その道のプロフェッショナルな人はどんなモノ選びをするのだろう? 熟成肉のスペシャリスト高山いさ己さんとインテリアスタイリストの官野亜海さんを迎え、お届けしている「プロのもの選びに学ぶ」。今回は高山さんのインテリアにまつわる2つのリクエストに、官野さんが六本木ヒルズで応えます。
Text & Edit by Mio Koumura
Photo by Machiko Horiuchi
字が上手くなるペンなんてある?
文房具も揃う『六本木 蔦屋書店』へ
訪れたのは、『六本木 蔦屋書店』。9時から23時まで営業する同店は、書籍はもちろん、ラウンジも併設するエリアの居住者や働く人々にとってのオアシス的な存在です。
カジュアルからハイブランドまで、センスのよいラインアップが揃う文房具の売り場。「レオナルド」や「ウォーターマン」「S.T. デュポン」などが並ぶショーケースには、ボールペンと万年筆が。
「私はちょっとだけ緊張感があって、仕事をする時に気分が上がるので、ラフを書く時などにも万年筆を使っているんです」といつも愛用しているペンを見せてくれた官野さん。
「でも万年筆は水性なので、今回のリクエストだとボールペンの方がふさわしいかもしれません。芯の交換をして長く付き合えるペンがいいですよね」とボールペンを物色していると、レジ回りをスマートに見せる置き型ペンを発見。「ただペンを置くのではなく、インテリアとして考えてもいいですよね。レジ回りは実用的になりやすいので、オブジェのように置いてあると雰囲気も変わります」
また、鮮やかな色もレジ回りを華やかにするということから、「ヴィスコンティ」にも注目。ゴッホの名画にオマージュしたペンコレクションなど数本を選び、「パッと手にとって、サラサラとかけるものを選びますね」と試し書き。「ちょっとしたことですが、ものを通してその空間やお客さんを大切にしている気持ちって伝わりますよね」。そんな書き手も受け取る人も嬉しいペンを選んでいただきました。
吸水性か、ふわふわか。新しいタオルを
「UCHINO TOUCH」「カシウエア」で見つける
次は二つの異なるタイプのタオルへのリクエストを叶えるため、2店舗を巡ることに。これまでもさまざまなタオルを試し、今年は“1年経ってもふわふわが感じられる”というお気に入りのタオルに総変えしたという官野さん。
最初に訪れたのは、ライフスタイルショップ「UCHINO TOUCH」。“軽さ”と”柔らか”を追求しながら、糸や織り方にこだわり、触れた瞬間の心地よさを体感できるタオルを常時20種以上取り揃えています。
ずらりと並ぶ中でも、至宝と名付けられたタオルはフェイスタオルの大きさで、なんと2万2千円。タオルとしてはあまり使われない超極細の系を使って時間をかけて丁寧に織られていて、官野さんも触った瞬間「気持ちいい」という言葉が漏れるほど。価格も触り心地もさまざまなラインアップに、「1枚1枚に触れ、直感的に選ぶことができるのは嬉しいですね。癒されますし、すごく幸せな気持ちになります」。
続いて、カシミアのような触り心地と速乾性・保温性を兼ね備えた独自素材の専門店「カシウエア」へ。ふわふわでお馴染みのカシウエアですが、タオルはオーガニックコットンと竹繊維で編んだ「カシウエア グリーン」の1種類のみ。
「(品質表示を見て)竹が75% と、竹の方が多いんですね。それなのにしっとりしていて柔らかい」と話していると、ふと店の棚に同素材のカバー付き枕を発見。なめらかな肌触りのため、枕カバーやガウンとしても展開されているそう。プレーンだけではなく、ハワイアンキルト柄やブランドの頭文字「K」を散りばめた柄など、さまざまなデザインと幅広い色から選べます。
「タオルって手取り早くできる衣替えだなと思っていて。インテリアを変えるのはハードルが高いですが、洗面所や水回りに色を取り入れるだけで季節感が感じられ、雰囲気も変わります。夏だったら涼しめの色、秋だったら栗のようなこっくりとした色、というようにいつものベースに色を取り入れるだけで気分も変わって気持ちがよく過ごせますよ」
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