J-WAVE(81.3FM)と六本木ヒルズによるフリーイベント『J-WAVE & Roppongi Hills present TOKYO M.A.P.S origami PRODUCTIONS EDITION』が5月4日(土)5日(日)、東京・六本木ヒルズアリーナで開催される。プログラム・オーガナイザーを務めるのは音楽レーベル「origami PRODUCTIONS」。両日共にタイムテーブルの枠を超えて行われるセッションなど、新しい試みも予定されている。出演アーティストの一人であるNenashiさんに話を聞いた。
TEXT BY Mariko Uramoto PHOTO BY Kei Sakakura
枠にはまらない、自由な音楽を届ける
『TOKYO M.A.P.S』は音楽、アート、パフォーマンスを様々な表現で発信するイベントとして2008年にスタート。毎年プログラム・オーガナイザーを迎え、その年のテーマに沿ったアーティストが出演し、パフォーマンスを披露している。今年のプログラム・オーガナイザーは、クリエイターチーム/インディペンデント音楽レーベル「origami PRODUCTIONS」。16回を数える『TOKYO M.A.P.S』の中で、音楽レーベルがプログラムオーガナイザーを務めるのは今回が初。origami PRODUCTIONSとはどんなレーベルなのか——所属するNenashiさんに聞いた。
「2000年代、渋谷を中心に繰り広げられていたフリーのジャムセッションシーンにいたミュージシャンが集い、創設されたのが origami PRODUCTIONSです。フリーのセッションはロックやジャズといった明確なジャンル分けはなく、カテゴリーにはまらない。そういった自由さを愛するミュージシャンが所属しています」
Nenashiさん以外に、Ovall(Shingo Suzuki、mabanua、関口シンゴ)やKan sano、Michael Kanekoといった腕利きのミュージシャンが名を連ねる。それぞれがプレイヤーであるだけでなく、プロデューサーやトラックメイカーなどいくつもの顔を持っている点も特徴だ。Nenashiさん自身、シンガーとしてHiro-a-keyとNenashiという二つの顔を持ち、国内外のアーティストのプロデュースや客演、作詞を手がけるなど幅広く活動している。
「僕だけでなく、ほかの所属アーティストも他レーベルのミュージシャンやプロデューサーとの関わりの中で音楽の引き出しを増やしてきました。それぞれのフィルターを通し、培った世界観を織り交ぜて、共に音楽を作り上げています」
Nenashi シンガー/ラッパー/プロデューサー。アメリカ、カナダ、ブラジル、バハマ、アルゼンチン、韓国、香港、タイ、カザフスタン、フランス、イギリス、ドイツ、スイスなどさまざまな国や地域を転々と旅する“根無し草”から命名。2019年3月に「Lost in Translation」でデビュー。Hiro-a-key名義でも活動し、同名義でアルバムをリリースするほか、冨田ラボ、黒澤 薫(ゴスペラーズ)、CHEMISTRY、土岐麻子、BIGYUKI、黒田卓也、AmPm、Fat Jonなど国内外で活躍するさまざまなアーティストと共演。ドラマの劇伴、企業CMでの歌やナレーションでも活躍中。
origami PRODUCTIONS主催のイベントはこれまでにも開催されてきたが、都心のオープンエアという環境で、さらに無料ライブというのは今回が初めて。
「僕たちもすごく楽しみにしています。六本木という場所柄、国内外の観客と地元の方々が一緒になって楽しんでもらえたら」
イベントのテーマには「グルーヴ」と掲げた。それはorigami PRODUCUTIONSが大事にしてきた言葉でもある。
「グルーヴとは、身体を動かしたくなる感覚と同時に楽しさを呼び起こすこと。メロディーやリリックとはまた違う音楽の魅力を感じてもらえたらうれしいです。気持ちのいい音楽が聴こえてきて、ノリたくなったら身を委ねる。言葉や文化を超えて、さまざまな人に自分たちのグルーヴを届けたいです」
所属アーティスト以外にも七尾旅人、さかいゆう、U-zhaan、さらさ、BIGYUKIなど、origami PRODUCTIONSと関わりの深いミュージシャンも出演。また、それぞれのソロでの演奏のほかに藤原さくら、Mummy-D、森山直太朗といった豪華なゲストアーティストを迎え、ここでしか見られないスペシャルセッションを予定している。
「一般的な野外フェスでは対バン形式で、それぞれのアーティストが自分の曲を演奏して終わりということが多いと思うのですが、origami PRODUCTIONSの強みはセッションなので、アーティスト同士の共演も楽しみにしてもらいたい。ただ、僕たちも音を出すまでどうなるのかわからないので(笑)、その分、緊張もありますが、すごくワクワクしています」
Nenashiさんは学生時代をアメリカで過ごし、その後世界各国を旅する中でさまざまな音楽に触れてきた。中でもブラジルで体験したできごとが今回のTOKYO M.A.P.Sに重なるという。
「ブラジル・リオのブロックパーティに観客として参加した時のこと。そこではアーティストも観客も一緒になって歌ったり、踊ったりする場面があり、“音楽ってこういうことだよな”と思ったんです。僕はブラジルの音楽にあまり詳しくはなかったけれど、あの楽しい時間が今でも強く記憶に残っています。開放感に溢れたTOKYO M.A.P.Sでも、そんな体験ができるのではないかなと思います」
開催日・出演アーティスト5月4日(土) Kan Sano、Michael Kaneko、七尾旅人、さらさ Special Sessionゲスト:中村佳穂、Mummy-D5月5日(日)U-zhaan, BIGYUKI》、Nenashi、Ovall、さかいゆう Special Sessionゲスト:藤原さくら、森山直太朗時間=11:40〜19:50(予定)会場=六本木ヒルズアリーナ料金=無料主催=J-WAVE(81.3FM)、六本木ヒルズお問い合せ=六本木ヒルズ総合インフォメーション 03-6406-6000
#TOKYO M.A.P.S #六本木ヒルズ
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