世界にわずか400数十名しかいないワイン界の最高資格「マスター・オブ・ワイン」の称号を日本で唯一保持し、また世界最大級の日本酒審査会「インターナショナル・ワインチャレンジ・ロンドン」で最高議長を務める大橋健一氏がセレクトしたワインや日本酒が並ぶ『インタートワイン ケーエム 山仁』。麻布台ヒルズ マーケットにあるこの店で、ビギナーでも安心して購入でき、クリスマスパーティーなどで話題になりそうな、エチケットが個性的なワインや日本酒をセレクトしていただきました。乾杯の泡から白、赤、日本酒まで、ホリデーシーズンにぴったりな1本をご紹介します。
TEXT BY TAKASHI TSUCHIDA
PHOTO BY HIDEHIRO YAMADA
EDIT BY TM EVOLUTION.INC
“ジャケ買い”も相談に乗ってくれる、懐の深いワインショップ
「素敵なラベルだけど、中身は大丈夫かな……」。きっとワイン選びで、誰もが一度は感じたことのある不安だ。そんな心配がまったく無用なのが、麻布台ヒルズの酒販店『インタートワイン ケーエム 山仁』である。
「可愛いラベルのワインを探しています」
「星のマークが付いたボトルはありますか?」
同店ではこうしたユニークなリクエストにも、ソムリエの資格を持つプロフェッショナルが、丁寧に対応している。
「ラベルデザインは、造り手の思いやメッセージが詰まった大切な要素です。お客様がデザインに興味を持ってくださることは、とても嬉しいことです」と語るのは、スタッフの松木リエさんだ。「ただし、当店に並ぶワインは全て、大橋健一が実際に試飲して、品質を確認したものばかり。デザインの魅力のみならず、中身の確かさも保証されています」
世界が認めた目利きが手掛ける特別なワインショップ
大橋健一氏は、この店を運営する代表取締役であり、全世界でわずか400数十名、日本人では唯一、「マスター・オブ・ワイン」に輝く、ワイン界では知らない者がいないほどのオーソリティ。その大橋健一氏自ら厳選しているのだから、間違いはない。
ボトルの販売価格は2,000円台からプレミアムクラスまでと幅広く、予算に応じた提案も可能。店頭ではフランス、イタリア、日本を中心に、世界各国から届いたワインが並ぶ。
“インタートワイン”という店名には、深い意味が込められている。“絡み合う”を意味する英語「Intertwine」から名付けられ、“ケーエム”は大橋健一氏(K)と、トップソムリエの大越基裕氏(M)によるコラボレーションを表している。この命名には、ニュージーランドの著名なマスター・オブ・ワイン、サム・ハロップ氏のアドバイスもあった。世界的な権威たちが、この店の誕生に関わってきたのである。
酒類卸売業として、既に100年の歴史を誇る『山仁』が手掛けるこの新業態店では、約1,040種類のワインと約120種類の和酒(日本酒、焼酎)が揃う。もちろん、一般の店舗ではなかなか見かけることができない限定銘柄も扱っている。全国のラグジュアリーホテルやレストランへの卸売実績を持つ目利きの確かさは、この店舗でも遺憾なく発揮されているのだ。
「コンポーネントペアリング」で広がるワインの気軽な楽しみ方
『インタートワイン ケーエム 山仁』の最大の特徴は、トップソムリエ大越基裕氏による独自の「コンポーネントペアリング」を体験できること。これは酒と食材との相乗効果に注目した優れたプレゼンテーション方法だ。毎月20種類(ワイン16種類、日本酒4種類)にそれぞれのペアリング食材を合わせたセットメニューを、なんと900円というリーズナブルな価格から試飲・試食できる(※内容により異なる)。
例えば、12月のメニューにオンリストされているのが、イタリアのスパークリングワイン「アルタ・ランガ」と、イタリアの「ポルケット・フィオリーティ」のハムの組み合わせ。このペアリングは、「アルタ・ランガ」の「パ・ドゼ」と呼ばれる辛口タイプのスパークリングワインが持つ、キリッとした酸味に着目している。甘みを加えない製法で造られたこのワインなら、生ハムの旨味と塩味が見事に調和する。さらに食材にはすだちを少量絞ることで、ハムの味わいが一層引き立ち、風味との相性も格段に向上しているから驚きだ。
シャンパーニュに偏りがちな日本のパーティーシーンにおいて、この「アルタ・ランガ」は、世界には多様なスパークリングワインがあることを気づかせてくれる好例。見た目にも可愛らしいラベルを持つこのワインは、“映えボトル”としても推しアイテムだ。
しかも使用される食材の多くは、麻布台ヒルズ マーケットで購入可能。マーケットで扱っていない特別な食材やスパイスは、『インタートワイン ケーエム 山仁』店内で購入できる。敢えて“コンポーネント”と表現することに対し、松木さんは「完成された料理とワインの組み合わせではなく、ひとつの食材との出合いから広がる可能性を感じていただきたい。そこから、ご家庭での新しい料理のアイデアも生まれるはずです」と語る。
予約優先だが、カウンターに空きがあれば、その場で気軽に立ち寄ることもできる。試飲で気に入ったワインは、もちろんボトル購入も可能。店頭で試飲して、食材と合わせて購入すれば、トップソムリエのエッジの効いたアイデアをそのまま家庭で再現できる。
「日本の家庭に、ペアリング文化を根付かせたい」。それが、『インタートワイン ケーエム 山仁』の大きな目標である。海外では当たり前の、食事に合わせてワインを選ぶ習慣。その豊かな食文化を、日本でも広めていきたいと考えているのである。
この店は、ワイン選びに不安を感じる方こそ訪れてほしい。プロフェッショナルたちが、訪れる人の「美味しい」「楽しい」を全力でサポートしてくれるはずだ。
※2024年12月現在の情報です。
※表示価格は全て税込価格です。
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