UVカットや遮熱効果で快適に過ごせるから、夏のお出かけに日傘はマスト。せっかくだからと、お気に入りの1本を買った人もきっといるだろう。長く使い続けるためにはホームメンテナンスも知っておきたいもの。そこで六本木ヒルズにある傘のスペシャリティストア「HANWAY」を訪ねた。
TEXT BY NAO KADOKAMI
PHOTO BY KOICHI TANOUE
日傘を美しく保つためのちょっとしたケア
日傘の下はささやかな自分だけのオアシス。パラソルを開けば、じりじりと日が照りつける日も日差しから守ってくれる、夏の必需品だ。ただし、いつもの何気ない使い方が、日傘の寿命をちぢめていることも実は少なくない。
「あくまで生地ものですから永久に保つことはありえません。それでも、日々の使い方に心配りをしたり、気付いたときにメンテすることで、長持ちするはずです」と六本木ヒルズの「ハンウェイ」広報の星山恵美さん。今回は星山さんに大切な日傘を美しく使い続けるために、知っておきたいTipsを教えてもらった。
【日傘の閉じ方 1】布地は2本の指でつまんでたたむ
雨傘でもやりがちだが、キュキュッと手でひねって束ねるのはタブー。特にハンドクリームなどを付けていると、手の油分が布地にうつってしまい、生地の変色や表面の撥水性を低下させる原因に。日傘を閉じたら、まずは親指と人差し指で引っ張るようにつまみ上げて、コンパクトにたたむのがポイント。
【日傘の閉じ方 2】バサバサッと払うのは厳禁
たたむ前に埃などを払うために、バサバサッと開閉を繰り返したり、手首をひねって振り落とそうとすると、日傘の先端部分に余計な負担をかけることになる。布地を寄せ集める中枢部である先端部分を傷めると、日傘そのものの劣化につながる可能性も。宙に浮かせた状態で上下に振って埃を落とすのがスマート。
【日傘の土汚れ】洋服を洗う感覚でホームクリーニング
布地の汚れが気になったら簡単に家で洗ってもいい。洗面器にぬるま湯を張り、洗剤を1〜2滴たらしてから、布地の縫い目が引っかからないようソフトタイプのスポンジでぬぐう。その後庭先で陰干しするかバスルームの浴室乾燥機で乾かす。ここでも先端に水分がたまると、布地が黒ずむ原因になってしまうそう。
【日傘の収納】家では日にあたらない場所で保管
日傘を入れる傘立てが日当りのいい玄関にあるなら要注意。布地は日光で日焼けしてしまうので、収納時は必ず日のあたらない場所で保管を。また持ち手のハンドルが竹や木などのナチュラルタイプの日傘は、日が当たると素材が歪曲・伸長することもあるのだとか。日傘シーズンが終わったらクロゼットなどの中に入れておくと安心。
【日傘の豆知識 1】UVの100%カットは原理的に不可能
「ハンウェイ」の日傘のUVカット率は約99%と、ほとんど遮断。でも、ちなみに残りの1%って? 「生地を縫う縫製製品なので、当然針の穴は空く。この穴から入るUVが遮断しきれない1%です」(星山さん)。それも職人による手仕事から生まれた日傘ならでは、ということ。
【日傘の豆知識 2】日傘の“寿命”はどのくらい?
1本の日傘はどのくらい長く使えるのだろう? 当然使う頻度などによって左右されるが、遮熱遮光タイプなら布地にラミネートしたフィルムがはがれ始めたり、布地の折り目部分が筋状に色落ちする“山焼け”が始まれば、そろそろ新しい日傘を探すタイミングかも。
クラシックなものから高機能性まで
約25種類の日傘が登場
今年「ハンウェイ」からは約25種類の日傘が登場。“人を護り、人を絵にする”のテーマを思わせる、総レースの工芸品のようなものから、晴雨兼用でどんな天候にも対応できるものまでさまざま。「ライフスタイルに合ったものをぜひ選んでいただければ。暑いのは大変ですが、お気に入りの日傘があるだけですこし心持ちも変わるはずです」(星山さん)。気付いたときのお手入れはもちろん、夏しか差せない喜びを存分に味わって。
星山恵美|Emi Hoshiyama
「ハンウェイ」 六本木ヒルズ店広報担当。「シーズン中にたくさん差して、日傘ライフを楽しんでほしいです」。店舗の視察に訪れたついでに自らの傘を買い足すこともあるほどの傘好き。
SHARE