IKUKO’S METHOD

ハッピーウインターホワイトを着こなす—— 地曳いく子のおしゃれメソッド105

ファッションのご意見番ことスタイリスト地曳いく子さんが、独自の視点で切り込むオトナ女史のためのスタイル術「IKUKO’S METHOD」。今回のテーマは、冬の白の着こなし方です。

STYLING BY IKUKO JIBIKI
PHOTO BY SHIN KIMURA
EDIT BY AKANE MAEKAWA

ニュアンスのある冬の白だからこそ大人に

今年の冬は軽やかな気持ちで迎えたいと思っています。黒一辺倒だった私のファッションにも、全身とは言わないまでもどこかに白を取り入れてみたり、今はそんな気分です。展示会やショップでも、気になるのは白のアイテムばかり。昔はウインターホワイトといえば雪のように白いピュアホワイト一色でしたが、今年はグレイッシュであったり、ベージュがかったものであったり、クリーム色など、素材感のあるニュアンスのある白に注目。こうしたニュアンスのある白は、大人のおしゃれを高めてくれるアイテムでもあるのです。そこで今回は、オールホワイトをはじめ白のトップやボトムの合わせ方について考えてみました。日が短くなり、寒さで気持ちも塞ぎがちな冬。私にとって、服は気分を上げてくれる大切なスイッチ。寒くなるのは苦手ですが、この気温だからこそ凝ったコーディネートができるというもの。夏の日とは違う冬でしか楽しめない白を着こなしハッピー度を上げていきませんか。

同素材のシャツとパンツにショート丈のブルゾンとシアーなトップを合わせた白のスーパーレイヤード。素材感はカジュアルでも重ね方次第で上品に。ブルゾン¥72,600(ダブルスタンダードクロージング)、シャツ¥107,800、インナーのトップ¥35,000、パンツ¥107,800(以上オスロー/ソブ ダブルスタンダードクロージング/六本木ヒルズ ヒルサイドB1F

ボリュームのあるコクーンシルエットのグレイッシュな白のコート。ホリデーシーズンらしいサテンのロングスカートに羽織り、質感のコントラストでワントーンコーデを楽しむ。コート¥132,000、ハイネックトップ¥50,600、スカート¥42,900(以上デザインワークス/デザインワークス 六本木ヒルズ店/六本木ヒルズ ウェストウォーク3F

シアーな素材が印象的なドット柄のプリーツスカート。ニットトップと合わせて軽やかにフェミニンに冬のスタイルを遊びたい。ニットトップ¥53,900、スカート¥61,600(ともにデザインワークス/デザインワークス 六本木ヒルズ店/六本木ヒルズ ウェストウォーク3F

透かし編みのケーブルニットは軽やかでふんわりとやわらかな一着。フリンジスカートとの組み合わせで素材感に対比をつけウインターホワイトをエレガントに。ケーブルニット¥66,000、フリンジスカート¥77,000(ともにコラム/エストネーション/六本木ヒルズ ヒルサイド1F・2F

裾にレースをあしらったリブニットと白のパンツのきれいめコーデ。ケープマントのようなたっぷりストールを羽織って優雅に着こなして。コンサバな白にも注目です。ストール¥49,500、レースニット¥35,200(ともにエストネーション)、パンツ¥88,000(エストネーション ザ ファースト/以上エストネーション/六本木ヒルズ ヒルサイド1F・2F

凹凸のあるネップ素材のフェミニンなジャケット。トップは同系でまとめ、ボトムにはヘリンボーンツイードのパンツで、ニュアンスのある素材を対峙させバランスを作って。ジャケット¥85,800(エムフィル)、タートルネックニット¥25,300(オスカリート)、パンツ¥47,300(チルコロ1901/以上ビームス/六本木ヒルズ ウェストウォーク2F・3F

素材やディテールへのこだわりが詰まったチノのスウェットスタイルのトップ。光沢のある美しい黒のロングスカートとご一緒に。エレガンスを足してこそ、大人のカジュアル。トップ¥26,400、スカート¥38,500(ともにチノ/表参道ヒルズ 本館2F

ゆったりとしたワンピースにツイードのジレを重ねた冬のフォークロア。これにデニム穿きスニーカーを合わせてというスタイルもありますが、今年はあえて白のフラットシューズを合わせてエレガンスを追求したくなります。ジレ¥165,000 ※翌年1月中旬発売予定、ワンピース¥86,900 ※12月中旬発売予定(ともにエブール)、シューズ¥126,500(ジャンヴィト ロッシ/以上エブール/六本木ヒルズ ウェストウォーク3F

オールインワンにショートジャケットを重ねたウルトラモダンな白のセットアップ。それぞれも単体でも活躍しますが、パーフェクトバランスのセットアップで強気に白を着こなしたい。ショートジャケット¥55,000、オールインワン¥70,400(以上エストネーション/六本木ヒルズ ヒルサイド1F・2F

オフホワイトのあたたかなブルゾンに合わせたのは、フロッキー加工を施したブラウンのデニム。冬のスタイルはニュアンスのある素材感を重ねてこそおしゃれ上級者。ブルゾン¥176,000、ハイネックトップ¥17,600、パンツ¥70,400(以上オスロー/ソブ ダブルスタンダードクロージング/六本木ヒルズ ヒルサイドB1F

少し厚みのあるメルトン地のフーディーとスリットスカートのセットアップ。クルーネックTシャツやタートルネックニットなど、インナーに何を持ってくるかで色々な着こなしが楽しめます。ブラウス¥94,600、スカート¥78,100(ともにエブール/六本木ヒルズ ウェストウォーク3F

黒とオレンジのアブストラクトアートのような模様が印象的なジャケットやニット。スニーカーも白でまとめてウインターリゾートへ。ボトムをロングスカートに変えてアーバンスタイルでも素敵。ジャケット¥121,000、ニットトップ¥86,900、パンツ¥46,200、スニーカー¥52,800(以上ワイスリー/表参道ヒルズ 本館B1F

地曳いく子が指南する
ウインターホワイトの取り入れ方

❶ 複雑な白のスーパーレイヤード

白といっても、それぞれの季節にそれぞれの白があります。冬の白は夏の白とは全くの別物。夏はあの強い日差しのもとだからこそ、真っ白なパキッとした白が似合う。でも、冬は色味に素材感がプラスされてあたたかみを纏います。今年は、異素材を組み合わせたニュアンスの異なる白でワントーンコーデにトライしてみたいです。モコモコのコートに光沢のあるサテンのスカートなど。色味や素材感をずらした白を楽しんでこそおしゃれ上級者への道です。オールホワイトは少し苦手という方は、白のアイテムに別の素材感を足したコーディネートを。たとえば、ネップ素材の白のジャケットにパンツを合わせるのであれば、フラットなベージュのチノパンではなくヘリンボーンツイードのパンツを選ぶなど。色だけでなく、素材でもコントラストをつけてレイヤーしていくのがおすすめ。

❷ 美しいとは何かをもう一度考えてみる

今年はコンサバな白も素敵だと思っています。多様性のもとに、ファッションがぐちゃぐちゃになり過ぎてしまったと感じている今日この頃。ストリート系のファッションが街に溢れていますが、時にユニークという方向に向かい過ぎて、おしゃれって何?と考えさせられてしまうことも。たまには白のコーデで正統派の美しさを求めてもいいのではないでしょうか。エレガントな白のトップの抜け感としてボトムにデニム。もちろん正道で“あり”なコーディネートですが、カジュアル過ぎるので少しお休みしてもいいかなと私は思っています。抜くのではなく、エレガンスに素材感のあるエレガンスを足す。カジュアルでも上品さを追求したレイヤードを考えていきたいです。

❸ 冬でも軽やかな白を楽しむ

冬のマテリアルと言えば、昔は厚手でモコモコで重い。これに尽きました。ケーブルニットもウールのコートも重い。一式着ると肩が凝るぐらい重かったです。でも冬の寒さを凌ぐためには致し方ない。だからこそ、ファーのコートも必要だったわけです。でも、テクノロジーの進化とともに時代もファッションも変わっていきました。極暖の薄手インナーの登場で、冬にも軽やかさをプラスすることが可能に。透け感のあるワンピースやスカートも白の異素材コーデのアクセントにできてしまうのです。冬を軽やかな気持ちで迎えたい今、軽やかな白は欠かせないアイテムに。時代とともに、ファッションも変わりますね。

※ 2025年12月現在の情報となります。
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