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「エボラブルアジア」は〈アジアの架け橋〉を目指す 連載|未来への挑戦者たち15

国内航空券のインターネット販売に特化したオンライン旅行事業や訪日旅行事業、アジアでIT開発を行うITオフショア開発事業、投資事業を展開する「エボラブルアジア」の、〈One Asia〉を見すえた挑戦とは? 代表取締役社長の吉村英毅氏に聞いた。

TEXT BY Kazuko Takahashi
PHOTO BY KOUTAROU WASHIZAKI

アジアという、巨大なひとつの経済圏

エボラブルアジアの社名は、「Evolve(進化)」と「Able(可能性)」、アジアの3語をかけ合わせている。企業理念は、
「One Asia」。アジアが巨大な一つの経済圏として世界をリードする時代に向けて、人・仕事・お金の移動を支えるビジネスの成長と、アジアへの貢献を目指している。同社を率いる吉村英毅さんは、中学生の時にビル・ゲイツの存在を知り、起業を決意。東大在学中に実現した。

「偉人伝を読むのが好きで自分も成長したい、成長して新たな景色を見たいとの思いで事業を開拓してきました。モチベーションは今も変わりません」

2016年3月、東証マザーズ上場。17年3月、わずか1年で東証1部に市場変更。オンライン旅行事業・訪日旅行事業・ITオフショア開発事業・投資事業の4軸で成長を続ける。国内航空券の販売額はオンライン旅行社最大手だ。

「国内線は長く寡占市場でしたがLCCの参入が進み、15の航空会社が競う市場となりました。当社は市場の創成期から国内全キャリアの航空券を比較検索・予約できる仕組みを構築。その一つである比較検索サイト『エアトリ』は、旅行はもとよりビジネス利用も急伸しています」

東南アジアを拠点に更なる飛躍へ

訪日旅行事業では、訪日旅行客向けキャンピングカーレンタル、外貨両替、民泊サイト「エアトリ民泊」の運営、海外旅行社への国内航空券提供などを行う。

「民泊関連は外資系のプレーヤーが強い市場ですが、信頼性の高い宿泊情報の提供、移動に欠かせない航空券・新幹線の同時提供など、和製プラットフォームの強みを発揮し、支持層を広げています」

ITオフショア開発事業はベトナムに現地法人を構え、800名超のITエンジニアを正社員で雇用。その規模は東南アジアで日系最大を誇り、IT部門の強化を目指す日系企業からの引き合いが絶えない。

「日本のIT開発市場は年間10兆円と言われています。このうちオフショア市場は僅か1%。欧米の比率と比べると1/10です。人口減少で日本人エンジニアの数が需要に追いつかない中、ITリソースの発掘は喫緊の課題。2020年までにオフショア人材を数千名に増やす計画です」

こうしたIT系ネットワークは、技術革新が不可欠なオンライン旅行事業や訪日旅行事業とのシナジーも生んでいる。

「M&Aを重ねてきた当社社員のバックグラウンドはさまざまですが、『終わりなき成長を目指す』という目標を共有しています。1部上場によってBtoBセールスや大企業との事業提携が行いやすくなっており、よりスピード感をもって、先々は国際線市場での飛躍も狙いたい。アジアの発展の一翼を担う企業を目指します」


株式会社エボラブルアジア

profile

吉村英毅|Hideki Yoshimura
株式会社エボラブルアジア 代表取締役社長。東京大学在学中にValcomを創業。2007年旅キャピタル(現・エボラブルアジア)を大石崇徳氏(現・同社会長)と共同創業、代表取締役社長に就任。16年東証マザーズ上場。17年東証1部に市場変更。

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