ACROSS ASIA AND AROUND THE WORLD

「AdAsia」はSaaSソリューションで、アジアから世界へ挑む 連載|未来への挑戦者たち16

2016年にシンガポールで起業。アジア各国に拠点を展開した後、17年に東京オフィスを開設。AIを活用したSaaS(Software as a Service)ソリューション事業で、アジアから世界を見すえるチェレンジを支え続けるものとは? CEOの十河宏輔氏に聞いた。

TEXT BY Kazuko Takahashi
PHOTO BY KOUTAROU WASHIZAKI

インフルエンサーと広告主をつなぐ

AIを活用したインターネット広告事業を展開するアドアジアホールディングス(当時)が、昨年4月に東京オフィスを開設した。同社の創業は2016年4月。シンガポールを本社に、2年足らずでタイ、インドネシア、ベトナム、台湾、カンボジア、香港、中国、そして日本に拠点を立ち上げクライアント数を急拡大している。

「フェイスブックなど多くの広告配信プラットフォームが存在する中、広告主や広告代理店は、プラットフォームごとに契約や配信設定を行っていました。弊社は複数のプラットフォームを一括してマネジメントできるプロダクト『AdAsia Digital Platform』を提供しています」と、十河宏輔さん。差別化のカギは、ローカルの有力媒体とのネットワーク。インフルエンサーマーケティングに特化したプロダクト「CastingAsia」もローカルインフルエンサーとのマッチングを得意とする。SNSのフォロワー数や発信者の知名度に依拠する旧来の手法に縛られないことで、コアな層に訴求力のあるインフルエンサーの開拓にも成功している。

「象徴的な例があります。ある広告代理店は、化粧品会社にネットアイドルをインフルエンサーとして推薦しました。ところが彼女のフォロワーの85%は男性で、化粧品の購買につながるとは考えにくい。弊社は消費行動の起点になり得るインフルエンサーの発掘を可能にしています」

シンガポールで起業。日本へ、そして世界へ

「人材、金融、不動産など、マッチングが肝となる業界は多い。AIを駆使した弊社のテクノロジーなら最適解が導き出せるうえ、属人的になりがちなマッチングの透明性を高められる。『アジアNo.1広告会社、そして世界へ』というスローガンを掲げてスタートした会社ですが、ビジネスは広告領域にとどまりません。HR領域の新事業「TalentMind」も2018年1月にスタートし、AIの機能強化のためにエンジニアの採用も進めています」

両親ともに経営者の家系で、早くから起業を志したという十河さん。前職のマイクロアド社では、20代でアジア6カ国の現地法人立ち上げとCEOを担った。

「アジアでのビジネス経験を糧にしてシンガポールで起業しました。スタートアップのリーダーとして意識するのは、チャレンジに前向きな企業文化を醸成すること。半期に一度社員総会を開き、チャレンジマインドを社員と共有しています」
 
創業時2人だった社員数は現在約270人。今後も多様な人材を増やしていく。「AIは人の仕事を奪うのではなく、仕事の生産性を高めて暮らしをスマートにする。その実感を提供し続けていきたい」


アドアジアジャパン株式会社

profile

十河宏輔|Kosuke Sogo
2016年アドアジアホールディングスCEO & Co-founder就任。2018年1月にAnyMind Groupと名称を変更し、AdAsia Holdings、CastingAsia、TalentMindの事業会社を傘下とする組織改編を実施した。

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