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夏休み企画! 福音館書店が選ぶ、港区エリアで訪ねたい「わくわくする場 & 学びの絵本」6選

夏休みは、子どもたちの「わくわく」を刺激する場所へ——。家に帰ったらそこにまつわる絵本を開いて、さまざまな発見や疑問をさらに深く知るたのしみを伝えたい。今回は絵本・児童書の出版を手がける「福音館書店」がセレクトした絵本6冊と一緒に、親子で港区エリアを歩いてみよう!

illustration by Natsuki Camino
edit by Miho Matsuda

❶ 大好きなロボットと一緒に世界の旅へ
—— さくら坂公園(ロボロボ園)

「75本の桜並木が続く、静かな散策路に隣接するさくら坂公園のシンボルは、カラフルなたくさんのロボットたち! ロボット好きの子どもたちにおすすめしたいのが、大きなロボットに乗って世界中をめぐる『ぼくのロボット大旅行』です。海に潜ったり、空を飛んだりしながらの世界旅行は、とても楽しそう! 各地の珍しい植物や生きものもたくさん登場し、想像力が大いに刺激される作品です」 『ぼくのロボット大旅行』松岡達英・作

❷ 緑豊かな公園でセミと友達になろう
—— 有栖川宮記念公園

「都心にあるとは思えないほど、緑いっぱいの有栖川宮記念公園。夏には、鳥や昆虫たちが元気いっぱいに活動し、セミたちの声もにぎやかに響きわたります。『ぼく、あぶらぜみ』は、そんなセミたちの一生を優しく描いた1冊です。長い時間を土の中で過ごし、生まれてから5年目の夏にやっと羽化するアブラゼミ。その生態を知ると、セミの声もまた違った聞こえ方をしてきます」 『ぼく、あぶらぜみ』得田之久・文/たかはしきよし・絵

❸ 都会の中にあるお寺は、東京の歴史の宝庫
—— 麻布山 善福寺

「日本の歴史や伝統、文化を現代に語り継ぐ、街のお寺。子どもたちにとって、そんなお寺やお墓はちょっと怖いけれど、興味を惹かれる場所なのかもしれません。お寺や和尚さん、小僧は、昔話にも、とてもよく登場しますね。この『さんまいのおふだ』も、お寺の小僧や和尚さんが登場する1冊です。おそろしい鬼婆をやりこめる、ちょっととぼけた表情の和尚さんが魅力的です」 『さんまいのおふだ』水沢謙一・再話/梶山俊夫・画

❹ 縄文時代から現代まで地域の歴史を学ぼう
—— 港区立郷土歴史館

「昨年開館した郷土歴史館では、縄文時代から現在までの港区の自然・歴史・文化を学ぶことができます。建物は東京大学の内田祥三教授によって設計され、昭和13年に建設された旧公衆衛生院を保存・改修しています。おうちに帰って読んでいただきたいのは、『絵で見る 日本の歴史』です。縄文時代から昭和までの人々の暮らしを、丹念に描きこまれた絵で、一望することができます」 『絵で見る 日本の歴史』西村繁男・作

❺ 美術館ではどんな人が働いているんだろう?
—— 森美術館

「現代アートを中心に、建築やデザインなど、世界各地の作品に出会うことができる森美術館。親子で一緒に展覧会を鑑賞したあとは、絵本を開いて、美術館の舞台裏をのぞいてみましょう。私たちが美術作品を楽しめるのは、美術館で働くたくさんのプロたちのおかげだとわかるはず! 美術館に足を運ぶことが、今まで以上に楽しくなる1冊です」 『美術館にもぐりこめ!』さがらあつこ・文/さげさかのりこ・絵

❻ 都会のまんなかで四季折々の自然を観察
—— 国立科学博物館附属自然教育園

「コナラ、カシ、ミズキなどの落葉樹や常緑樹、水辺にはススキやヨシが広がる附属自然教育園。四季折々の植物や昆虫に親しむことができる場所です。自然観察が好きで、じっくりと生きものや植物を見てみたいお子さんには、『自然図鑑』を。海や山、街中で、いろいろな動植物と出会うためのコツ、観察するために必要なものや手順を紹介。自然観察の相棒になる1冊です」 『自然図鑑』さとうち 藍・文/松岡達英・絵

月刊科学絵本「かがくのとも」は今年創刊50周年。8/23(金)~9/8(日)にはアーツ千代田3331にて特別展「あけてみよう かがくのとびら展」を開催。

profile

福音館書店
1956年に月刊物語絵本「こどものとも」を創刊し、それから60年以上にわたり『ぐりとぐら』『魔女の宅急便』『エルマーのぼうけん』など、たくさんの人に愛される本を生み出している。

※初出=「HILLS LIFE」プリント版2019年7月1日号