストのシャーリングのデザインがメリハリのあるシルエットを作るエレガントでコンフォータブルなドレス。軽くてしわになりにくく、くるくるとしてスーツケールに入れ持っていけるので、朝からディナー、ビーチサイドと旅先で大活躍してくれます。ドレス ¥155,000(サルヴァトーレ フェラガモ/六本木ヒルズけやき坂1F
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8/10フェラガモのシグネチャー「ガンチーニ」が肩とポケットにさりげなくあしらわれたドレス。この絶妙な色合いがサンタフェな気持ちにさせてくれます(笑)。オフの日はこの一枚を着てのんびりと過ごしたいです。ドレス ¥220,000(サルヴァトーレ フェラガモ/六本木ヒルズけやき坂1F
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9/10ビーチサイドのガーデンパーティーに着ていきたい映画のヒロイン気分になれる一枚。パーティーだけでなく、カジュアルに足もとを白のハイカットスニーカーにしても似合います。ドレス ¥291,000(ステラ マッカートニー/六本木ヒルズウェストウォーク2F
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10/10変りストライプがアクセントになったシャツドレス。シンプルなシャツドレスは意外と難しいので、このくらいデザインがあったほうが着こなしやすいです。上までボタンを留めてもいいですし、胸元を開けて袖をロールアップしても。足もともサンダルからブーツ、ローファーと何でも似合います。色々なバランスで着こなせる一枚。 シャツドレス ¥58,000(ボス/ボス ストア/六本木ヒルズけやき坂1F

この一枚を着た私は最強

気温や気候が定まらず、楽しかったGWも過ぎ去り仕事に邁進中のこの時季。プライベートで楽しいことを考えても、夏のバカンスに向けてはまだ少し遠い……。なのに何かと忙しいこの頃。たまにはおしゃれをさぼりたくなってしまいますよね。私自身ファッションを生業としていても、ファッションを考えられない忙しさや気分はあるもの。でもおしゃれはしたい!そんな時の最強アイテムがワンピースです。一枚で個性を表現でき、着ればスタイルを仕上げてくれるのですから。今回は、コンサバお嬢様だけには任せておけない今年のワンピースを、ミニ、アラウンド膝丈、ロングの3タイプで集めてみました。ぜひ、「このワンピースを着た私は最強」と思える一枚を探してください。

地曳いく子のワンピースセレクト道

❶ その時の自分の分身と思うべし

ワンピースは毎年買うアイテムのひとつ。でも過去を振り返ると、5年前ぐらいまでのワンピースを着ることはありますが、5年以上となると似合うものが少ないものです。それは自分も時代も変わっているから当然。組み合わせで着るものではないので、より際立ってその時の自分がみえてしまうのです。それだけワンピースというアイテムは個性が強いもの。でも悪いことではなく逆手にとって考えると、一枚で自分を表現できるアイテムでもあるのです。だからこそ自信を持たせてくれ、強い気持ちになれるのです。

❷ 狙い撃ちで一枚勝負

基本的にワンピースは一枚勝負。カーディガンやジャケットを重ねたりもしますが、一枚で決まるデザインを選ぶのがおすすめ。せっかく一枚で勝負できるのに、またあれこれとコーディネイトを考え始めると気持ちがぶれてしまいます。ただしワンピース単体がパーフェクトなだけではダメです。着た自分にとってパーフェクトでなくては意味がありません。「このワンピースかわいいのに、どうもしっくりこない」となったら最悪です。一枚完成形のワンピースでは買った後どうにもなりませんから。とにかく買う前は納得いくまで試着。ちょっとでもあれ?と思ったらやめたほうがいい。でも出合ってしまったら、たとえお値段が張り今年買うのがそれ一枚になったとしても買うべし。枚数を多くせず狙い撃ちするのがワンピースセレクト道。その心構えで探すと、最強の一枚が見つかるはずです。

❸ トップス+ボトムス=ワンピース

単品で考えると意外とお値段が張るのも事実。でも一枚で完成形を目指すことができるので、トップスとボトムスを足した値段を掛けられると思ってみてはどうでしょうか。そう考えれば結構コスパが良く思えてきませんか?一方でいつも同じになってしまうと心配する人がいるかもしれません。そういう時は、足もとで変化を付けてください。ドレスシューズからスニーカー、サンダルと、同じワンピースでも合わせる靴次第でかなり印象が変わってきます。

❹ 色物が苦手な人はワンピースから

色物が苦手という人は、まずワンピースで色に挑戦するのも手です。なぜなら、コーディネイトする必要がないからです。きれいな色に挑戦してみたいけど、自分の持っている服との組み合わせを考えるとどうも……と悩む心配もありません。一枚勝負のワンピースだからこそ冒険もでき、意外な自分を発見できるのです。

profile

地曳いく子|Ikuko Jibiki
スタイリスト/1959年東京生まれ。数々のファッション誌で活躍し、そのキャリアは30年超えを誇る。数多くの女優のスタイリングも手がけ、大人の女性を美しくみせる的確な理論に基づくスタイリング術に定評を持つ。独特の語り口も魅力で、現在はテレビやラジオでのコメンテーターとしても活躍中。著書に『服を買うなら、捨てなさい』『着かた、生きかた』(ともに宝島社)など多数。最新作に『脱「若見え」の呪い “素敵なおばさま”のススメ』(マガジンハウス)。