クリエイティブな人たちは、得てして時間の使い方がうまい。なかでも、1日や2日という短期間で、驚くほど効率的に旅をする人は、セルフマネージメントの達人と言えるだろう。そうした賢人たちの行動例から、週末小旅行のアイデアを学ぶシリーズ。第1回目のゲストは、メディアデザイナーの水口哲也さん!
TEXT BY Tomonari Cotani
——水口さんは、これまで、どのような場所に、どのようなスケジュールで「週末旅」や「日帰り旅」をしてきたのでしょう? 可能な限り、具体的な時間を記していただきながら、ご説明してください。
水口 僕が大好きなのは、沖縄県の阿嘉島です。最近は行けていないのですが、多いときは、年に数回訪れます。いつも1泊2日が多く、何度か日帰りで行ったこともあります。スケジュールはおおよそ以下のような感じです。
1日目(例えば土曜日)
朝6:00台の飛行機で、羽田から那覇へ。
那覇空港到着後、泊港へ。
10:00発のフェリーで阿嘉島へ渡る。
11:00到着。着いたら海に潜ってシュノーケリング。もし波があったら、サーフィン。
地元の人に頼んで、無人島に渡してもらう。
そこで音楽を聴きながら、昼寝。
★日帰りの場合
16:00発のフェリーで、阿嘉島から那覇へ戻る。那覇市内で食事。
20:00の飛行機で帰京。
22:30羽田空港着。帰宅。
★1泊の場合
夕方、海辺の露天風呂で夕焼けを見ながら一杯。夜、泡盛を飲みながら、阿嘉大橋の上で天の川を見る。
宿で波の音を聞きながら、眠りに落ちる。
2日目(例えば日曜日)
早朝、島を歩いて散歩。波があったらサーフィン。なければ自転車を借りて島内散策。
暑くなってきたら、海辺の木陰で本を読んだり、音楽を聴きながら考えごとをする。
16:00発のフェリーで、阿嘉島から那覇へ戻る。那覇市内で食事。
20:00の飛行機で帰京。
22:30羽田空港着。帰宅。
——どのような気分になったとき、ショートトリップへ出られるのでしょうか?
水口 何か決断しなくてはいけない時や、アイデアを頭の中でぐるぐる回している時。移動しながら考えると、考えがうまくまとまるので。
——ショートトリップに出ると、何を得ることができますか?
水口 コントラストです。半日の移動だけで、真っ青な海と無人島に辿りつけるので、この移動中に考えごとをすると、だいたいアイデアがまとまります。自宅やオフィスで考えるアイデアを、自然の風景の中で再確認するという目的もあります。
——もし、いま3日間の余裕があるとしたら、どこへ行ってみたいですか?
水口 瀬戸内海を眺めながら、自転車でしまなみ海道をゆっくり回りたいですね。
水口哲也|Tetsuya Mizuguchi
レゾネア代表/enhance games, CEO/慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科(KMD)特任教授。ヴィデオゲーム、音楽、映像、アプリケーション設計など、共感覚的アプローチで創作活動を続けている。2001年、「Rez」を発表。そのVR拡張版である「Rez Infinite」(2016)は、世界最大規模のゲームアワードThe Game Awards 2016のBest VR Game賞を受賞。全米プロデューサー協会(PGA)トHollywood Reporter誌が合同で選ぶ「Digital 50」(世界のデジタル・イノヴェイター50人)の1人に選出。
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